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第179話 久々の学園!! 変人との出会い?

 喫茶店から学園まではそこまで距離が離れてなくあっという間に着いてしまった。

 これから学園に通うドキドキ感と共に親元を離れなくてはいけない悲しさが舞い降りてくる。

 転移魔法があるから会おうと思えばいつでも会えるが、当たり前が当たり前では無くなるから悲しさが舞い降りてくるのだろう。


 「じゃあ、行ってくるね。」


 「行ってくるね!!」


 「本当に気をつけるのよ。力をあまり出しすぎず、あっでも、何かあればしっかりと力を出して対処すこと!! いい? それとご飯もしっかり食べて、よく寝ていい子に過ごすんだよ!! 後時間があったらいつでも帰ってきてね!! いつでも楽しみに待ってるわ!!」


 「寂しくなったらいつでも帰ってこいよ!! 待ってるからな!!」


 「もう、お母さんもお父さんも悲しい顔になっちゃってるよ!! 悲しいのは分かるけど私たちが学園に通うんだからもっと喜んで!! それに私たちは大丈夫だよ。だってずっとお姉ちゃんと一緒なんだよ。何かあっても守ってくれるもん!!」


 「そんなこと言ってもいいの? 寂しく帰ってきてもちょっと意地悪いちゃうわよ〜。」


 「やっぱりなし!!」


 「もうサリアったら〜。」


 悲しそうな顔から意地悪そうな顔になったお母さんを見てサリアは慌てて返答していた。

 この会話が続けば続くほどなんだか学園に行きたくなくなり、家族で過ごしたい気持ちが増えてきたので、私たちは学園へ第一歩を進む。


 「お父さん、お母さん、行ってくるね。」


 「行ってくるね!!」


 「行ってらっしゃい!!」「いってらっしゃい。気をつけるのよ!!」


 2人が手を挙げて振ってくれるので私達も手を振り返した。

 学園の門を入ってすぐに門番に受験石を見せ学園内に入って少し後ろを振り向くとお父さんとお母さんはまだ手を振ってくれている。

 両親との距離が離れれば離れるほど寂しさが膨れ上がりなんだか泣きそうになってきた。

 私達はもう一度振り返り2人に大きく手を振って寂しさを置き学園へと進む。


 「お姉ちゃん、いっぱい頑張るよ!! ここでいい成績取ってお父さんとお母さんにいっぱい褒めてもらうんだ!! それでね、一緒に美味しいご飯を食べるんだ!! 楽しだな〜。」


 「サリアに負けないように私も頑張るぞ!! 美味しいご飯の研究いっぱいしてお父さんとお母さんに美味しい料理いっぱい食べさせてあげようね。」


 「うん!!」


 私がサリアの頭を撫でるとすごく嬉しそうにえへへ。とにこやかに笑う。

 私たちだけの空間を味わっているが、周りには多くの生徒がいる。

 もちろん人族の王都だが、ドワーフに鳥族に鬼族など色んな種族がいるがやっぱり人族の割合が非常に多い。

 人族は他種族から嫌われている事が多いのでここに通う事が適切なんだろう。


 私たちは門番に貰ったスケジュールとパンフレットを見ながら疑似体験の体育館みたいな場所に進んでいく。

 そこで自分のクラスとクラスメイトが分かると書いてありみんなドキドキイベント発生!! となるが私たちはそんな心配はない。

 だって、私とサリアが同じクラスということが受験の日に決まっているからだ。

 しかもニーナまで一緒なんだから非常に安心。

 良かったひとりぼっちじゃなくて。


 「お姉ちゃん、楽しみだね!! 」


 「ね!! そういえば、サリアが言ってたお風呂今日から入れるんじゃない? ほら、受験する時に言ってた。」


 「あっ。そうだよ!! 大きい大浴場に泡風呂、滝のようにお湯が流れるお風呂があるんだよ!! 今日は絶対にのぼせちゃうね。もちろんお姉ちゃんも一緒に入るんだから覚悟しといてね!!」


