第47話 生クリームほいぷ?
私は着替えの続きをした後にリビングに戻った。
お母さんは、早く食べたいのかソワソワしている。
「お母さんまだ作らないよ。お昼頃に作るから後数時間はあるよ。」
「そうだけど。もう食べたくてしょうがないのよ。デザートよ。デザート!! 今まで作ってくれた料理も美味しかったけれど、ご飯系だったから、いつか作ってくれないかな? ってずっと期待してたのよ!! だから、すごい楽しみ!!」
「今回初めて作るから上手く作れるか分からないからね。サリアが来たら、材料を取りに行くけどお母さんもくる?」
「もちろん行くわ!!」
その後もお母さんとホットケーキについて話しているとサリアがリビングにやってきた。
服で見えないが勝負下着を来ているのだろう……。
私は少し想像してしまったが、急いで別のことを考えた。
だって顔が赤くなってしまうからね。
「サリアも来たことだし、材料取りに行こう!!」
「「おー」」
私たちは家を出てエルフ畑に向かった。
エルフ畑では季節のものなど関係なしに一年中どんな野菜でも取れる。
この畑の管理は誰かしら気づいた方がするシステムなのでたまに時間が経ちすぎているものもある。
今日の食材は、大丈夫だといいんだけど……。
「畑でフルーツを取ったあとは、牧場で生クリームを買って、うどん屋で小麦粉を買う感じかな」
「「生クリーム?」」
「そう。ビーフシチューに入れる生クリームだよ。」
「「へー。」」
エルフの里では生クリームの使い方はビーフシチューなどにかけて使うぐらいで、ホイップにすることは無い。
あんなに美味しいホイップを知らないとは絶対に損していると思う。
だって材料が揃っているのに作ってないんだよ。
私が教えると毎日のように食べるとか言いそうなのが少し怖いが……。
私が材料の説明をしていたら、畑が見えてきた。
「お姉ちゃん見えてきたよ!! 一足先に選んじゃうからね!!」
「サリア!!」
サリアは走って畑に走っていった。
私とお母さんはサリアの後を追って小走りで畑に到着した。
お母さんが木魔法で籠を作ってくれたので籠を持っていちごとブルーベリーを探しに行った。
バナナも欲しいのだが、木でできるらしいからここにはないみたいだ。
そういえば、疑似体験では変わった食べ方が流行っていたな。
ベーコンや、目玉焼きをホットケーキと共に食べるらしい……。
もはやデザートなのか? と思ってしまう……。おかずクレープと友達なのかも……。
私はキョロキョロしながら、フルーツを探しているといちごを発見!!
ぶっちゃけ、広大な畑で見つからないだろうと少し思っていたから、見つけた時の安心感がすごい。
いちごはこの列で50mぐらい続いているので、たくさんとっても問題ないだろう。
私はいちごをひとつとって味見をしてみるが、すごい甘くていちごの味がしっかりしていて本当に美味しい。
このサイズだとパクッと食べられるからついついもうひとつもうひとつと食べちゃうんだよね。
私は三つ食べた時点でホットケーキ用のいちごを採取していく。
「よし。」
私は一度みんながなんのフルーツを採取しているか確かめる為にみんなのところに向かう。
まずは位置的に近いお母さんからだ。
「お母さんなにかいいのあった?」
「アリアはいちごね。ひとつちょうだい。んん!! 甘くて美味しい。久しぶり食べたけど美味しいね。私はこれ。」
お母さんの籠にはブルーベリーが入っていた。これで私が欲しかったフルーツは、揃った!!
私はお母さんの籠からブルーベリーを一つ食べるがいい感じに酸味が出て美味しい。
ブルーベリーの味がしっかりと出ているのでホットケーキと合わせるのが楽しみだ。
「ちょっとサリアのところにも行ってくるね」
「はーい。」
私はサリアの元に向かおうと、サリアの場所を探していたら、サリアがこっちに向かってきていた。
籠には溢れるばかりのフルーツがたんまりと入っている。これは期待大!!
少し待った後にサリアが到着した。
「たくさんと取ってきちゃった!! お姉ちゃんとお母さんは、それだけでいいの? あっ!! いちごとブルーベリー!! まだ私が取ってないフルーツ!! 良かった。」
「サリアは、何取ってきたの?」
「それはね。それはね。りんごでしょ。みかんでしょ。後バナナ!! 私の大好きなフルーツ達です!! 楽しみだな。」
「……? りんごもみかんもバナナも木でできるんじゃないの? 畑にあったの?」
「お姉ちゃん何言ってるの。どれも木じゃなくていちごみたいにできるでしょ。もしかして、図鑑ではそう書いてあったの?」
「……。そんな感じ」
「エルフの里はレアなフルーツがいっぱいあるんだね!!」
サリアは目をキラキラさせながら、自分が取ったフルーツを見ている。
多分レア所に惹かれたんだろう。
お母さんも、知らなかったみたいで「そうだったのか」と言っていた。
もしかして、今は木でなるフルーツがないのか?
