第218話 先代のまんじゅう屋?
(ナギさん!! ナギさん!!)
(アリアちゃん!! もしかして、何かトラブル!! 魔力感知には引っかからないけど、もしかして潜んでるってこと?! 大丈夫?!)
(それは大丈夫なんですけど、学園が夏休みになって帰省しようと思うのでナギさんはどうかな? って思ってテレパシーしたんですけど、どうします?)
(そうだね……。帰りたい気持ちは山々なんだけど、ポシカの事件があったばっかりで色々と王宮内は大騒ぎでもう少し帰れそうに無さそうね……。そっか、夏休み……。多分後半は帰れそうだからよろしくね!!)
(後半はこっちに帰って友人と旅行に行く予定なので多分入れ違いになりそうですね……。)
(そっか……。ゆっくり休んでね!!)
(ナギさんも頑張って!!)
「ナギさんダメだって。ポシカのせいで忙しいみたい。」
「それならしょうがないね。じゃあこのまま帰ろっか。とりあえずまた近くの森に行って転移だよね。もうそろそろ夕方になっちゃうから急いで帰ってびっくりさせないとね!!」
「どんな反応するかな? あっ。お土産も買っていこうよ!! 最近まんじゅうが発売してお土産にちょうどいいって風の噂で聞いたから。なんでも1週間後も食べられるようにしてあるから、結構重宝されるんだって。多分腐りにくくする魔法だよね。」
「まんじゅう? とりあえず、食べ物なんだから買いに行くよ!!」
「おー!!」
ということで、私たちはおまんじゅう屋を目指している。
本店とは別に似たようなものを出している店が多く増えてきてるとか。
だが、そっちは持っても2日ぐらいで味も本店の方が美味しいと、こないだ散歩した時に盗み聞きしたのだ。
すごい待つらしいけど、大丈夫かな……。
サリアと楽しみだね!! って話しながらそのおまんじゅう屋を目指していると突然見たことの無い行列を見つける。
「お姉ちゃん、すごい行列だね!! 絶対にこんな行列並びもたくないよ。だって今並んだら明日の朝になっちゃうかもしれないよ!! そしたら眠くなって頭が痛くなっちゃうよ!!」
「この近くだけど、大丈夫。大丈夫。真似してる店も多いからここまで運んでないって。多分また新しいお土産でもできたんじゃない?」
「確かに!!」
「私たちのところはどれぐらい混んでるかね?」
「ちょっとがいいな。」
「ね!!」
……。
……。
えっと……。
確かここがおまんじゅう屋だったよね……。
「お姉ちゃん……。」
サリアが悲しそうな声で私に語りかけるが、先程行列を見て並びたくないよね。なんて言っていたところが私たちの目的地だったみたいだ……。
さすがにこの行列に並ぶのはね……。
ぱっとみただけで200人は並んでそうだし、そもそも途中でおまんじゅうがなくなる可能性だってある。そうすれば並び損……。
はぁ。諦めるか。
「サリア、このまま帰ろっか。今度紗夜ちゃんが帰ってきた時に作れるか聞いとくよ」
「うん……。」
サリアは楽しみだったのかやっぱり元気の無い声で返答くれるが、こればっかりは私がどうにかすることができない……。
はぁ。帰るかな。
あっ。お母さんカエル好きだしそういうグッズでもいいかもね。
「サリア行こっか」
「あれ? もしかして師匠じゃないですか? どうしたんですかこんな所で!!」
「「? ?!」」
振り向くとそこにはチルがただ突っ立っていたが勇者や先代と一緒ではなくおひとりだ。
珍しい。休みに入るから校長先生のところでも行ってたのかな?
「あっ!! お姉ちゃんいいこと思いついた!! あのね。あのね!!」
「サリア、それはダメ!!」
「まだ言ってないでしょ!! もう、お姉ちゃんったら!!」
「チルを並ばせて買わせる気でしょ? そういうのはダメ!! チルだって修行しないとでしょ!!」
「はーい」
「えっと、もしかしておまんじゅうが欲しいのですか?」
「そうだけど、もしかして何個か持ってるの?」
「いや、実は先代のお店なんですこのお饅頭屋。始めは人気がそこまでなかったのですが、日持ちすることと先代の店ということで人気になりまして。今まで表から帰ってた従業員も裏からコソッと帰るみたいなことになってしまって結構苦労してるんですよ。おっ。もしよろしければ、おまんじゅうとかお持ちしましょうか?」
「「お願いします!!」」
「あっ。はい」
私たちはすごい食い気味に返事をしてしまい、少し驚いたような表情をしていたが、チルはそのままお店から少し離れてどこかに行ってしまった。
多分裏口がある方向なのだろう。
「お姉ちゃんすごいラッキーだったね!! どんな味がするんだろう。早く食べたいけど、みんなで食べるから我慢だね!!」
「そうだけど、さっきは反射的に言っちゃったけど本当にもらって大丈夫なのかな? こんなにも食べたくて並んでるのに、私たちだけ貰っちゃって……。なんか良くない気がして」
「そう言われると確かにそうだよね……。」
そこからサリアとしばらく話していると何やら麻袋を持つチルがやってきた。
「お待たせしました!! それにしても師匠たちなんで浮かない顔してるんですか? せっかく持ってきたというのに。本当に美味しいので是非食べてください。」
「やっぱりいい。ごめんね。せっかく持ってきてくれたのに……。並んでる方に申し訳ないもん……。」
「あっああ!! その事ですか。それなら安心してください。実はお饅頭の後に羊羹というものを販売しまして、そちらが1ヶ月も日付がもつということでこの長蛇の列になってしまったのです。おまんじゅうの時は並んでいても5人ぐらいでしたが、今回は商人の方々が多いいのでどうしてもこうなってしまうんですよ。ですのであまり気にしないでください!! それと、今販売しようと思っているこしあん。というあんこを完全に潰しつぶつぶの食感がないお饅頭と羊羹が入ってますので是非食べてください!! ですので気にしないでください!!」
「ありがとう!!」
「ありがとう!!」
「師匠たちに感謝されるとすごい嬉しいですね!! そういえば姉の学園にもおふたり通われているのですよね。色々難癖がある方ですが、みんなのことを思っている方ですので、優しく見てもらえれば嬉しいです!!」
「大丈夫だよ!! だって、校長先生は優しいんだから!!」
「そうそう。」
「それは良かったです。」
「じゃあ私たちもう行くね。ありがとね。」
「ありがとう!!」
「はい!! ではまた会いましょう!!」
そこで私たちはチルと別れたがこんな行列の理由はそういう理由だったのか。
それに、私たちが貰ったのも話を聞く感じまで大丈夫だし。
よし、家に帰ってみんなで食べるぞ!!
「サリア、帰ろっか。」
「うん!!」
私たちは王都を出て森に行き少し歩いたあと誰もいないことを確認して詠唱を始める
「遠くよ遠く。四方八方どこまでも天にまで伸び、あられもなく現れ、人々は喜びと悲しみに包まれることであろう………………。いざ、舞い上がれ。転移!!」
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