 「もちろんだよ。」


 「あっあの!!」


 「「?」」


 サリアと話す為に少し横を見て気づかなかったが、私たちの行く道に1人の人族が顔を赤くしながら立っている。

 誰だろう? と記憶を思い出してみるが会った記憶が無い……。



 「すっ好きです!! 付き合ってください!!」


 「「……。」」


 「あっ、そっちの胸が大きいエルフの方です!! すみません、どちらか先に言うべきできたよね……。」


 「「……。」」


 「一応こう見えてこの王都の王族だから、お金や地位で一生困ることは無いはずです。第二王子だから権力はそこまでないかも知れませんが、絶対に幸せにします!! お願いします、付き合ってください!!」


 少し呆気を取られる私たちに対して90°頭を下げ、手を前に出して待っている第二王子らしい人物……。

 ってなんだ、こいつ!!

 サリアのことを胸の大きいエルフとかいって、外見しか見てないじゃん。

 もちろん一目惚れという言葉があり、サリアを見てしまえば誰でも告白してしまうと思うがしっかりサリアの内面を見てから言って欲しい。

 そもそも、サリアは私のだから絶対に告白を受けることなんてないと思うけどね!!

 それに、金と地位に困ることがない?

 親がすごいだけでお前がすごいわけではないだろ!!

 なんなのこいつ!!


