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第199話 念願の学食ピザ

 「お姉ちゃん、ニーナこっち、こっち!!」


 「本当に買えたんだ……。校長先生でさえあんなに難しいって言ってたのに。」


 「ほんとにゃ。それにしてもこんなにもいい匂いがぷんぷんするんだからお腹が今まで以上にすいてきたにゃ〜。もう我慢できないにゃ!! 早く食べたいにゃ!!」


 「2人ともいつまでもそんなところに立ってないで早くこっち来て!! ピザ冷めちゃうよ!!」


 「はーい」「にゃ〜」


 私とニーナは小走りでサリアの元に向かう。

 ピザが置かれているテーブル自体あまり見ることがないので他の生徒達も私たちが座るテーブルを凝視し大注目状態になっている。

 ピザはまだあるのかな? と思い辺りを見渡すと、料理を注文する近くに大きな看板でピザ完売!! と書かれていた。

 テレポートしないと買えないレベルなんて、普通に買ってる方々はどうやって買ってるのか?

 謎が増えるばかり……。


 そんなサリアが買ってきてくれたピザだが、この学園にある全三種類買ってくれて机の上に並べられている。

 種類は、私たちが教えたピザに、シーフード、チーズとトマトソースのみ(多分マルゲリータ)。

 1個でも激レアなのが3種類も並んでるなんて……。

学生にしてみれば夢の机だろう。

 美味しそうだな〜。と思いながらピザをみていると、


 「にゃにゃ?! このピザ海老が乗ってるにゃ!! こっちにはイカ? こっちはタコにゃ?! こんなに贅沢なピザがあるなんて考えもしなかったにゃ!! ピザだけでも美味しいのに、好きな物が入ってるにゃんて!! 幸せにゃ〜」


 「これはね、シーフードピザって言うんだって!! 食堂の方がね、私はこれが1番好き!!ってすごいオススメしてたから絶対に美味しいはずだよ!! 楽しみだな〜。」


 「ありがとうね。サリア。」


 「いいの!! おしゃべりしてたらピザが冷めちゃう!みんな食べるよ!!」


 「「おー」」


 私たちは個々のお皿に1切れずつ乗せて食べ始める。

 実は疑似体験でシーフードピザを食べたことがないので本当の初チャレンジなのだ。

 楽しみとどんな味がするのかワクワク感満載で口に加える。


 はむ。


 ?! 美味しい!!


 味はもちろん美味しいんだけど、食感がまたいい。海老のぷりぷり感にイカやタコの噛まずにいられなくなる食感。

 しかも、ソースはいつものピザと同じソースで作っているのに全く別物に感じる。

 上の具材だけでここまで違うように感じるとはね。

 今度私たちも色々とチャレンジしないと!!


