第229話 恐怖を拭うアイデア
自室を飛び出した私は、隣にあるサリアの部屋に入るがサリアはベッドから落ちており、布団も全く被っていない状態。
まさにいつも通り……。
はぁ。呆れるような嬉しいような感情が込み上げて、もう!! と思いながらサリアに布団を被せた。
あっお父さんとお母さん!!
何安心してるんだ!!
私は急いでサリアの部屋を出てリビングに向かう。
いつもなら、両親の話し声が向かいながら聞こえてくるが全く聞こえてこないので、リビングに向かうほどドキドキ感が押し寄せてくる。
そして、リビングが見える位置になったが、リビングには誰もいなかった……。
お父さん……。お母さん……。
夢と現実が混じり感情がぐしゃぐしゃになり始めるが、ふともしかして寝てるかも!! と思い慌てて両親の寝室に向かう。
寝室を開けると、2人とも疲れているのか気持ちよさそうにベッドの上でしっかりと布団を被って寝ていた。
本当に良かった……。
私は急に力が抜けてその場で座り込んでしまう。
やっぱりあんなのは夢だよね……。
もう、なんでこういう時に限って現実味のある夢を見るんだか……。
でも、本当に良かった……。
少しその場に居座ったあと、私はリビングに再度向かった。
リビングに着いた私は日光浴を始めるのだが、その間に昨日のことをどうしても考えてしまう。
だからこそ、みんなと過ごせるこの時間を大切にしようと思った。
その後は椅子に座りながらお茶を飲んで落ち着いていると、階段をおりる音がしたので多分サリアだろう。
「おはよう……。あれ? お姉ちゃん1人だけ? お父さんとお母さんは?」
「まだ寝てる。昨日相当疲れてたみたいだから、寝かせてあげよう。昨日長老の家に里で起こったことを伝えることになってるけど、先に行かないん長老も心配だと思うからさ。」
「うん!! じゃあ着替えないとね!!」
私たちは自室で着替えたあと、家を出て長老の家に向かった。
いつもなら、里の子供たちが遊ぶ姿がみえるのだが、昨日あんなことがあったせいか誰も外に出ておらず、いつも感じない静けさを感じる。
「お姉ちゃん、子供たちが喜ぶものでも作ってあげようよ。ラッサーとマーサだって、まだまだ小さいんだから、あんなことがあったら立ち直れないよ。何かいいもの一緒に考えよう。」
「そうだね……。それも長老に一緒に相談しよっか。それと、なぎ倒された木々のことも話さないとだし」
「うん」
誰も外に出ておらず、いつも感じない少し寂しい感じになりながら私たちは長老の家まで行った。
長老の家に到着すると、すぐにドアを叩くとすぐに長老が出てくれてそのまま応接室に案内してくれた。
「それにしても、ウサとディーロはどうしたんじゃ? もしかして、結構重体だったのか?」
「お父さんとお母さんはまだ家で寝ていたので、そっとしておきました。長老も色々昨日の出来事が気になると思って一足先に来ました」
「来ました!!」
「大体の内容は紗夜さんに聞いたか、ウサとディーロがこの里に残ってからのことは全く聞いてなくてな……。すまないが話してくれるか?」
「はい。」
そこで私は昨日の出来事を話した。
長老は、神の魔法を知らなかったみたいで、話が出た時なんとも言えない顔をしながら「そんな魔法があったとはのう……」と言っていた。
「ということが昨日起こりました。」
「そっか……。本来であればワシがその役目を受けるはずを若い4人に任せてしまうとはのう……。すまない。ワシがちゃんとしてないばかりにこんなことが起きて助けることすらも出来なかった」
「「ちっ長老!!」」
長老はその場で頭を下げたので私は慌てて頭をあげてもらうように説得して、何とかあげて貰えた。
それに、今回のことは私にも原因があるかもしれないし、魔王が急に攻めてきて対策なんてできるわけがない。
だが、頭をあげた長老はすごい悲しくもあり悔しくもある表情をしていた。
「辛いことを思い出させてすまなかったのう……。学園もまだ始まらないと思うからゆっくりしていくんだぞ……。」
「「はい!!」」
「あっ!! お姉ちゃん、さっきの話!!」
「?!」
「あっ。そうだ!! 長老、実はなんですけど……。」
と、そこで木々が積み上げられている倉庫のようなもののこと。何か子供たちが元気になるものはないのか? などをこちらから提案した。
「そんなことも考えてくれてるとは、ありがとう。実は、ラッサーとマーサも魔王の恐怖が忘れられなくてずっと両親に付きっきりなんじゃよ。クラキ(長老の妻)もどうにか元気になってもらうために遊びに行ってるんじゃが、中々難しいそうでな……。」
「そうなんですか……。」
「お姉ちゃん、前に言ってた木で作るおもちゃは? せっかくあんなにあるんだから」
「……。あっ!! それいいアイデアかも!!」
「???」
「とりあえず、木々を収納した倉庫に一緒に行きましょう!!」
「ああ……。」
ということで、私とサリアと長老でなぎ倒しれた木々が収納してある倉庫までやってきた。
倉庫は天井はなく、ただ木々が倒れないように頭とおしりに木が刺されており計4本刺さっているだけの簡易的なものだ。
だが、本数が本数なので横100本ほどが縦5列ほどというクソ幅をとる邪魔でしかない。
もちろん収納魔法でしまうことができたが、長老がどうにかするだろう。ということになったのでこの状態にしてある。
だが、これがあるお陰で魔力の勉強をしていない子供は木自体の移動ができない上に倒れてくる心配も無い。
安心安全なのだが、長老はその木々を見ながらなにか考えているように手を顎に当ててブツブツと言っていた。
「あの、長老大丈夫ですか?」
「ああ。すまんのう。さすがにこれだけ木々が倒されたとなれば種を撒いて育てなくちゃと思ってのう。子供たちにちょうどいい遊びができたと思ってもらえればいいか。」
「数が数なので、なにか使えそうな時にはぜひ使ってください!!」
「そうするわ!!」
その前に準備準備!!
私は木を1本そこから出し少し開けた場所に置いた。
「それで、私が子供たちにあげたいおもちゃですが、ちょっとまっててください。クリエイト!!」
私が床に置いてある木を触りながらクリエイトと言うと気が置いてあった場所に大量のけん玉と積み木が出現した。
けん玉だけだと、木が余ってしまうのでそのあまりを積み木として利用したのだ。
ちょっとしたカスがでたが、これは野宿の時にでも燃やせばいいだろう。
「これほどまで魔力の伝わりができるとはのう……。」
と長老は感心していたが、そんなことよりもおもちゃの評価お願いします!!
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