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第181話 自己紹介終了。いざ学食へ

 「さっきはありがとう、私は鳥人族のトライ……。これから、よろしくね……。」


 「よっよろしく……。」


 彼女は小さく恥ずかしそうな声で私に声をかけてくれ、握手しようと手を出してくれたはいいが泥だらけで少し躊躇してしまう。

 気持ちを無下にもしたくないというなんとも言えない状況下……。

 わざとやっいるのか? それとも天然なのか?

 初めて会ってから数時間のため何もかもが分からない。


 「握手はシャワー浴びてから!! お姉ちゃんが汚れちゃうでしょ!!」


 「あっそうだった。ごめん……。」


 「大丈夫、クラスに戻ったら握手しよっか。」


 「うん!!」



 彼女はすごい嬉しそうな顔で返答してくれ、トライとは少しずつ仲良くやっていけそうな気がした。

 この調子でクラスみんなと仲良くしたいな。


 「おい、エルフの2人。俺にも泥を取り除いてくれ。もちろんタダでなんで言わねぇ、なんて言ったってエルフに助けてもらうんだからこっちが対価を払うのは当然だ。そうだな、俺特製のハンマー作ってやろっか? もちろん鉄製だが、そこらの鉄製とは比べ物にならないぐらい壊れにくく丈夫だ。どうだ? 悪い話じゃないだろ!!」


 「なんか嫌……。」


 「サリアがそう言っててるから自分で何とかして。多分全員元に戻したら私たちが校長先生から言われるかもしれないから。」


 「ちっ。エルフはケチんぼだな。やっぱりお前らとは分かり合いそうにないぜ!!」


 「お姉ちゃん、早く行こ!!」


 サリアは怒り口調で私の手を引っ張り更衣室に向かうが、ドワーフのあの態度なんか気に入らない。

 自分の立場が上みたいな感じで話し始め、最終的にはエルフだからなっ。と種族としてしか見てない。

 お父さんたちも言ってたけど、種族で見られるとね……。やっぱりいい気はしないよね。

 それに、ドワーフだからエルフと揉めてそう。とか思ってたけどさすがに初めましてで、あんな言い方ないでしょ。


 ほんと友達作りは難しいな。


 更衣室に着いた後、私とサリアは着替えその間ニーナはシャワーを浴びていた。

 もちろん私たちは、着替えが早く済んだのでベンチに座りながらのんびり会話している。


 「お姉ちゃん、みんなと仲良くするって難しいね……。でも、さっきのドワーフは絶対にあっちが悪いもん!! お姉ちゃんもそう思うよね!! 私あんなこと言われてまで直したくないもん!、」


 「まぁね!!」


 「そうだよね!! やっぱりお姉ちゃんは私のことわかってくれる!! 大好き!!」


 「ほらほら、抱きつかないの。誰かに見られるかもしれないでしょ。」


 「はーい。」


 サリアはクスッと笑いながらハグを辞めた。


 そこから少し経ってからニーナが出てきたので一緒にクラスに戻ることになった。


 「やっぱりドワーフとエルフは仲が良くないにゃ……。でも、さっきのは明らかにあっちが悪いにゃ!! 私でも怒ってたにゃ!!」


 「そうだよね!! 絶対にあっちが悪いよね!!」


 「そうにゃ!! 悪いにゃ!!」


 「昔からエルフとドワーフは仲が悪いの? はじめてみたんだけど……。」


 「知らないのにゃ? 昔エルフに国が会った時唯一貿易をしてた国がドワーフの国なんだにゃ。初めは両国にメリットがある貿易をしてたんだけどにゃ、欲が出てどちらも自分に得が出るようにしてたんだにゃ。それを両国にバレそこから仲が悪いって本に書いてあったにゃ!!」


 「そうなんだ……。」


 「そうにゃ。でも、今怒ってるのはほぼドワーフって噂にゃ。エルフは長寿な故ドワーフへの怒りを忘れ、そのことにまた怒ってるとも書いてあったにゃ!! ドワーフは怒りっぽいんだにゃ!! 本だけじゃなくてさっき見て確信したにゃ!!」


