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第161話 紗夜物語12

 次の日。


 「これで全員揃ったよね」


 「「はい!!」」


 「てか、急に呼び出して修行とかそんなの予定崩れまくりっしょ。しかも、カヤみたいに一日中でしょ。マジ最悪〜。」


 「紗夜さんが修行してくれるんだから文句なんて言うなよ。」


 「リーダーが肩を持つなんてなにかありましたか? 以前では考えられなかったんですけど。」


 「なんにもねぇよ。」


 「うるさい。早く始めるよ。」


 「「お前は変わりすぎだ!!」」


 「今日の修行内容だけど言ったっけ?」


 「まだ。」


 「そうか。とりあえず、三週間一緒に旅出る修行かな。パーティーの動きとか見たいし、その時その時で色々言えるからね。」


 「三週間?! そんなの聞いてないっしょ。いくらなんでもかってすぎっしょ。マジありえない」


 「流石に私も手に負えません。修行してくれるのはありがたいですが、急に三週間も予定を組まれますと……。」


 「俺は行けますぜ!!」


 「じゃあ、カヤとリーダーだけ参加ね。あとの二人はゆっくり街の散策でもやってればいいから。とりあえず、宿泊取ってたらキャンセルしてくれる? 終わり次第また集合ってことで。」


 「まって、私やるから!!」


 「私も!!」


 慌ただしい二人も一緒に旅をすることになった。もちろん私はリオには伝えてあるので問題は無い。 その後パーティーズは走って各々の宿に行きキャンセルをして慌てて帰ってきた。特に行く気がなかった二人は他の子よりも汗を流して早く帰ってきた。

 置いてかれると思ったのか……。


 よし、出発!!


 私たちは王都のダンジョン目掛けて歩いていった。普通は馬車などを使うが今回はあくまで修行。馬車なんかで進んでは意味が無い。


 カヤはもちろん身体強化をしているがほかのメンバーはいっさいしていない。この調子だとすぐに立てて文句をダラダラ言ってくるはず。


 「はぁ。とりあえずみんな身体強化して進んでいこっか。」


 「数十分が限界っしょ。そんな一日中する魔力がある訳ないでしょ。」


 「途中で休憩取るけど、本来の休憩ポイント以外では絶対に止まることないからね。いくら疲れていて、動けなくなっても進んで行くからね。」


 「地獄っしょ。帰りたいっしょ」


 「何時でも帰っていいからね。魔物と遭遇しても知らないけど。」


 「ついて行くしかないっしょ。待ってよ!!」


 そんなふわふわっとした感じで旅が始まった。ダンジョンがある街まで行くことになっているが、途中三つほど街を通過するが寄らないつもりだ。初心者が行くコースとは真逆に進んでいるためその内強そうな魔物たちと遭遇するだろう。



 歩き初めて2時間。私たちはまだひと休憩もしていない。



 「紗夜さん。そろそろ休憩を……。」


 「あと一時間後に昼休憩かな。そこで一時間休憩して四時間歩いて野宿。もうすぐ森が見えてくるからその中で野宿かな。」


 「待ってくれ!! 森の中といえば魔物がうじゃうじゃいるじゃなですか。冒険者の基本として森での野宿はしては行けないと教わりますぜ!! 流石に自殺行為では?」


 「見張りを順番にすれば大丈夫でしょう。二時間ずつのローテーションでもすれば。もし気づけなかったら私とカヤ以外いなくなるってことで。」


 「なんでカヤは特別なん? うちらのことも守ってくれなきゃダメっしょ。」


 「エルフだったら助けるけどね。」


 「「……。」」


 カヤ以外が下を向きながらポツポツと歩くようになったが、未だ魔物は現れない。いや、現れないようにしている。私たちが行く道にいる魔物はカヤの魔力感知が届かないところぐらいでしっかり処理をしているので誰にも気づかれることなく進めている。


 最初は体力をつけないとだからね。初めの二日は夜も魔物が出ないようにするつもりだし。そこからが勝負だからね。


 どんな魔物引き寄せよっかな。


 「すみません……。待ってください!!」


 「……。」


 「すみません。」


 魔力感知でわかるが一人が少し距離が離れて来ている。さっきまでは一緒だったのにね。パーティーズはどう出るかな?


 「頑張るっしょ。言うてあと一時間も無いうちに休憩なんだから。私たちの体力が減ってリタイア組になるから私たちは進むしかないしょ。」


 「仲間は助ける。当たり前。」


 「俺もカヤの意見に賛成だ。って紗夜さん。話し合ってる間も進むんですか?! 容赦ないですね……。待ってください!!」


 「置いてかないで!!」


 「大丈夫。俺の背中に乗ってくれ。俺は鍛え方が違うんだぜ!!」


 「私の背中の方がいい。身体強化使ってる。」


 「二人ともありがとう。カヤお願いね。」


 「裏切られた!!」


 そんな様子をチラチラと後ろを見ながら進んでいく。未だ草原をただ歩いているだけなので、相当離れない限り休憩時間に追いつくだろう。

 だが、〇〇っしょ。は仲間を置いていこうとしたということは、これでパーティーに亀裂が入ること間違いなし。

 ぶっちゃけカヤが見捨てるかな?って思ってたけど、周りより強くなってもそこは変わらなかったのは嬉しいことだ。

 とりあえず、休憩まで頑張って貰わないとね。パーティーはソロでは考えられないような行動を取って相手を驚かせることがあるんだから。


 心の中で頑張れ。と思いながら進んでいくのだった。


 その後集計スポットまでは何事もなく到着し、いよいよお昼休憩タイム!!


 「今から一時間休憩だから、みんなゆっくりするんだよ。あと、ご飯はこっちで用意するからのんびりしてて」


 「「はい!!」」


 カヤ以外のパーティーズはレジャーシートの上で両足広げて疲れているご様子。それにもう最終地点に着いたかのようなことも言ってるしこの後大丈夫か? 午前中よりも歩くぞ!!


 そう思いながらクッキングしているとカヤがやってきた。


 「手伝います。」


 「大丈夫、大丈夫。ゆっくりしてて。午後の方がきついんだから。それにこの調子だと、午後も仲間を背負って行動になりそうだし。仲間との親睦でも深めて来たら。」


 「はい!!」


 小走りでパーティーズの元に向かって何やら話し始めるカヤ。やっぱり私もパーティーに入ればよかったな。とこういう光景を見ると思うな。なんて言ったってほぼソロ。一緒の行動だって同じ里の方としかしたことが無いんだから、新鮮味なんて存在しなかったからな。しかも、ほぼ授業みたいな感じだし。


 いいな〜。



 ついついパーティーズを見すぎたせいで肉は焦げてしまった……。


 食べられるだけいっか!! と思って提供したが、みんななんとも言えない表情で食べていた。カヤと私はお肉ではなく野菜の盛り合わせだ。こういうのはエルフ思考だからね。と言ってお肉を一切食べなかったが、いつもの修行でお腹がすいた時普通にステーキとか出しているのである。

 それは今晩までの秘密かな?


 ご飯も食べ、みんながゆっくりしている最中に洗い物をしているとなんだから揉めている声が聞こえてきた……。


 何事? 何事?!

次回予告


せっかくの休憩を言い争いを使うパーティーズ。無駄な体力を消耗させるなんて……。もっときついトレーニングにした方がいいのかな?

パーティーは仲良くして欲しいのに……。


次回、紗夜物語13 お楽しみに

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