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第160話 紗夜物語11

 「そろそろ自分の修行も同時進行でやろっかな。」


 そんなことをポツリとベッドの上で呟きながらグゥーっとお腹の音が鳴る。


 とりあえず朝ごはん食べ、集合して色々考えよっと。


 「おはよう〜」


 「「おはようございます!!」」


 「もうすぐご飯できますので、座って待っててくだしい!!」


 「はーい。」


 「紗夜さん。換金の件なのですが、ギルマスが言うに一ヶ月以上かかりそうと言ってました。なんでも高価な素材が多いので、一度王都のオークションにかけその後になってしまうので半年はかかるとの事です……。でも、その分予想以上のお金が貰えるから期待して欲しいとも言ってましたが……。紗夜さん大丈夫ですか?」


 「そっか……。半年か……」


 「はい。」


 半年ぐらいどうってことは無いが、また何かがあるとこの世界ではあっという間に百年がたってしまう。最近はこっちの世界の進みが遅いのではなく、時計もカレンダーもない部屋で寝ているせいで感覚が狂ってしまったのでは? と思うほどだ。


 自由に過ごせれば早いが、そうでは無いからな……。


 暇つぶしの修行だって半年もするつもりないし……。ほんとどうしようかな……。


 今後の予定が狂って結構困っていると、暖かい料理が提供された。


 「本日は、魚の塩焼き定食です!! あと、こちら人族の主食の白米と言うものでして、一緒に食べると美味しいのでぜひ食べて見てくだしい!!」


 「ありがとうございます。」


 確かに魚定食の中に茶碗に白い粒が沢山入っているものがある。これを主食に食べるとは、ほんと人族は変わっている。私たちエルフはよく街で売っているパンというものもほぼ食べなくほぼ野菜と肉と魚を食べているのだ。

 しかも、一緒に食べる。という文化がよく分からない。一緒に炒めました。は理解できるがなぜ一緒に食べるのか? 一緒に料理した方が食べやすくていいのではないか?


 謎が増えるばかりだが、食べないと文句は言ってはいけないかもしれないな。


 よし。


 私は意を決して白米と焼き魚を一緒に食べるが……。


 美味っ!!


 魚自体の味も愛好に美味しいが、それを引き出してくれてるかのように美味しくなる。なんてベストマッチなんだろうか。人族は我々エルフよりも賢い生き物なのかもしれないな。寿命が短い分頑張っているのだろう。

 すごいな。


 そう感動しながら魚定食を、あっという間に遠慮足した。


 「ごちそうさまでした。また、白米つけてもらってもいいですか?」


 「もちろんです。楽しみにしててくだしいね!! あっ紗夜さん。半年間はどうしますか? この宿に泊まっていきますか? 遠慮はしないでくださいね。紗夜さんが泊まることすごい嬉しいんですから。」


 「そうだね……。ひとまず考え中かな。なにか決まったら言うからそれまで待ってて欲しいかな。」


 「分かりました。」


 その後、いつも通り修行場所に向かう。本来は修行場所が集合場所だからね。


 ……ん?


 カヤの他に誰かいるな。しかもカヤから少し離れた位置にいるから魔力感知ができないカヤは気づいてないかもしれない。


 ……。この魔力……。


 パーティーズのリーダー!!


 もしかして、カヤのストーカー?!


 仲間内でそんなことをやっていたらパーティーの亀裂が走るって言うのに何やってるんだよ!!


 実際に男女揃ってるパーティーは恋愛のゴタゴタで解散することも多いと聞いたことがある。でも、ストーカーまで言ってしまうと流石に解散後もどこも所属できなくて資金がなくなり大変な目に会うのが目に浮かぶ。

 くだらない妄想はこれぐらいまでにして、多分怪我とか心配で一度見に来たんだろう。修行がどうなってる!!とすごい気にしてたし。

 とりあえず、今日の分見せれば今後現れなくなるでしょう。

 あとカヤにさっさと魔力を読み取れるようにしとかないとね。


 そんな考え事をしていたかま、カヤの近くに着く頃には修行のことで頭いっぱいにしといた。つい気になって見てバレたら最悪だからね。


 「とりあえず、今日も魔力循環ね」


 「はい!!」



 そんな感じを一ヶ月繰り返している内にカヤは徐々に魔力の使い方が上手くなって言った。魔力循環もよくできるようになり、魔力感知もできるようになった。正直言ってそこらのエルフよりもセンスがあり修得がなかなか早い。いままでのレベルを考えるとほんとひどい環境にいたのが伺える。

 まぁ。エルフとしてはまだまだひよっこだけどね。


 「あっありがとうございました。」


 「だいぶ足取りや先読み良くなってきたんじゃない? 魔力感知や身体強化も初めと比べ物にならないぐらいいい調子だし、今のレベルだと、パーティーで活動した時に少しつまらないかもよ。」


 私が冗談で言ったが、カヤは真剣な目で、「ほんとですね」といった。


 どっちに転ぶのかが少し怖いところだがね……。


 暇つぶしに始めたこの修行も意外と楽しめてるし、そろそろメンバーも増やそっかな。そうでもしないとカヤとの差が開きすぎてカヤから見捨てられるからね。

 現時点で見捨てるレベルだけど。


 「とりあえず、明日からメンバー呼んでくれる? ついでに修行つけるから。」


 「私だけで十分です。」


 「パーティー内での力が開きすぎるのは良くないから。それが原因で解散するかもしれないし。念の為にね。」


 「はい。」



 そうしてパーティー全員修行することが決定した。もちろん遅刻なんてしたら数倍の修行量をやってもらうつもりだ。


 私は甘ちゃん先生ではないからね。

次回予告


パーティーズと一緒に修行することになった紗夜とカヤ。そんな修行だが、始まってあまり経っていないのにトラブル発生?!

しかも、パーティー内での揉め事?!


どうなっちゃうの?


次回、紗夜物語12 お楽しみ

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