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エルフだって忘れてた……  作者: ころキャベ
第四章 ダンジョン攻略編
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第227話 神の化身

 私たちの目の前は、同じ氷の世界だが景色や建物の構造など全く違う氷の世界にやってきた。

 そう、ここは紗夜ちゃんの罪の世界。

 現在は氷を溶かす研究に育んでいる紗夜ちゃんだが、私たちの魔力に気がついてテレパシーを飛ばしてきた。


 (一体何があったんだ? こんなに大勢で……。しかもどれもエルフじゃないか。もしかして、里に襲撃者か?)


 (こないだ話した魔王が里に攻めてきたから、安全な場所として連れてきちゃった。紗夜ちゃんしかどうしても頼れなくて。ごめん。)


 (いや、しょうがないでしょ。一応アリアに魔力を譲渡したと言っても長老の何倍も魔力量があるし、魔法の知識の幅が桁違いだからね。この氷は物理攻撃で壊せるから範囲を決めてそれ以外は出れなくするけど、大丈夫?)


 (もちろん。サリアもそれでいいよね)


 (うん。ありがとう、紗夜ちゃん)


 (こういう時こそ頼って欲しい。それと、襲撃にあったといってたけど、今その魔王はまだ里に残ってるの?)


 (お父さんとお母さんが戦ってくれてるから何とか転移ができたんだよ……。それに、お姉ちゃんも氷のオーラ全開だったし。)


 (そっか……。いや、それほどしないとあいつには勝てないな。こないだの魔族とは比べ物にならないほどの魔力の所有者であり、技の知識も桁違い。そろそろ2人は戻った方がいいんじゃないのか? さすがにウサとディーロだけじゃこれからきつくなってくるだろ。それに、あいつを唯一倒せる魔法は神を呼ぶ魔法のみ。だが、神の魔法はいつ何時であっても平等を欲するから、十分に気をつけてくれ!!)


 ((わかった))


 (後のことは長老とテレパシーを繋いで説明する。2人とも、絶対に帰ってきて!!)


 ((うん!!))


 「サリア、ポシカボールを解除したらすぐに転移で里に戻ろっか。全魔力を注がれたらさすがのお母さんたちでも危ないから……。」


 「うん!!」


 私とサリアはポシカボールを解除したあと、テレポートで少し離れ詠唱を始めまた里に戻って来たのだが、先程の光景と全く違く場所を間違えたと一瞬思ってしまった……。

 地面はクレーターだらけで、森の木々はなぎ倒されていた。

 未だに氷の世界は残っているものの、氷の残骸があちらこちらに飛び散っているし、私たちが今まで住んでいた場所とは思えない程だ……。


 ?!


 少し遅れて気がついたが、魔王は何体もの分身を出し両親と戦っていて両親は相当魔力の消費をしている。

 このままだと……。


 「サリア、詠唱を初めて!!」


 「うっうん!!」


 サリアが返事をした瞬間魔王がこちらを見ながらニヤリと笑うと笑い両親と組手を取りながら詠唱を始めた……。


 あの魔王がわざわざ詠唱をするということは、私たち全員を殺せるだけの魔法があるということ……。

 それに、両親がキャンセル魔法や異次元魔法を放っているが目の前の分身が1度キャンセルさせるだけで、続きを別の分身が言うので効果がない。

 さすがに全員いっぺんに言ったところで、本体が別のところに待ち構えていたら絶望的。

 逃げるしかない。


 私は再び魔力のオーラを全開に出し、氷の世界をより強力なものにしていく。

 先程よりも冷気が放たれ、なぎ倒された木々が凍ったりしているが、魔王は何も問題なく両親と戦っている。

 私は腐敗魔法を氷の矢にかけ100本程飛ばすが分身が生贄になるだけ。

 そして、その後また分身が複製され何も無かったようにまた続きが始まる。


 ただ一刻と過ぎて行く時間を待つだけとなってしまっているこの現状化。

 サリアの詠唱が先か、魔王が先か。


 だがそんな時、魔王はテレポートで上空に移動して言葉を続けた。


 「何時求めるものを追い求め、対価を払おう。神の化身!!」


 そういい終わったあと、感じたことの無い寒気を感じる。

 今まで私の氷魔法オーラが放っていたが、それとは意味が違う。

 心の底から恐怖を感じ額に汗がながれ、足が震えているのがわかる。

 動かない。動きたくても動かない。

 ただただそこにいるだけしかできない……。


 紗夜ちゃんが以前神シリーズを使った時と比較にならないほどの恐怖……。


 その時、上空にバキバキ!! と音が鳴ると共に見たことの無い真っ黒の次元の狭間が出現する。


 魔王もそれを見た瞬間、真っ青に青ざめ地上に降りてきて体が震えていた。

 次元の狭間から、見たことの無い巨大な指が出てきて、次元をこじ開けるようにしてくるが、その瞬間心臓のドキドキ音が早くなり呼吸がさらに荒くなる……。


 そこから出てきたのは、神秘的であり、恐怖を司っている人型をしている者……。


 もしかして、あれが神だと言うのか……。


 神は次元の狭間から体が出てきたが、ムキムキな体にパンイチという姿だが、恐怖で何も考えられない。


 その神が地上に降りると共に地震のようなものが発生し、そのタイミングで地上にいる物は立っていられなくなった……。


 「ワシを呼んだのはお前だな。」


 魔王を見ながら言うが、魔王はワンテンポ遅れて返答をする


 「そっそうです。私が呼びました。対価として、私の部下5000名、私の魔力の半分譲渡致しますので、あのもの達を貴方様の物にしてください」


 震える声で魔王は言うが、神はただ顔を左右に振った。


 「なぜですか? もっと対価が必要なのですか!!」


 「お前は神を呼び出す制限を超えた。よってお前は一生の地獄を味わうことになる。」


 その瞬間魔王の分身が全て消え、1人だけになり魔王は両手を見ながらただ震えていた。


 「だから、代償なんていらん。分かったな。」


 「私が……。この私が……。」


 絶望している魔王を神は片手で掴みその後私たちに目を向けた。


 「友の子孫。我々を呼び出す魔法は使用するな。己を苦しめるだけだ。」


 そう言い放ったあと、ジャンプして先程の事件の狭間を殴ると次元が広がりそのまま次元内に帰っていった……。

 帰ると同時に次元の狭間は消え、心の底から感じる恐怖のようなものは無くなったが、誰1人立つことが出来なかった。

 ただただ、この状況を理解できず、呆然としているだけ……。


 そして、時間が経ったあと初めて思った言葉が「生きてる」ただそれだけだった……。

月水金更新予定

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