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第180話 自己紹介?!

 「ぎゃああああ!!」


 「やっやめて!!」


 「死んじまうだろ!! 俺は戦士なんかになりたくねぇんだよ!!」


 「「何やってるんだろうね?」」


 「2人とも異常にゃ!!」


 「もっときつくしちゃおっか!!」


 「「おー!!」」 「「やめてくれ!!」」



 何故こんなカオスな状況になったかというと……。



 あれは私たちが教室についた頃だ。


 教室に着いた私たちは机の上にあるプリントに名前が書いてあり、その席に座りながらこの学園内でのルール教えてもらった。

 忘れても大丈夫なようにしっかりと説明書を貰い、あとは自己紹介で終わりです!! という流れになったはいいが、そこで校長先生がある言葉を発した。


 「自己紹介しても、自意識過剰の連中が多いいだろうから実力で示してもらおうと思います!! みんなにやってもらうことはただ1つ!! 校庭に出て私が放つ魔法から逃げる。ただこれだけです!! これだけで自分の強さをクラスメイトにも私にも教えることができるからちょうどいいと思ってるのよ。更衣室は校庭の近くにあるからそこで体育着に着替えて集合するように!! では解散!!」


 ……。そうして今に至るのだ。


 校長先生はもちろん手加減はしているが、冒険者で言うところのCランクでも交わすのがやっとの魔法を連発するもんだからみんな死にものぐらいで走って躱したり当たったりしている。

 しかも、宙に浮きながら魔法を放っているので校長先生自体に泥などはねる心配もない。

 私とサリアは楽しむために防御魔法など使わずこの授業? を受けている。


 「無詠唱なんて聞いてないわ!! エルフの野郎はいつからそんなに強く成り上がった!!」


 「おしゃべりする余裕があるみたいだから、もう少しきつくしまーす!! ソイルウォーター!! ソイルウェーブ!!」


 「「?!」」


 「さすがにやばくね?」


 「もう、終わりを告げられました。姉だけは生き残って……。」


 「おいおい、武器も持たずとかこんなの無理だろ!!」


 校長先生が放った魔法により、校庭の土が急に湿り少し足がぬかるようになり、逃げ足が遅くなったところに後ろから巨大の土の波が私たちに向けてやってくる。

 あれにのまれると確実に泥まみれになる上に、下手すれば少しの間息ができないだろう。

 なんて言う鬼畜ゲー。


 みんなが青ざめている中楽しそうにしているのが鳥人族の生徒だ。

 持ち前の羽で飛んでいるのでさっきからあまりダメージがない。そもそも、校長先生もその子対してはあまり狙ってる様子がない……。


 校長先生のことだからなにか怪しい。


 「校長先生、飛ぶの禁止しなかったことを後悔してももう遅いですよ。」


 「ああ、大丈夫。グラビティ2」


 「あああああああ!! うっ動けない、はぁ。はぁ。はぁ。死ぬ、死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!! 助けて!! 誰か助けてぇ!! 何でもするから、助けて!!」


 体重を2倍にさせられた鳥人属はパタパタと羽を動かすこともなくベチョっと音を立て仰向けの状態で土に叩きつけられ恐怖と焦りに満ちた顔をしている。

 綺麗な白色の羽も真っ茶色になり汚くなっているがそんなことを気にしている様子は無い。

 そう、もうすぐ経つと土の波が彼女を襲うんだから。

 それを刻一刻と待つことしかできない。まさに死のカウントダウン。


 他のみんなは誰かを助ける余裕なんてなく必死に汗水垂らしながら絶望した顔をしながら逃げるだけ。


 さすがに可哀想だし、防御魔法でも展開させとくかな。


 「プロテクト。」


 「さすがアリアちゃん。他のみんなと違って誰かも守るなんて優しすぎるわ!! 私のクラスではそういった誰かも守るというのも大切にしていきたいからこういう過酷なこともやってるのよ。みんなわかってね!!」


