第223話 浮気相手は……。
私たちが喫茶店に近づくと、仲良く話していたお父さんがこちらを見てすごい驚いた顔をした。
その直後、慌てて喫茶店から出てくる。
「みんなしてこんな所で何してるの?」
「それは」
「それはお父さんがお母さんのいない所でコソコソあってるからでしょ!! もう知ってるんだからね!! 私たちと一緒にいるぐらいの笑顔を見せちゃって!! もう、お父さんのこと絶対に許さないんだから!!」
「えっ?!」
「お父さん、さすがに今回のこれは良くないよ。それにお母さんも見た事ないぐらい悲しい顔してたし。私たちが学園に行く前はあんなにも仲良かったのに、本当にお父さんに何があったの? お母さんと向き合う時間が無くなっちゃったの……。もう一度考え直してよ。」
「えっ。ちょっとまって。待って。えっ?! ウサ、俺が会ってる相手分かるよね? イアだよ!! イア!! 2人は初めてかもしれないけど、俺の妹のイア!! いっつもどこかしら歩き回ってなかなか会えないんだけど、こないだたまたまあって、そこからよく街で時間決めてあってるんだよ!! 耳はエルフって思われると色々あるから魔法で人族と同じようにしてるだけだから!!」
「「えっ……」」
「あっ。ほんとだわ……。」
「「……。」」
「「お母さん……」」
「だって、私が冒険者やめて里に帰ると共に里を出ていったからすれ違いになっちゃって……。そこからもなかなか会えず、結局結婚式の1度だけよ。それに印象は子供の時のままだからね……。あなた、ごめんなさい!!」
お母さんはお父さんに向かって頭を下げる。
お父さんは慌てて辞めるように言っているがお母さんはなかなか辞めてくれない。
そんな時、イアさんがこっちに来てくれた。
「いつまでもそこにいると邪魔になるから、そろそろ入れば? ってか、ここの肉うめぇよ。そっちの娘たちも遠慮無く食べな!!」
「……。お母さん随分特徴がある方だと思うけど……」
「声とかはあまり聞いていなかったから分からなかったわ。」
「「……。」」
私たちはイアさんに促されそのままイアさんが座っていたテーブル席に着いた。
イアさんは私とサリアを見るなりなんだか嬉しそうな顔をしている?
「それにしても、こんなに可愛い娘がいることを隠してるなんて、もったいねぇことするな。さっさと教えてくれれば里にも帰ったのに。それにしても、3人とも相当強いね。あれほど完璧に魔力も消せて、魔力を読もうとしても全然読めねぇ。もしかしたら、私よりも強い存在かもな……。まぁ、そんなことどうでもいいから、飯食べな。飯!! 腹減ってると元気でないだろ!!」
「……。はい」
「……うん」
イアさんは飯飯ばかり言うが、肝心のイアさんご飯はお皿の真ん中にちょこんと小さなお肉の塊がらありそのまわりを野菜が囲んでいる料理。
やっぱりエルフだけあって野菜は欠かせないのだろう。
プレートを見てしまうと、そのギャップから少し笑があふれてしまう。
それにせっかくだから、何か食べるかな。ということで、隣に座ったサリアがメニューを広げて一緒に見ているが美味しそうなメニューがズラリと並んでいる。
ペラペラな紙にたくさんのメニューと絵が書かれているのでパッと見でどんな料理かわかりやすい。
疑似体験では当たり前だったけど、これ結構嬉しんだよね。
結構美味しそうな料理あって悩むな……。
「おすすめは肉弾丸野菜盛りだな。まぁ、私が食べてる料理だが、これこそエルフのはために作られた料理と言って過言では無い。それ以外も上手いことはうまいが、野菜が足りないな。」
「そっか……。それなら私それにしようかな?」
「あら、私も」
「私も、私も!!」
「よし、すみません!! 肉弾丸野菜盛り3つください!!」
イアさんは手を挙げて大声で店員さんに言い、視線を送っていた店員さんが頷くと視線をこっちに戻してきた。
