第225話 魔王襲来……
話がひと段落ついてサリアの方を見るが、ちょうどサリアも私の事を見て目が合ってしまう。
私は「うん」。と頷くとサリアも頷いてくれたので!やっぱりそういうことなんだろう……。
「だよね。ダークエルフってこないだ学園を襲った……。」
「そうそう、絶対にそうだよ!! それに、魔王は同じ種族ざいないって紗夜ちゃんが言ってたから絶対にそうだよ!! あっ。そういえば、分身もできるって言ってたよね……。それに、お姉ちゃんも勝てないって……。里のみんなが助かったのは良かったけど、思い出の場所が取り戻せないのが悲しいよね……。」
「どうにかなればいいんだけど……。」
私たちはしばらく悩んでいたが全く答えは出ず、ただただ時間が過ぎていった。
現状、場所も分からないので転移すらできないし、「跡足」という転移先の場所まで分かるという嫌な魔法を使える可能性があるらしい。
そうなると、私たちにできることは何一つ無い。
魔力量でも負け、作戦も無し、ほんと自分の弱さを感じさせられる……。
今は無事だったことのみを喜ぶべきなのか……。
悩んでいた私だが、急にサリアが優しく抱きしめてくれる。
「お姉ちゃんは考えすぎ。大丈夫。大丈夫だから。それに、今回はお父さんとお母さんもいるから、頑張れば勝てるかもしれないよ!! 4人パワーで頑張るよ!!」
「ありがとう、サリア……。」
だが私の頭の中は、先程サリアの言った「思い出の場所が取り戻せない。」という言葉が離れなくなっていた。
もし、私たちの里が狙われ家族で逃げれたとしたら、どれだけ後悔する?
この家で今まで暮らしてきたたくさんの思い出を捨てるまでは行かなくても、育んできた場所を捨てるなんてできない。
それに、これからもずっとここに存在して欲しいし、ふと昔のことを思い出して笑い合いたい。
襲われた方々もそう思っている方はいるはず。
だが、何も出来ないという現実が押し寄せてくる……。
本当にどうしたらいいのか……。
どうしたら……。
そう思っていると、
「話もちょうど済んだし、2人を呼んでくる。まぁ、2人のことだから心配してるからな。」
「あっ!! 何かしてるフリしないとお父さんか来ちゃうって!!」
「えっ。えっ。あっ。本!!」
トントンと階段を上がる音と共に、私の心臓はうるさく鳴り響く。
ヤバい、どうしよう……。
棚にある本を取ろうとするが焦っていてか何冊かおとしてししまう。
戻そうとするがそんな時間はない!!
とりあえず、落ちた本を!!
トントン ガチャ……。
「なんか落としたけど大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ!! それとお父さん!! しっかりこっちの返事があってから開けること!! もう、サリアもそうだけど、なんでうちの家族はみんなそうなの!!」
「もう最近やってないもん!! お姉ちゃん最近サリアはいい子だよね?」
「まぁあね。でも、油断大敵だからな……。」
「もう!!」
よし。何事もなく普通の会話ができてるぞ!!
とりあえず、何かできることがないかは後回しで、とりあえず、現状突破を考えるべきだな。
「そうそう、アリア」
「……。」
やばい。もしかしてバレたか?
魔力感知でも分かりずらい方法でしりのけたと思ってたけど、紗夜ちゃんお父さんにも繊細でめんどくさい魔力感知方法教えたのかな?
それなら、打ち上げるしかないのか……。
そんな中お父さんが口を開け続きの言葉を発する。
「もしかして、次に作る美味い料理でも決まったか? 持ってる本料理本だろ」
「……。あっ。そうそう!! 今回おまんじゅう買ってきたからなにか甘いものはないか見てたんだよね。サリア?」
「うんうん!! ホットケーキみたいに美味しいデザートないかなって話してたんだよ!! 今度みんなで一緒に探して作ってみようね!!」
「おっ。いいな。甘いものはウサの好物だからな。よし、今度作戦会議して、びっくりさせちゃうぞ!!」
「「おー!!」」
「おっ。そうだった。話し合いが終わったから1階に降りるぞ。それと、夜色々話し合うから……。」
「「うん……。」」
元気だったお父さんだったが、最後は静かに語り、そのまま1階に戻って行ったので私たちもついて行った。
その後は初孫。ということで、色々質問されたりして、気づくと夕方になってきたのでとりあえず、今日は一旦帰ってもらった。
その後夕食を食べ、現在先程話し合った内容を教えて貰っている。
「というわけなんだ。いまは、誰もいないから行かなくてもいいが、なるべく火は消しときたい。結界が魔王によって壊され、このまま山火事が続けばそこら周辺の魔物の生息、もしかしたら近くに村などもあればそこも被害をうけるだろう。魔王は非常に強いが紗夜さんに強化された俺たちなら適うんじゃないかな。と思ってな。」
「お姉ちゃん……。」
「うん。それだけど、こないだ王都を襲ってきた魔王と同じだと思うんだよね。一応王都にいた魔王は倒したけど、自身の体を分身できる存在で、魔力感知で魔王がいると思う場所を感知すると敵わない。と感じるほどの魔力。威圧感を放っていたんだよ。束になれば勝てるかもしれないけど、相当怪我はすると思うんだよね……。」
「そういえば!! 千里眼とかで見えないかしら? あっちにこちらの顔が見られたところでもう知れ渡ってしまってるのだから、問題はないはずよ。いや、場所がわからなくても、外の様子とかが分かっちゃうか……。ほんと、どうしたらいいのよ……。」
「そうだな、いい案があればいいんだけど2人ともなにかないか?」
「「うーん……」」
「?! ちょっとまってて……。」
ん? お母さんが何やら慌てた様子で急に黙ってしまったが、徐々に顔色が悪くなってるのが伺える……。
もしかして……。
「みんな早くこの里から出るわよ!! 魔王がこっちまでやってきたわ!!」
「「?!」」
「ありえない。魔力的にバレないように色んな加工をしたはずなのに……。 」
「そんなこと言ってる場合じゃないわ。ただ里の中心部を歩いてるだけみたいだから、さっさと転移するわよ!!」
「ちょっとまって!! この家はどうするの!! 私たちの思い出の家だよ!! 多分収納魔法で入るかもしれないから。1回試しても大丈夫? それに、街にはまだ残ってるエルフがいるかもしれないし、私たちはみんなより強いから少しでも持ちこたえないと。」
「アリア。それは私たち大人のやることよ。子供は今後の成長があるじゃない。大丈夫。後でいくわ。いまはどこかの里に行かないことが懸命ね……。そうなると……。適当にいつもの街の近くにでも行ってきなさい。」
「そんなのヤダよ!! だってみんな一緒じゃなきゃ……。一緒が……。」
サリアは涙を零しながらただただ訴えているが、その願いは叶いそうに無い。
だがそんな時、高魔力がこちらに向かって放たれたのを感知して慌てて家に強力な防御魔法を展開する。
一応耐えたことは耐えたが、反動で家が自信でも来たか。と思うほど少しゆれた。
このままだと、私たちの家もなくなってしまう。という焦りから、みんなのことを一瞬だけ浮かせ、私の収納魔法に家をそのまましまいこむと、そこにはこないだご対面したあの姿が……。
「会いたかったわ。でも、こんなにすぐ会えるなんて思ってなかったからすごく嬉しいわ。」
そう語る彼女だが、後ろに彼女の分身が何匹も里中みんなを襲いかかっている。
それに、いつも言ってる森に火がつけられ燃えている……。
もう腹を括るしかないのか……。
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