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第171話 紗夜物語22

 気がつくと私は氷の世界にいた。


 そして、目の前で死んでいったパーティーズを思い出し気づくと全魔力を込め「アイスフィールド」を発動する。


 これを何度も繰り返した。


 魔力が枯渇すれば死ねる。そのはずなのになぜか何度やっても生きている。


 何も食べていないので飢えるはずなのになぜか生きてる。


 私は人殺し。


 しかも、育てていたパーティーのリーダーを。


 そして、そのパーティーを助けることもできず目の前で死なせてしまった。


 ああああああああぁぁぁ!!


 その影響で近くの森や草原さえも凍ってしまい、ここら周辺は氷の世界になってしまった。


 私の精神が少し落ち着いたのは、ざっと500年後。


 氷が解ければあいつが蘇るかもしれない。殺さないと、確実に、あいつを殺さないと!!


 魔力を使い続けた結果自動的に総魔力量が増え魔力の半分を使って身体強化し本気で殴りあいつを消し去った。


 だが、まだ終わらない。


 こいつの親玉だ。魔王だ。ギーナだ。


 居場所は分かる。


 「テレポート。」


 「で、あるからして、魔王様あそこはっ?!!」


 「ひぃ!! なっなんでお前が?!」


 「消えろ。」


 私が視線を向けると魔王は爆発し塵となって消えていった。


 これだけでは、終わらない。


 テレポート。


 魔王城上空に移動し、神の雷鼓を何度も落とし塵しか残らない魔王城になった。

 中にいた魔物達は全員死んでおり、私は誰にも復讐できなくなった。


 どうしたらいいのか、このモヤモヤは。


 どうせ死ねない。


 やることはやった……。


 そんな時、ふとお父さんの顔を思い出し、私は急いで転移し里に戻った。


 私にはお父さんがいる。


 ひとりじゃない。


 お父さんが残されてたんだ。


 待ってて、お父さん。


 今まで1人に寂しくしてごめん。


 お父さん、お父さん!!


 私はすぐに里に到着し自分の家に帰る。


 「おっお父さん。ただいま!! 帰ったよ。お父さん?! お父さん!! 紗夜だよ。お父さん!!」


 「さっ紗夜さん!!」


 「ナヤ!! お父さんは? お父さんはどこに行ったの? もしかして、買い物中? 誰かとおしゃべり中? どこ? どこ?」


 「志倉さんは200年ほど前に亡くなりました……。」


 「亡くなった……。」


 「はい、父も亡くなり、現在は私が村長になってます。それと、お預かりしていた品がございまして、これ志倉さんが書いたお手紙です。」


 「?!」


 私は慌ててその場で読んだ。




 紗夜へ。


 100年に1回帰ってくるって言ってなんだ帰って来ないのか?

 ほんとそういう所お母さんそっくりだな。

 なんだか懐かしいように感じるよ。

 この歳になると昔に戻りたいって思うこともあるけど、それと同時に紗夜の成長もみたくなるもんだな。

 最後に見せてくれた魔法、お父さんよりも強くなってて結構焦ったんだぞ。

 父親の威厳が!!ってな。

 でも、紗夜の1番誇らしい顔見れて嬉しかった。


 欲が叶うなら、死ぬ前にもう一度顔みたかったな。

今までありがとう。


 父より



 私は手紙を読みながら泣き叫んだ。

 近くにいたはずのナヤはいつの間にかいなくなり、机の上に置き手紙が置かれていた。


 私はそこから大切な方を亡くさない。あまり作らない。の意を決めてこの里からほぼ出なくなった。


 死ぬまでずっと。


 そして、村の子供たちを死なせないために修行をするようになり、死ぬ100年ほど前に久々に外に出た運悪く魔力循環ができないように魔族にされた。


 ってな感じたな? 詳しく言うと。

 前にアリア達に言ったのはざっと言った感じになっちゃったけどって泣いてる!! みんな泣いてるじゃん!!」


 「だって、紗夜ちゃんにそんなことがあったなんて……。大切な人を……。紗夜ちゃんが……。」


「 紗夜ちゃん、私たちはずっと一緒なんだからね。だから、紗夜ちゃん急にどこかにいっちゃダメだよ!!」


 「ありがとう。」


 「紗夜さん。ごめんなさい。何も知らずにわがままばっかり言ってしまって。」


 「この話を知っているのはナヤだけだ。ナーガに伝えてなかったら、ここにいるみんなだけだな。」


 「紗夜さん……。何があっても紗夜さんの味方ですから私たち家族は。」


 「ありがとう、ディーロ」


 「こんなしんみりしてても悲しくなるだけだから、ウサとディーロがどうしても恋人になって結婚まで至ったのかても聞いていい気持ちになろっか」


 「「……。」」


 紗夜ちゃんは場を盛り上げようとしてくれるけど、なんだかそんな気分になれなかった。


 結局紗夜ちゃんに促され恥ずかしながらにお母さんとお父さんのなりそめを聞くことになったが幸せいっぱいの話を聞いたはずなのに胸にぽかりと空いた穴は塞がらないまま。


 紗夜ちゃん……。


 紗夜ちゃんは、少し笑いながら時には真剣な声色で話してくれて寂しそうな雰囲気をあまり見せなかった。

 絶対に寂しいし悲しいはずなのに……。


 そして、寝る前紗夜ちゃんと少しだけ話すことができそうなので私の気持ちを告げることにした。


 「紗夜ちゃん、寂しくなったらいつでも私のところに来ていいからね。それに、悲しくなったりしたら泣いていいんだよ。大人だからって関係ない。生命をもらって生きてるんだから、泣きたい時に泣いて。その時は私が抱いてあげるから。」


 「ありがとう、アリア。」


 「多分、私も紗夜ちゃん抱きながら泣いちゃうことあると思うし……。」


 「思う存分私の胸で泣いていいぞ。それなら今から泣くか?」


 「そういう所だよ。」


 「おやすみ。」


 「おやすみ。」


 私は紗夜ちゃんのことが気になってあまり眠れなかった。

次回予告


 えー、こちらこちら、リーダーのカマンです!!紗夜さん、いつか俺達のこと気づいてください。

 俺達は一生待ってますから!!


 時間、紗夜物語??? お楽しみに

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