第42話 ありがとう、謎のエルフさんたち
身体中が痛い。
重い。
頭痛い。
あと、何かが私から流れている感じがする……。
私は目を開けると、魔力がすごい暴走しているのが見受けられる。
私の魔力は体内から放出され、天に届くのではないかと思うほどにどこまでも続いている。
そして、枝木のようにあっちこっちに出ている魔力がぶつかり合って突風が降り注いでいる。
私は仰向けになっているので、体を動かそうとするが、体が一切動かない。
唯一首が動いてくれたので、視界を落とすと、魔法を使ってる紗夜ちゃんと、泣き崩れているサリアが遠くに見える。
このままでは、二人が危ない。
紗夜ちゃんの魔力自体が元々の三分の一しかないのだ。
残りの三分の二は私が貰ってしまったため、このまま続いていると、魔力不足になるはず。
私が制御出来なければ、二人がこの世からいなくなる……。
私は放出されている魔力を落ち着かせようと冷静になろうと思うが、一切冷静になれない。
しかも、落ち着かせる方法も知らない。
このままでは、本当にヤバい。
私のせいで二人を殺してしまう。
私がいなければ、こんなことにならなかったはず。
私が……。
私が……。
私の目から涙が流れ始めた。
やっぱり。私ってダメなんだな。
私なんて……。
私なんて……。
……。
「アリア!! 何をやってるんじゃ!!」
「そうよアリアちゃん!! しっかり意識を持って!!」
「えっ!!」
私は首を動かして周りを見渡すが紗夜ちゃんとサリア以外の姿が見えない。
しかも、聞こえた声は、意識が戻る前に聞いた声と同じ方だ……。
もしかして、助けてくれるのか……。
「アリア!! まずはしっかり魔力全体を感じることをするのじゃ!! 冷静になろうと思えば思うほど冷静なんてなれるもんじゃない。そんなことは一旦忘れろ。いつまで自分を責めておる。いつまで自分を卑下しておる。そんなに自分が醜いか? そんなに自分の存在が可哀想か? こんなに可愛くて、誰よりも正義感があるやつがそんなわけなかろう!! 一人でいると苦しみが襲ってくるが、お主は一人ではない!! 忘れるな!!」
「アリアちゃん。本当なら私たちが手伝ってあげたいのだけど、私たちはこの世の住人ではないから助けられないのよ。だけど、その分私たちはあなたの元で応援するわ。負けないでアリアちゃん!!」
「はい!!」
私は魔力全体を感じることから始めようとするが、魔力が膨大すぎて全てを把握することはできない。
全体の魔力が把握出来ないのであれば、把握できるものだけを徐々に落ち着かせるだけ。
魔力は、少しずつ魔力を落ち着かせていくが、それに集中しすぎて他の魔力が暴走し始める。
私は顔から汗がダラダラと垂れてくるが、そんなものを気にする余裕すらなかった。
私はあの二人を殺させない。
何があっても……。
そんな時、「ピキッ」
天井にヒビが入る。
紗夜ちゃんの魔力がなくなってきている証拠だろう。
このままいけば、私が全魔力を落ち着かせる頃には紗夜ちゃんの魔力はなくなっているだろう。
こんなんじゃダメだ。
もっともっと、集中しないと。
もっともっと、早く落ち着かせないと。
もっと……。
もっと……。
私は魔力を落ち着かせている束に新たな落ち着かせた魔力を束ねていると鼻から何かが出るような感覚がする。
だが、そんなことを気にしている余裕もない。
私はただ続けるだけ。
私は引き続き魔力を落ち着かせていくが、まだまだ全然終わらない……。
百分の一も終わっていない状況だ。
だが、私は続けた。
続ける事にヒビが大きくなっていく。
紗夜ちゃんの方を見ると床につきながら魔力を展開しているが、先程と比べて数が激減している。
本当の限界がもうすぐなのだろう……。
……ありがとう。
多分ここまでだ。
諦めたくは無いけれど、諦めるしかもう道は無い。
この空間から解き放たれた時、里に戻るのか?
それともどこか違うところなのか?
それとも次元の狭間なのか……。
最後にゆっくり三人で話したかったな。
私のせいでこんなことに巻き込んでごめんなさい。
三人で過ごした日々は楽しかったよ。
ありがとう。
私は口から血を吐き、意識が薄れていく。
多分だけど、私の体が耐えきれなかったのだろう……。
私はもうダメだと分かり目をつぶる。
「「アリア。大好きだよ。」」
二人の声はどこか寂しいような嬉しいような声色だった。
それと同時に放出されていた魔力が私の中に吸収されていく感覚がする。
それに伴い、少しずつ私の体も元気になっていくのが分かる。
私は目を開けるがその光景に言葉が出ない。
今までありふれていた魔力が勢いよく私の中に入っていく。
暴走している魔力。
落ち着いている魔力。
そんなもの関係なしに。
全ての魔力が私の中に入った時点で、私は体から魔力がまた放出する。
だが、体の倦怠感が増加することはなく、魔力が暴走することもない。
私の魔力は私から天まで伸びて、ゆらゆらと揺らいでいる。
一切風が吹いていないことから、今まで突風が吹いていたのがまるで嘘のようだ。
手に取るように魔力の感覚が分かる。その魔力は私の思うがままに動かすことが出来た……。
もしかして、これが魔力との一体化なのか?
私は「ありがとう」と囁くが二人の返事がない。
その後、二人の声が聞こえることはなかった。
結構感動するかいを書きたかったのですが、私の力ではここまでのクオリティしか書けなかったです……。
いつか上手くなったら改良して、皆さんを泣かせるぐらいいいお話にするつもりです!! 楽しみにしててくだしい!!
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また毎日投稿始めます!!
いつまでかは未定です!!
最後まで読んで頂きありがとうございます。