  私が苛立っていると、サリアが口を開けた。


 「失礼な方は絶対に友達にもならないんだからね!! それに、私はお姉ちゃん一筋!! 一生話しかけてこないでね!! べーっだ!!」


 プンプンと怒りながら私に「行こう!!」と言いながら腕を引っ張るので私は慌ててサリアと一緒に体育館らしき場所に向かう。

 相手の様子をコソッと見たが、断れると思ってなかったのか膝から崩れ落ち蹲っている……。


 王族だかなんだか知らないけど相手が悪かったね。

  それにしても、エルフとしてしか見ない方々が多くて困るよね。


 「ごめんね、お姉ちゃん。せっかくの楽しい時間がつまらないものになっちゃって。」


 「大丈夫、サリアが悪いわけじゃないでしょ。」


 「お姉ちゃん!! やっぱりお姉ちゃん大好き!! さっきの人族はポシカ候補って思ってよっと。」


 「……。」


 なんとも言えないと思いながら私たちは歩き出し体育館らしき場所に着いた。

 受付で受験石と謎のカードを交換してもらい、そのカードに名前、クラス等が書いてあるので掲示されているカードを見て自分たちのクラスの位置に行って席に着く。


 「あっ!!」


 「久しぶりにゃ!! 2人とも元気だったかにゃ?」


 「ニーナ!! 元気だったよ!! 図書館で本を読むって張り切ってたけど、見たい本は見つかった?」


 「見たい本だらけで全く読めなかったにゃ。しかも、1つの本が500ページ、卒業するまでに読めればいいかなって思ってるにゃ……。」


 「500ページ?! 料理本とかなら分かるけど、びっしり書いてある本だと読む前から諦めそうだよ……。 私は料理本だけでいいや。」


 「そういえば、歴史書に少し料理が載ってたにゃ!! 今度一緒に作って歴史の勉強するにゃ!!」


 「「おー!!」」


 私たちは意気投合して、今後やることが決定した。

 私たちのクラスは私たち以外に3人いるだけで他にはまだ誰もいない。

 もちろん魔力で勇者の弟を探したが本当にいなかった。

 良かった。


 そこから時間が経って入学式が始まったが、結局私たちのクラスは全員で8人。

 しかも種族がエルフ(私とサリア)、猫人族(ニーナ)、鬼族(2人メス)、ドワーフ(1人オス)、鳥人族(1人メス)、人族(1人オス)だ。


 このメンバーで何年過ごすことになるのだが、仲良くなれるのかと少し心配。

 特にドワーフ。

 この世界ではどうなのか分からないが疑似体験時に読んだらライトノベルでは、エルフとは犬猿の仲と書いてあった。

 私が知らないだけでこの世界でもどちらかがなにか仕出かして……。

 慎重に接していかないとね……。


 そんなことを考えていると、校長先生が壇上に出てきてマイクのようなものを手に取って挨拶を始める。


 「入学式おめでとうございます。あなたたちは難しい試験を乗り越えこの学園に入学できた生徒たちです。まずこのクラスについて説明会させて頂きたいと思います。右から、A、B、C、D冒険者のようなランク分けがされていますがAクラスが今回の試験で好成績ということになります。だからといってDクラスが卑下する理由ではありません。試験で出せない成績というものもございますのでお互いに切磋琢磨しこの学園卒業する時にはあっと驚かす存在になって欲しいと思っております。それと、クラスは一年に一回査定が入りますので、上がる生徒もいれば下がる生徒もいます。くれぐれも注意してくださいね。皆さん、成績ばかり気にして楽しむのを忘れずに。いい学園生活にしてくださいね。それでは各担任がクラスに行きますので担任にしたがって行動してください!! ちなみに、Aクラスは私が担任を持つことになってますのでお楽しみに!! 以上です!!」



 「「……。」」


 誰も何も言わず呆然としているうちに各々担任がきてDクラスから体育館を出て自分たちのクラスに向かっていった。


 私たちの担任はというと、袖からひな壇をおり私たちのところににっこりとした笑顔でやってきた。


 「校長である私が担任を持つことはこの学園始まってから初めてだから色々と迷惑かけるかもしれないけど、協力して頑張ろうね!! よし、Aクラス行くよ!!」


 「「はい!!」」


 そして、最後のクラスの私たちが移動になった。


 「これから、いっぱい美味しいご飯が食べられるの楽しみだにゃ!! あの、お米? いっぱい食べる予定にゃ!!」


 「お米に合うおかずとか申請すれば新たなメニューになるかもしれないから、私とサリアとニーナでいっぱい研究していこうね!!」


 「楽しみだにゃ!!」


 「ね!! あっ、そうだ!! ピザが新しく学食として加わってるはずだよ!! 私とお姉ちゃんがね協力して学食作ってくれる方々に教えたんだよ!! みんなすごい喜んでくれて嬉しかったな〜。」


 「そういえば、色々研究してピザの種類を増やすみたいなことも言ってたから、私たちが教えたピザ以外の色んな種類あるかもよ!! 早速今日のお昼みんなで食べに行く?」


 「「賛成(にゃ!!)」」


 「それは難しいかもよ……。最初の1週間は私しか食べなかったんだけど、生徒が試しに頼んだところ美味しい!! ってなる上に匂いもいいからすごい人気が出ちゃって今では学食が始まると同時に終わる幻の存在となってしまったわ。ちなみに種類は3種類よ。アリアちゃんたちに教えてもらった種類とシーフード、チーズとトマトソースのみがあるわ。やっぱり私のオススメはみんなで作ったピザよ。食べると味、香りだけではなくて、アリアちゃん、サリアちゃん達と一緒に作った思い出まで思い出しちゃう素敵な味なんだもの。そうそう、どうしても食べたいように、校長先生の権力でどうにかしようと思ったんだけどね、なんと!! 学食作ってくれてる方々からの反対が多すぎて中止になっちゃったんだよね……。せめてピザだけはって思ったんだけどね、やっぱりダメだったみ……。」


 「「……。」」


 校長先生の話は尽きることなく結局お話を聞いてるだけで教室まで着いてしまった。

 私とサリアとニーナは校長先生の話を聞いていたが、鬼族の2人以外は誰も話していなかった。多分他の生徒は知り合いではないんだろう。

 この学園には、王子だからといって求婚する非常識の生き物もいるので心配していたが、このクラスではなさそうで安心した。


 それに、他種族が集まってるこのクラスならエルフもそんなに目立たないだろうし。

 のんびり過ごそっと。

次回予告


やっとクラスに戻り自己紹介タイム!!

これでみんなのことを知れて少しは仲良くなるのかな? なんて思ってたが、いきなり校庭集合?!

自意識過剰が多いいからって実力で示せなんてこれがAクラスのやり方?!

上手くやって行けるか心配だよ〜


次回、自己紹介?! お楽しみに

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