 次はマルゲリータ。

 うんうん、この安定の美味しさたまらない。

 もちろん私は食べたことがあるからこれこれ!! となるが、食べたことの無い学食を作ってくれる職員が作ってしまったのだからここのレベルは相当高い。

 ほんとよく思いついたよね……。


 私は心の中で感想をボソボソと言っていたが、サリアは感想を口に出し、ニーナは嬉しそうな顔をしながら尻尾を左右に振っていた。

 特に、シーフードピザの時がいちばん振りが激しく、その後もシーフードばっかりおかわりしていたので相当気に入ったのだろう。


 今度研究して、みんなで色んなピザを作ってパーティーでもしたいな〜。


 「お姉ちゃん、私決めたよ。」


 「?」


 「私この学園で美味しい料理の研究いっぱいする!! それでみんなで食べて今みたいな幸せな時間を過ごすんだ!! ねね!! いい考えだと思わない?」


 「それはいいアイデアにゃ!! 美味しそうな料理見つかったらすぐに教えるにゃ!!」


 「ありがとう!! もちろん作る時はニーナも一緒だよ!!」


 「楽しみだにゃ〜。」


 「それにしても、ここまで美味しいとすぐ売り切れるのが納得だね。校長先生が権力使いたがっている気持ちがわかるよ」


 「確かにね!!」「ほんとそうだにゃー。」


 ニーナはお腹を擦りながらもう食べられないにゃ〜。とすごい満足そうだった。

 ほんと、次食べる時が楽しみだな。


 その後私たちは幸せな時間を過ごしながら夕食を食べ、自室に戻った。


 「明日は私か〜。なんだから緊張してきたよ。多分優勝は出来ると思うけど、今まで見た事ないタイプが出てきそうでしっかり対処できるかな?」


 「珍しいじゃんサリアがそんなに考え込むなんて。いつもなら大丈夫、大丈夫って感じなのに。」


 「そうなんだけどね。今日の試合で予想もしなかった同級生が居たから私たち以上に強い生徒がいたらなって少し考えちゃって……。」


 「もう考えすぎだってば。大丈夫、サリアなら冷静に対処できるから。」


 「ありがとう、お姉ちゃん。」


 「そう、サリアちゃんなら問題ない。あんだけ頑張ってたんだからもっと自信もって!!」


 「「……。紗夜ちゃん?!」」


 私たちしかいないはずなのに急に声がして振り向くとそこには紗夜ちゃんがぷかぷかと浮かんでいた。

 相変わらずサッカーボールぐらいの大きさの球体なのだから、なんとも言えない。

 それに、本当にいつも何も無く急に現れるの辞めてくれないかな。急に現れるとビクって驚く時があるんだよね……。

 はぁ。と小さなため息をつきながら紗夜ちゃんのことを見ているが紗夜ちゃんは相変わらず表情がないので読めなく何を考えているのか分からない。

 てか、研究の方は順調なのかな?


 「紗夜ちゃんいつもやってる研究はどう? やっぱり難しい?」


 「そうだね……。相変わらず調べれば調べるほど分からなくなるし、頭が痛くなる感覚だよ。でもそれ以上にいつかこの氷を溶かすことができたらって夢物語だけど、そんなことを想像しながら頑張ってるけどね……。ほんといいアイデアでもはいかね?」


 「ね……。」「難しいよ……。」


 「あっそうそう、久しぶりにこっちに来たのは学園生活がどんな感じか気になってね。それに最近会えてなかったからアリアが1人寂しく泣いていたら慰めようと思ったんだけど、サリアちゃんと一緒なら問題ないね。学園で学ぶことは私では教えられないことが多いからしっかりと学んで欲しいかな? なんかこんなこと言うとおばさんおじさん臭いかな?」


 「大丈夫だよ、紗夜ちゃんはおばさんおじさんの枠以上にいっちゃってるんだから!!」


 「……。言うようになったね。見ない間に子供が成長しているとはこういうことを言うんだね。それはそうと、この学園に天使族が紛れ込んでるらしいだ。なんでも研究してたら天使族が現れこの学園に潜入捜査という名目上のコミュニケーションを学びに来てるって言っててね。一応注意しといてね。天使族なんて数回しか会ったないからどんな性格なのかあまり分からないけど、こちらから何もしなければ大丈夫なはず。あとは知らない魔法やら放つ可能性があるから注意することかな? 多分私たちみたいに魔力を隠してると思うし、下手すれば魔力感知も使えるかも知らないからね。」


 「そんな感じの生徒いなかったよね?」


 「うん、いなかったいなかった。あ!! あれだよ、もしも気になるならおとり作戦がいいんじゃない? あのドワーフを誘導するんだよ。あんなにいじわるするんだから少しぐらい罰が当たってもいいよね!!」


 「サリア、そういう悪い考えはダメでしょ!!」


 「はーい……。」


 「ドワーフね……。」


 サリアは少ししょんぼりし、紗夜ちゃんはどこから懐かしそうにしていた。

 その後紗夜ちゃんからドワーフについて少し教わったが、エルフほどでは無いが長寿で500年は生きるらしい。

 しかも、休む暇なく永遠に鍛治をしている上にエルフ嫌いなので関わるのが相当大変だったとか……。

 いつの時代もそうなんだね……。


 その後は私たちの出来事を紗夜ちゃんに教え本日はそのまま就寝。

 私たちが寝ると同時にあの氷の世界に戻り研究を続けるらしい。

 ほんと紗夜ちゃんが凍らせたのに何故解凍できないんだろうね……。

 ほんと魔法は謎が多い。


 明日はサリアの試合か。

 初めて近くで見学じゃないから不安が募るがそんな顔を見せないようにしないとね!!

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