「それにしても、兄貴はほんといい嫁さん貰ったよな。こんなにも愛してくれてるんだからな。まぁ、私はそういう相手いないから、少し羨ましいな。」
「そうでしょ!! お父さんとお母さんはね。すごい仲がいいんだよ!! もう、お父さんこれからお母さんが心配するようなことしたら絶対にダメだからね!! 本当にサリアぷんぷんっ怒ってたんだから!!」
「ごめん……。ウサも今日の朝とか言いすぎた。ごめん……。」
「私の方が悪かったわ。あなたの気持ちも考えずに言ってしまって……。ごめんなさい……」
「うんうん。理想の夫婦って感じだな。おっ。注文が届いたみたいだぞ!! いっぱい食って大きくなれよ!!」
私たちのところにイアさんと同じお皿の真ん中に肉の塊がちょこんと乗って周りを野菜で囲う料理がやってきた。
野菜はドレッシングのようなものは一切なく多分お肉と一緒に食べるスタイルなのだろう。
「いただきます」
「あっ!! いただきます!!」
「いただきます」
「……? なにそれ?」
「あっ。これはね、お姉ちゃんが教えてくれたおまじないなんだよ!! ご飯を食べる時に、命をいただきますっていう意味があるんだって!! で、食べ終わったら、ご馳走様でした。って感謝するんだよね!!」
「うん。ずっとやってるから癖になってるっていう感じだけど、意味的にもいいから続けてるんだよね」
「……。変わった文化のところにいたんだな。そこは美味いものあったか?」
「……。そうですね……」
疑似体験のことを言うわけにはいかないので何とか誤魔化さないといけないが、イアさんは結構ズバズバ言いそうなので、ここで濁すのも大変。
いや、待てよ。私は疑似体験する前は本ばかり読んでたということになっていたので、本を読んで。とか言っとけばどうにかなるんじゃないのか?
実際に沢山本があるから家に来てもバレないし。
よし、この作戦だ!!
「そうですね。本で読んで気に入ってから始めたので、そこの土地の美味しいものはあまり分からないですね……。」
「そっか……。それは残念だな。何か面白い料理本でもあったらいつでも声をかけてくれ。って言ってもいつまでこの街にいるが分からにいけどな。そういえば、両親は元気か? 全く会ってないけど、相変わらず里でのびのびやってるのか?」
「言ってなかったか? 2人とも今は別の里に引越したんだよ。まぁ、昔馴染みがそこにいるからちょっとだけ住むね。っていってかれこれ150年ぐらいか? たまにそろそろ帰るから。みたいなことは言ってるが、結局いつになるか分からないからな。」
「それってどこの里? 」
「ミアの里。」
「ああ。あそこね。昔暴れん坊だったって言われてる村長のところでしょ。あそこなら安心安全じゃん。」
「まぁ、何かあれば転移でこっちに帰ってくるでしょ」
「そういう事ね」
その後も食べながらお話をして、気づくとご飯をペロリと平らげた。
まだ食べられるな。と思ったが、夕食があるので断念。
夕食は仲良くなった記念でなにか美味しいもの作りたいな……。
丼物は出したからな……。
何にするかな?
そんなことを考えていると、入口のドアが勢いよく開かれ、振り向くがそこにはお父さんの仕事仲間が……。
「ディーロ!! 早く里に戻ってくれ!! 緊急だ!! ウサもイアもそれに2人まで……。とりあえず、みんな早く帰るぞ!! お金は……。ちゃっちゃと払って戻るぞ!! 早く!!」
「おっおい!!」
「いいから、さっさと帰るぞ!! 帰りながら状況は教える。本当に早くしてくれ!! このままだと色々やばい!!」
「ああ、わかった。みんな一旦帰るぞ」
そういいながら、焦っている顔、額に汗もかいているので重大な何かがあるのだろう。
お父さんは金貨を置いてお釣り入らない。といって私たちはお店を後にしてそのまま転移で里に戻ってきた。
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