表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/192

第41話 生きる意味

 「では、今日から魔力の一体化をしていく。今までは、魔力をホース経由で体に送っていたが、それでは魔力を借りている状態と同じだと考えて欲しい。簡単に言えば、今の状態は魔力湖の水をホース経由で自宅に送って、その魔力を使っている感じ。そうではなくて、魔力湖の浸かりながら魔法を打つ感覚にしてほしいって感じかな。もし魔力が放出できたのなら、その魔力を感じることができるから、暴れないように落ち着かせて、身に纏う感じかな。やりながらアドバイスしていくから、分からなかったら言ってね。」


 「はい!!」


 私は魔力をイメージしていく。


 相変わらずどこまで続いているのかが分からないほど続いている。


 ここは自分の考える世界なのか?


 何故か浮遊魔法が使えるので上空に上がるが本当にどこまでも続いている……。


 これはサリア以上に時間がかかるな。


 魔力と一体化するってことはこの空間を壊すということなのだろうか?


 この空間を壊して自分の体を想像しそこに魔力を届けるイメージなのかもしれない!!


 だが、ここであることを思ってしまう。


 この空間の壁は一重なのか?


 もし空間が解放した後に接続世界みたいなものがあるのかもしれないと考えてしまうと抜け出せなくなってしまった。


 私はどうすればいいのか分からなくなって迷っていると紗夜ちゃんの言葉を思い出す。


 魔力の湖に浸かってる感じ。



 もしかして……。



 私は崩壊云々を一回忘れて、また初めから始める。


 魔力の海が想像できた時点で、私視点では上から見あげている状態。


 これが当たり前に思っていたからこそできなかったのだろう。

 

 私は徐々に下に行き恐る恐る魔力の海の中に入ってみる。


 入る時怖かったとで無意識に目をつぶってしまった。


 私は目をつぶっているため、真っ暗な空間で浮いているような感覚になる。


 もし、目を開けた瞬間サメが現れたらどうしよう。


 魑魅魍魎の存在が私のことを襲ってきたらどうしよう。


 どんどん深く考えてしまって、目を開けられずにいる。



 誰か助けて。



 私は、誰かに助けを呼ぶと同時にどんどん海の底に引き寄せられているように落ちていった。


 落ちていくほど、気分も落ちていき、どんどん追い詰められる感覚を味わう。


 そんな私はここがイメージ上の世界ってことは忘れていた。



 ああ。私ってここで死ぬのかな?


 私が死んだところで誰が悲しむのか?


 誰が気づくのか?


 そもそも、元々存在しなかったのではないか?


 今までの楽しいことは、私が作り出したイメージの世界だったのでは?


 私は一人では何も出来ない出来損ない。


 生きているだけで、誰かに迷惑をかける存在。


 どこに行っても必要とされない存在。


 死んだ方が楽なのかな?


 私はそう考えると息がだんだん苦しくなってきた。


 苦しくなって、目を開けてしまうが、本当に海の底に向けて落ちていっている。


 海なのになんの生物もいない。


 どこまでも続いているがそれが私の不安要素を上げていく。


 「はぁ。はぁ。はぁ。」



 さようなら。


 私の体の力が抜けると同時に目をつぶった。





 「……。……。」


 なんだかどこからか声がする。


 天からの声だと思うが、天は私のことを嫌ってはいないのだろうか?


 こんな私でも誘導してくれるのだろうか?


 死んでも死にきれない。


 永遠に生きていかなくては行けないのか。




 ……。




 もう。どうだっていいや。




 私はその瞬間何かが壊れる音と共に意識が無くなった。





 「起きて。起きて。アリアちゃん起きて!!」



 体を揺らされる感覚がする。


 それに、私の名前を読んだような……。


 こんなどうでもいい存在に声なんてかけないか……。


 私は誰かにすがっていたい寄生虫なのか……。



 「起きて!! アリアちゃん起きて!! あなたはこんなところにいては行けません!! 早く起きてここから出なさい!!」



 ……。



 「あなたは、ウサとディーロの子供でしょ!! こんなところでへばってどうする? 今戻らないと、あなたの事を思う人がどれほど悲しむか? あなたが居なくなれば、周りがどれほど後悔するのか? あなたの笑顔が見たいがためにあの子たちはどれほど考えているか? あなたはそれほどまでに愛されている。あなたはそれほど大切にされている。忘れてはいけない。あなたという存在がいるからこそ、今日も笑える。あなたという存在がいるからこそ、今日も楽しい一日になる。あなたという存在がいるからこそ、今日も頑張ろうと思える方がいる。あなたは一人では無い。忘れてはいけない。あなたがいるから今日も元気でいられる人々を。」



 私は、ひとりじゃない……。


 私は何故か頭に家族が思い浮かぶ。


 サリア……


 お父さん……


 お母さん……





 そして、私……。



 愛されてもいいのかな?