私たちは畑の散策をまた再開する。
現段階で5種類も取ったので今度はみんなで回る感じだ。
「サリア。いちご味見してみる?すごい甘くて美味しいよ。」
「するする!! あーん。」
サリアは口を開けて待っているので、私はヘタと取っていちごをサリアの口に入れていく。
半分入った時点で噛んだので私はその半分を自分の口に入れた。
「「美味しい!!」」
「こっちのブルーベリーも食べてみる?」
「「うん!!」」
私とサリアは、自分でブルーベリーを口に入れて食べた。
いちごの甘みが口の中に残っている状態でブルーベリーの酸味が広がるのは、本当に最高。
早くホットケーキが食べたくてしょうがないよ。
「「美味しい!!」」
「早くホットケーキが食べたくてしょうがないわね。このフルーツ達がどれぐらいマッチするのかも気になるところだわ。」
「「ね。」」
私たちはフルーツを探したが、結局他のフルーツは見当たらなかったので牧場にむかった。
いつも牛乳は、この牧場で買っているのだ。
新鮮な牛乳や、バター、生クリームなどが買えるが、プリンやソフトクリームは、売っていない。
そもそも、プリンなどを知らない可能性の方が高いだろう。
ホイップすら、知らなかったのだから。
私たちは牧場に近づいてくると牛の鳴き声が聞こえてくる。
「牛さんがモー!! って鳴いてるよ!! 牛さんも少し見ていこうよ!! ねぇ。ねぇ。いいでしょ。」
「今日はフルーツ取ってきちゃったからね。あまりのんびりできないんだよ。牛さんはまた今度。」
「えー。見たいのに……。」
「今度、一緒に牛乳買いに行きましょ。その時はゆっくり牛さんを見れるはずだからね。」
「はーい。」
サリアも了承してくれたので私達は牧場の隣にある販売店に入っていった。
従業員とお客様を分けるカウンターが有り、そこにメニューの写真がはられている。
この店はオーバーオールを来たエルフのお姉さんが販売している。
名前はミルさん。
なんでも代々牛を育てていて、街にも販売しているらしい。
たまにお父さんが防衛として一緒に行ってるって言っていた。
「いらっしゃい!! ウサ!! それに子供たち!! もう牛乳終わったの? 今回は早いね。まだまだ残ってるから買って行って。」
「そうじゃないのよ。今回は生クリームを買いに来たの。」
「生クリーム? 夕食はビーフシチューか? って、ビーフシチューが食いたくなってきた。今日の夕食は決まり!!」
「そうじゃないのよ。ほいぷという料理を作るのよ。」
「ほいぷ?」
ミルさんの頭の上に? が3つほど並んだ。やっぱりホイップは、知らないのだろう。
あの味を知っていれば必ず残すはずだし、多分人族が作った料理なのだろう。
「ミルさんホイップです。」
「ホイップ?」
「生クリームに砂糖を混ぜて固まるまで混ぜる料理です!! 料理と言っていたいいのか? まぁ、そんな感じです。」
「ちょっと待てよ。生クリームって混ぜると固まるのか? バターみたいになるってことか!!」
「……。そうじゃないような。」
私がどうしようか。と困っているとお母さんが助け舟を出してくれた。
「今度牛乳買いに来る時どんなものか教えるから。それまで、待っててちょうだい。次回買うのは三日後かしら?」
「3日もかよ。乳製品の無限な可能性を早く見てみたいのに!! レシピ教えてくれないか? 自分で作るからさ。」
私はミルさんにレシピを教えた後に生クリームを買うことになったが、レシピを教えてくれたからということで無料で生クリームを貰った。
本当にいいのだろうか……。
「本当にいいんですか?」
「いいのいいの。持って行って。それにしても新しい生クリーム料理とはな。楽しみでしょうがないぜ。今日は店じまいにしちゃおうかな?」
「そんなことするとお父さんとお母さんに怒られるでしょ。」
「そこは内緒で頼むよ。」
ミルさんが両手を合わせて、お母さんにぺこりと頭を下げている。
多分以前に本気で閉めたことあったな。
そうでなければここまで本気で頼まないと思う。
「今回だけは、生クリーム貰ったし、聞かれても黙ってるけど……。」
「ありがとう!!」
喜んだミルさんは私たちが店から出ていった時にバターのお土産までくれた。
私たちがでてしばらく経った後に後ろを振り向くと、「ガラガラ」という音と共にシャッターが下ろされていった……。
本当にここまでやるとは……。
私たちはうどん屋に向けて歩いた。
あんなに美味しい生クリームのホイップを知らないなんて……。食べた時どんな感想を行くか気になりますね!!
ということで今回はここまでです!!
次回またうどん屋にいきます!!
【お知らせ】
また毎日投稿始めます!!
目標三月まで!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。