 ニーナは声が徐々に大きくなりニーナ自身もドワーフに対しては怒り始めた。

 サリアもさっきからぷりぷりしてるけど、私はやっぱりか〜。関わるとめんどくさいけど、関わらないとだからな〜。という気が抜けた事ばかり考えていた。


 クラスに戻りそこからはこの学園の楽しみについて話していたら全員集まりそこで自己紹介をちょろっとして今日は解散になった。


 鬼族の2人は姉妹で姉がマヤ、妹がアヤ。ドワーフはディラギンという名前でエルフが嫌いじゃ!! と公言し校長先生が「ドワーフらしいわね。」 とふふっと笑っていた。

 そして、人族かと思っていた男の子だが吸血鬼と名乗り名前はキアと言うらしい。

 日光が出てる校庭にいても大丈夫ということは十字架やニンニクも大丈夫なのか? と疑問が浮かんだので仲良くなったら聞いてみることにするつもり。


 そんな感じで自己紹介が終わった。


 「ああ、もうこんな時間なよね。解散!! みんな学食のピザ狙うんだったら早めに行くのよ!!」


 校長先生はそういいながら廊下を走って学食に向かった。

 この教室に着く前に別のクラスの壁に廊下は走らない。と展示されていたはず……。

 校長先生自ら破っていくとはね……。


 「お姉ちゃん!! ニーナ!! 提案があるんだけど、3人でピザ作らない? お姉ちゃん、具材とかいっぱい余ってるでしょ? それに釜もこないだ念の為にって3つぐらい作っから3人で並ばずにピザパーティーできちゃうよ!! どうかな?」


 「賛成にゃ!! みんなが美味しいっていうピザ食べたくなってたから楽しみだにゃ!! どんな味がするんだろうにゃ。」


 「よし、野菜もカットしてあるし、ピザ窯置いても大丈夫そうなところ探してピザ作りしますか!!」


 「やった(にゃ)!!」


 私とサリアはプリント類を収納魔法にしまい、ニーナらリュックにしまい1度寮に置いてくると言って尻尾をフリフリしながら走っていった。


 「私達寮は1階でゆっくりしてよっか。」


 「うん!!」


 1階で少しゆっくりする予定だったが、のんびり行ったので私たちが着くのとニーナがニーナが1階まで階段で降りてきたのが同時刻だった。


 「ちょうどにゃ!! 楽しみで急いで来たかいがあったにゃ!!」


 「そんなに慌てなくてもピザは逃げたりしないから大丈夫だよ!!」


 「でも、楽しみなんだにゃ〜。お腹もすごい空いたしいっぱい食べるにゃ!!」


 私たちは寮を出てどこかいい場所はないかと探しているがなかなかいい場所が見つからない。

 そもそもピザを作る条件な場所が難しいのだ。

 その条件は、釜を置いても大丈夫そうな場所、誰かに見つからなさそうな場所、匂いがあまり広がらない場所だったりと他の生徒にバレないと確信できる場所でないといけない。

 どこかしらにあると思いながら探していたが、ここまでないともう無いのかもな……。

 それに、お腹がすいてる状態で歩き回っているので余計お腹はすいてきて、背中とおへそがくっつきそう。


 「お姉ちゃん、もうどこでもいいから早く食べようよ……。お腹ペコペコだよ。」


 「サリアの意見に賛成にゃ!! もうそろそろ我慢の限界にゃ。でも、ピザ食べたい欲が抑えきれないからすごい困るにゃ!! ほんとどうしたらいいんだにゃ!!」


 「そうは言っても重要な場所がね……。あっ!、校長先生に聞いてみるのはどうかな?」


 「「賛成(にゃ)!!」」


 私はすぐに校長先生に向けてテレパシーを飛ばす。


 『校長先生、アリアです!!』


 『アリアちゃん? どうしたのテレパシーなんてつかって? なにか学園で嫌なことでもあった? お姉さんに任せなさい。なんと言っても校長先生だから、権力で何でもできちゃうわよ。それとも、やっぱりチルが学園に通いたくなったって連絡でも入ってきたかしら? ほんとあの子寂しがり屋なんだから。あのチルが、連絡するんだからそれだけ信用されてるのね!!』


 『そういうことではなくて、ピザを作りたいんですがどこかいい場所ありませんか? あんなに人気のピザを作っては他の生徒から羨ましがれたりするので、釜が置けてバレないところがいいんですけど。』


 『ピザ?! そうね、それなら食堂の裏庭でするのはどうかしら? たまにBBQをこっそり開催する時に使ってるから釜を置いても大丈夫だし、生徒達にバレる心配もないわ。それと、私の分の釜も用意しといてね。案内係兼ピザ食べ係として行かないと行けないからね。あっ、火元確認係もあったわ。とりあえず、食堂の裏側に集まってくれる? そこに私も行くから。』


 『わかりました。ありがとうございます!!』


 『お礼を言うのはこっちよ。お昼結局ピザが食べられなくて落ち込んでいるところにこんなにいい連絡が来たのですもの。急いで行くわ!!』


 ということで一応場所確保完了!!