 大切にされてもいいのかな?



 生きていてもいいのかな?



 もしも死ぬなら、家族に会いたいよ。



 寂しいよ。



 助けに来てよ。



 抱きしめてよ。



 会いたいよ。



 会いたいよ。




 ……。



 私はその瞬間誰かに頭を撫でられている気がして涙が止まらなくなった。



 ごめんなさい。



 ごめんなさい。



 ありがとう……。


 私は目を開けるとそこには知らないおばあちゃんエルフが私の頭を撫でていた。


 何故下アングルになっているかは謎だが、何故か見ていて安心する。



 そのエルフは私の顔を見るとにっこりと笑った。


 「おかえり。アリアちゃん。」


 「おかえり。」


 初めて見る方だったが、何故か懐かしいように感じる。


 それに、家族に感じるような安心感も感じる。


 「俺にも少しは顔を見せておくれよ。せっかくの孫の顔じゃぞ!! 早く早く!!」


 「全くあなたは忙しないんだから。でも、今回は急がないとね。アリアちゃん、起き上がれるかしら?」


 私は起き上がってみて気づいたが、この方のお膝で気を失っていたみたい……。


 私が起き下がると同時に抱きしめられた。


 今も涙が出ているが、抱きしめられると同時に声を荒らげて泣いてしまう。


 「よしよし。辛かったよね。もう大丈夫だから安心して。」


 私は心の底から安心してその方に抱きしめている力を強くしていた。



 しばらくだった後、私が泣きやみ始めたら、もうに片方のおじいちゃんエルフが私の顔を見に来た。


 「こんな形で孫の顔を見るとは思わなかったが、なんて可愛らしいんじゃ。生きている時に見れなかったのは大損じゃな。この子の成長をもっと間近で見れれば、」


 「それは言わない約束でしょ!! 私だって。私だって……。」


 孫?


 どういうことなのか?


 それと、生きている頃とは……。


 「そんな場合じゃない!! アリアちゃん立てるかな?」


 「はい。立てます。」


 「じゃあ立って!! 少し行かなくては行けない場所があるから、急いでいくよ!!」


 「えっ?」


 「今行かないと本当に死んでしまうのじゃ!! そんなことさせてたまるか!!」


 私は二人に手を引っ張られてどこかに連れていかれる。


 「あの? どこに行くんですか?」


 「今から生き返りに行くんじゃよ。ここは死後の狭間じゃ!!アリアが危なくなっているのを見て急いで駆けつけたんじゃ!!」


 「だから急いで!!」


 「死後?」


 「説明はいいから、早く!! 少しゆっくりしとったが、本当に危ない状態になってきたようだ。」


 私は二人につられて謎の花道を走る。


 走っている間、二人からはすごい真剣な顔で走っていた為話すことなく目的地に着いた。


 そこは、どこまで続いているが分からない崖……。


 「ここから、飛び降りると現実の世界に帰れる。怖いと思うけど、今回ばかしはバサッと飛んでくれ」


 「そうじゃ。今調べたが、後少ししか時間が無い。怖いと思うが、それしか助かる道はないのじゃ!!」


 「……。」


 恐怖を感じる私に対して、二人は焦って私に言葉を放つ。


 さすがにここを飛び降りるって……。



 ……。



 無理無理。


 さすがに無理だって。


 こんなところ、誰が飛び降りるんだよ。


 「アリアちゃん。このことは覚えていて欲しい。」


 「?」


 「あなたが、世界に嫌われ、一人になっても」


 「「私たちはあなたの味方だから。そして、あなたを一生愛している。」」


 「少ない時間じゃったが、楽しかったぞ。もうここには来てはならんからな。」


 「あなたが不安になってしまう気持ちは多分私のせいよ。ごめんなさい。もうここには来ては行けないよ。」


 「「さようなら」」


 二人が言い終わると私は背中を押されて崖から落ちていく。


 「ああああああああぁぁぁ!!サリア!!お父さん!!お母さん!!」



 私は気を失った。

 今回はなかなかいいお話だったのではないでしょうか!!

 結構主人公であるアリアは、自分を追い込んでしまう体質なため今回のようなことが度々起きてますね……。

 いつかは改善できるといいのですが……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