 「「……。」」


 返事ができる状況では無いので誰も返事がなく、そのまま鳥人族は土の波にのまれていった。


 どれぐらいで出れるのかな? と思っていたがたったの5秒程で波が通り過ぎ、取り残されていた。


 もう、グラビティを早く解いてあげようよ……。

 そんなことを思うが、グラビティをかけた本人は楽しそうな顔をしながら何とか防御したり泥が思いっきりかかっている生徒を見ている。


 「次で最後にするよ!! サイドジェイル!! みんな破ってみてね!!」


 「「テレポート。」」


 「はぁ、はぁ、はぁ、エルフごときがふざけんな!!」


 「せっかく頑張ったのにもう終わりにゃ!! この学園絶対におかしいにゃ!!」


 「姉、今回は本当に死を覚悟すべき。」


 「アっアヤちゃん。アヤちゃんのことだけは絶対に守るから!!」


 「体力の限界です……。」


 校長先生が出した鉄格子?みたいなものに私たち一人一人が囲まれる。

 ただの鉄格子なら良かったが、この魔法はどこにも出口がない上に壊すと汚れる最悪な理由から私とサリアはテレポートで脱出をした。


 これが最後の魔法だから、私たちはズボンと靴が少し汚れた程度で終了か……。

 私は自分とサリアに生活魔法をかけ一瞬で洗濯したてのような状態までもっていったから手洗いなどの心配が無いが、他の生徒は汚れを落とすのに苦労するだろう。

 ホント魔法様々だ。

 私たちがこんな呑気にしている間も、ぎゃあぎゃあと鉄格子にいる方々は騒いでいて、折り返した土の波に飲み込まれた。

 しかも土の波は2m近くあるあるのでかわせるはずも無く、波から出てきた頃には全員全身泥まみれに。


 一応これで終了だよね……。


 「はい、お疲れ様でした!! 一応クラスで誰がどれぐらい強いのか可視化しないと舐めた態度を取って喧嘩になる事案が多いいから、いい自己紹介になったと思うわ。もちろん私が生徒ならアリアちゃんやサリアちゃん同様泥なんて付いてもズボンや靴にちょっとつくぐらいだけどね。それはエルフだからという理由ではなくて、私たちはちゃんと修行をしてきたからこそこの強さを手に入れることができたんですよ。私たちを見習ってみなさんも頑張りましょう!! ってな感じで、各自更衣室にいってシャワーを浴びて再度教室集合!! 泥で汚れたところはしっかりと綺麗にするように!! ほかのクラスから苦情の連絡があった場合は1週間さっきの修行をさせるからね!! はい、解散!!」


 校長先生は言いたいことを行ったあとテクテクとそのまま教室へ戻って行った。

 私とサリアは体育着なので1度更衣室に戻る予定だが、他の生徒は呆然としたり、グチグチと文句をいって動こうとしない。

 もちろんニーナは泥まみれだけど、そんな愚痴は無く、少し楽しそうな顔をしている。


 「ニーナ、一緒に教室に戻ろ!!」


 「そうしたいのは山々だけど、こんなに汚れちゃってるからしっかりシャワー浴びたいにゃ!! 先行ってて大丈夫にゃ!!」


 「それならお姉ちゃん!! 生活魔法かけてあげたらいいんじゃない? そうすればすぐに体も服も綺麗になるし泥だらけじゃ無くなるし、ささっとシャワー浴びるだけになるから一緒に行けるかもよ!! それに、その間は私と話せば一瞬!! どう?」


 「確かに!! ニーナもそれでいい?」


 「よく分からないけど、頼むにゃ!!」


 私は泥を一瞬で取り除き、汚れ等取れる魔法を数種類使いあっという間に更衣室で着替えたての時のニーナの格好に戻した。


 「すごいにゃ!! すごすぎだにゃ!! 泥が一切なくなって始まる前よりも綺麗になってるにゃ!!」


 「シャワーは浴びたてきて大丈夫だよ。さすがにさっきまで泥まみれだったから気分的に浴びたいでしょ?」


 「もちろんにゃ!! 早く行くにゃ!!」


 ニーナは尻尾をフリフリとしてすごく嬉しそうにして私とサリアの隣までやってきたので一緒に更衣室に行こうとするが私たちは誰かに声をかけられ立ち止まったのであった……。

次回予告


想像と違う自己紹介がやっと終わった私たち。

やっと、終わった〜。

学食♪学食♪ピザ♪ピザ♪

と思っていたが、ここである事実を突きつけられる……。

それは一体……。


次回、自己紹介終了。いざ学食へ お楽しみに

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