 これ以上探す場所に時間がかかっていたら、本当にどうなっていたことか……。


 「お姉ちゃん、どうだった?」


 「場所確保したよ。食堂の裏側でやるみたい。そこだと生徒にバレることもないみたいばし、いい匂いしてても学食作ってるしか思わないからね」


 「楽しみだにゃ!! 早く向かうにゃ!!」


 「「うん!!」」


 お腹がすきすぎて限界を迎えていた私たちは小走りで食堂に向かう。

 私たちが着く頃にはもう校長先生がいて、すごい嬉しそうな顔で私たちを待っていて、案内されるがままで食堂の裏口の扉から入り裏庭にやってきた。


 今回は予め作ってある生地を使うので上に具材を乗せ釜で焼いて完成だ。

 そのことを伝えると、校長先生は早く食べたいからと喜んでいて、ニーナは「早く取り掛かるにゃ!!」と笑みをこぼしていた。

 それほどピザを楽しみにしてくれるとこっちまで嬉しくなるね。


 そうして私たちのピザ作りが始まり、問題なく完成した。

 今回はみな私が初めに学園に教えたピザを完成させた。


 「「完成!!」」


 「早く食べるにゃ!! 早く食べるにゃ!!」


 「出来たてはすごい熱いから気をつけて!!」


 「大丈夫にゃ。猫人族はしっかりと冷ますことを忘れたりしない種族だにゃ!! !! チーズ?の伸びがすごいにゃ!! ふぅ。ふぅ。ふぅ。あっちぃにゃ!!」


 「出来たてだからしょうがないけど、美味しさに負けてつい食べちゃうんだよね。それに、私は熱っついの大好きだし!!」


 「やっぱりピザは美味しいわね。学食でも枚数を増やして欲しいんだけど、人数的な問題があるからね……。今度人員増加をはかるために色々やらなくちゃ!!」


 「学食でこんなに美味しい食べ物が食べられるなんて、期待してるにゃ!!」


 「わかせて!!」


 私たちはピザを美味しく食べながら、色んな会話をしていた。

 そんなこともあってあっという間にピザが目の前から無くなるが、2枚目を焼くとなると時間がかかるためここで断念した。


 「校長先生思ったんだけど、今の私たちみたいに2枚目食べたくなっても人気すぎて買えないんじゃないの?」


 「……。確かにそうね……。」


 「ピザ食べたい時は自分たちで作るしかないね。作りたて食べられるしいっか!!」


 「そうだね!!」


 満足した私たちは片付けをし、元々と同じぐらいまで綺麗にしてその場を去った。


 校長先生はまだやらなくてはいけないことが溜まってるとのことで校長室に戻り、ニーナは読書の為に図書館に向かった。


 午後はのんびり学校散策かな? と思っていた矢先、同じクラスのドワーフが学校の影に数人と移動しているのを発見。

 何を企んでるのか? と思い千里眼をしてみるが何故かAクラスであるあのドワーフが虐められてる?

 相手は知らないから私たちと同じクラスでは無いはずだが、何故やり返さないのか?


 って見てる場合じゃない!!


 「サリア、行くよ!!」


 「どこに?」


 「ドワーフのところ。ほら、あっちの方角見て!! あのままだと怪我とかして問題になっちゃう。」


 「もう、お姉ちゃんは優しいんだから……。行くよ!!」


 私とサリアは急ぎめでドワーフがいるところに向かった。

次回予告


あんなに私たちに横暴な態度をとっていたディルギンだが、何故か私たち以外にはよそよそしい?

虐められてるし、何があったのか?

大丈夫か、ディルギン……。


次回、クラスメイトと関わる日。 お楽しみに

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