第183話 念願の大浴場だが……
「お姉ちゃん早く脱いで行くよ!! はやくはやく!!」
「そんなに慌てると転んで頭打っちゃうよ!! 危ないから絶対に焦っちゃダメだよ!!」
「大丈夫、大丈夫!! それに何かあっても体を浮かせれば問題ないし!!」
「もう、そんなに余裕こいてると頭打って私の事忘れても知らないからね!!」
「そんなの絶対やだ!! お姉ちゃん意地悪なこと言わないでよ!!」
「みんないるんだから急におっきい声出さないの。」
「うん……。ごめんね……。」
「ほら、楽しみにしてた大浴場行くよ。」
「うん!!」
私がサリアの頭を撫でた後、脱衣所を出てかけ湯を浴び、頭等洗うためにシャワーなどがが隣接している場所に行き隣同士で座るが何故か隣から視線を感じる……。
私は自分の胸に軽く当てて見てみるが相変わらずの胸小ささでなんとも言えない気持ちになり、胸以外考えられなくなってしまった。
そんなに私のことを見るということは、もしかしてもしかして小さな胸が好きな方?!
そう思ってチラッと隣を見るがその子も私ぐらい小さいということは……。
私を通り越して説明ができないほどでかいサリアの胸を見たということか!!
あれは1度見ると目を逸らしてもどうしても目を奪われてしまうが、それは私限定のおっぱい!!
サリアの胸は私が守るんだから、さっさと場所移動するぞ!! と思っていると何故か私の肩をトントンと叩いてきた。
もしかして、席を変われとか? サリアのことを教えてとか? と警戒していたが全く警戒してないことがおきた。
「さっきは本当にごめんなさい。うちのアヤちゃん、私のことになると少し暴走しちゃう時があるの。そこが可愛いんだけどさすがにあれはね……。」
「……。さっきの鬼族の……。」
「マヤよ。よろしくね。」
「アリアです……。」
「アリアちゃんね。奥がサリアちゃんでいいかしら?」
「そうだけど、そっちも奥がアヤさん?」
「うん。私の世界一可愛いアヤちゃん!!」
「?! おっお姉ちゃん!!」
「?! 姉!!」
「お姉ちゃんこんな所で洗わないであっちで洗うよ!! せっかく楽しみにして大浴場がつまらなくなっちゃうもん!! ほら、早く!!」
「慌てないって言ったでしょ。」
「でも!! お姉ちゃん行くよ!!」
サリアは立って座ってる私の手を引っ張る。
幸いなことにまだシャンプーもつけてなかったのでしっかり視界が見え安全に他の場所移動できる点だが、このままでいいんだろうか……。
マヤさん、アヤさんはシャンプーをしているので動けきにくい状態。
せっかくのクラスメイトなんだから仲良くしたいが、あんな事件もあったし……。
ああああああああぁぁぁ!! どうしたらいいんだ!!
いや、待てよ。これはサリアの成長のチャンスでもある。
よし、ここはサリアの提案を断ることにするぞ!! 頑張れアリア!!
「お姉ちゃん、早く!!」
「なんか足が動かなくなっちゃったからここでシャンプーとかしちゃおっかな?」
「何言ってるのお姉ちゃん!! 早くいくよ!! 早く!!」
サリア……。
早く早くと急がせるのはいいけど、いちいち大きな胸が揺れて自分の醜い胸のことを考えてしまい徐々にイライラして行く気が本気で失せてくるんだよ。
もういいや。頭洗っちゃお。
引っ張られてない手でシャンプーを取り頭にかけて泡立て始めるとサリアは悲しそうな声で語りかけてくる。
「お姉ちゃん……。」
「せっかくだからここで洗っちゃおうよ。そんなに気にしなくても大丈夫だよ。それに、私たちのことが気になるんだから仲良くなれるかもよ?」
「もうわかったよ!! わかったもん!! お姉ちゃんがそこまで言うからここで洗うんだからね!!」
「ありがとう、サリアちゃん!!」
「別にお礼言う必要ない。勝手に怒ってるだけ。」
「もう!! 絶対に教えない!!」
そんな感じでサリアはぷりぷりと怒りながら頭を洗いだした。
マヤさんはなんとも言えない顔で洗い、アヤさんは嬉しそうな顔を浮かびながらシャワーで泡を落としている。
サリアのことだから多分大丈夫でしょう。と思っていたが、洗い終わったあともぷりぷりと怒りながら歩くサリアのあとを追って一緒に色んなお風呂に入り脱衣所で着替え自室に戻ってきた。
「もう、お姉ちゃんは鬼族の味方するんだから!! サリア今回は本当に悪くないのに!!」
「ごめんね、せっかく同じクラスになったんだから仲良くなりたくてね……。」
「分からなくもないけどさ……。もう、おやすみ!!」
「おやすみ……。」
サリアはそのままベッドに入り布団を頭まで被って眠ってに入ってしまったが、まだ時間も時間なので私は眠くない。
外に出ると湯冷めしそうだけど、この部屋にいるとサリアが気を使って電気つけていいから!! と言い出すし、寮の中でものんびり散歩でもしよっと。
私は部屋を暗くし自室に出て少し経ったところでマヤさんとであった。
マヤさんは珍しくアヤさんがいない状況下、そして私もサリアが一緒にいないということはゆっくり話せそう。
私は少し離れているマヤさんに駆け寄るとすぐに気づいてくれた。
「アリアちゃん、お風呂の件ごめんなさい。またうちのアヤがあんなこと言っちゃって。」
「私は全然大丈夫なんですけど、サリアがね……。お風呂同様お部屋でもあんな感じでして……。」
「敬語なんて使わないで!! 私も使ってないんだから!! それと少し思ったのだけど、今度授業で2人組になる時一緒に組まない? そうすればアヤちゃんとサリアちゃんが一緒のペアになって仲良くなってくれると思うんだけど……。せっかく同じクラスなんだからみんなと仲良くなりたいからね……。どうかな?」
「それはいいアイデアだけど、2人がね……。しっかりできるかな?」
「大丈夫よ。だってサリアちゃんとアヤちゃんだもの。2人ともあれだけ誰かを思いある気持ちがあるんだから絶対に大丈夫!! どうかな?」
「わかった。今度その機会があったら1度だけやってみよっか。」
「ありがとう、アリアちゃん!!」
マヤさんは嬉しそうに両手を上げたので、私もあげてみるとハイタッチをした後抱きついてきた。
サリアがいると、「お姉ちゃん、何やってるの!! サリアだけ!!」とか言ってきそうだな。と思ったが、それが伝わったのか、「他の子のこと気にして……。」と意地悪そうにマヤさんが呟いた。
その後は修行の話は一切無く、種族ごとの価値観などを話し合った。
マヤさんとは結構仲良くなれそうだ!!
この調子でアヤさんとも仲良くなりたいな……。
次回予告
2人1組で先生と模擬戦?!
ちょうどいい所にアヤさんが提案してくれた物が使える!! と思うが案の定サリアが不貞腐れる……。
サリア、たまにはこういう経験もいいはずだよ……。
うん、多分そのはず……。
次回、頑張れサリア お楽しみに