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第158話 紗夜物語9

 「これはどういう状況ですか……。」


 「お荷物のこと? ってリオ!! リオも来てくれたんだ。」


 「お仕事の時間と少し紗夜さんのことが気になりまして。こないだの事があるので少し入りずらいとあの後気づき急いで来ました!!」


 「間に合いましたか。」


 「あっカヤ……。とりあえず二人とも一緒に入ってくれる?」


 「「はい!!」」


 そうしてギルド内に入るが、ワイワイと喋り声がうるさかったが、私の顔を見て何故か急に静かになった。

 冒険者の方々を見ると、額に汗を垂らす連中までいる……。これは参ったね。


 視界を受付嬢の方に向けると、到着していた時に並んでいた列が無くなっている上に受付嬢の顔が近づくにつれ青くなっていく。


 こんな感じで冒険者ギルドやって行けるのか?


 「すみません。」


 「はっはひ!! どっどうされましたか?」


 「とりあえず、ギルマス呼んでくれる?」


 「ギッギルマスでございますか……。ひぃ。はっただいまお呼びします!! ギッギルマス!!」


 なにかに脅えながら走っていった受付嬢。他の職員も何故か彼女と一緒にギルドの裏側に逃げていったので職員0人になってしまった。


 確認するけど、本当に冒険者ギルドだよね?


 「リオ、冒険者ギルドってこんな感じなの?」


 「いっいえ。こんな対応は見た事ないです。いつもなら笑顔でニコニコして対応をして冒険者の女神とも言われておりますので。」


 「すみません。何があったのか教えて貰ってもいいですか?」


 「ギルマス来た時に一緒でいい? 二回話すのめんどくさいし。」


 「わかりました。」


 カヤは何が起こったのか全くわからないが何かヤバいことをしてしまった。ということだけわかっているみたい。まぁ。仲間が防御魔法みたいなものに閉じ込められているからね。


 そこからしばらく経つと体のごついおっさんが出てきた。種族は多分人族だろう。人族の街だからね。


 「あっあんたがこないだ魔物を下ろしてくれたエルフだな。」


 「そうそう。今回はその事でやってきたんじゃないんだけど、本題入っても大丈夫?」


 「後ろのレッドパープルのことでしょうか?」


 「? レッドパープル?」


 「私たちのパーティー名。です。」


 「そうそう。このパーティーがね、リオの宿屋に迷惑かけたから連れてきたってわけ。店主が言っても言うことも聞かないようだから、元締めの冒険者ギルドにいえばどうにかなるかなって感じなんだけど、大丈夫そう?」


 「それは本当か?」


 ギルマスはリオを見たが、リオはすぐに頷いた為「はぁ。」とため息を漏らした。


 「リオ、エルフさん悪かった。完全に教育不足だ。生意気だが、頑張っているルーキーをついつい応援したくなってあまりガミガミ言わなかったのがこうなってしまったということだ。本当にすまない。」


 ギルマスは頭を下げ私たちに謝罪をした。

 ギルマスのこういう姿を見たことがないのか、冒険者からコソコソと話し始めた。


 「ギルマス。こちら紗夜さん。」


 「すみません。紗夜さん。レッドパープルを応接室まで持ってきて欲しいんだけど、大丈夫か?」


 「わかったけど、カヤは連れて行っても大丈夫? この子は無関係だし。」


 「……。分かった。」


 そうして、私はギルド職員が逃げ出した道を通って応接室に向かった。途中すれ違う職員がいるかと思ったが、何故か誰一人とすれ違うことはなかった。

 そんな何も無いまま応接室につき、パーティーズを解放した後私はカヤと一緒に街の外に出た。


 「そういえば、落ちこぼれって言ってたけど、一番できる魔法はどれぐらいできるの?」


 「中級魔法が使える感じです。」


 「それだけ?」


 「はっはい。あと魔力量が多いです。何故か分かりませんが紗夜さん以上に……。でも、私の魔力感知はまだまだなので間違えてると思うのですが……。」


 「魔力感知の勉強、魔力の制御方法とか色々教えないとね……。ほんとどうなってるんだか。」


 「実は私は両親がいないのです。その無くなった両親も里で嫌われていて私自身も嫌われました。魔法は盗み見た魔法講座を見て練習した感じ。です。だから、落ちこぼれ……。です。」


 「そういう事ね……。」


 トボトボと口を動かして教えてくれたカヤ。話しながら涙がこぼれそうになっていたが必死に我慢していたのが伺えた。それだけ扱いが酷かったのだろう。だから、ここまで魔力がなく、魔法が使えない状態で里を抜け出したのだろう。

 本当にどうしようもない長老だな。なんだか、こういう話を聞くと暇つぶしではなくてしっかり教えたくなってきゃうな……。

 1ヶ月もあるし、大丈夫だろう。


 「わかった。とりあえず、この1ヶ月間はあのパーティーズと冒険するの禁止ね。毎日私と修行すること。絶対にね。そもそも、ギルドであんな騒ぎになってるから出られないと思うけどね。」


 「一回話さないと……。」


 「私の言うことは絶対ね。いい?」


 「はい。」


 「よし、トレーニング初めよっか。そもそも魔力循環もほぼできてない状態で魔法を撃ってるのが問題だからそこからやっていこうか。あとは、基本中の基本を徹底的にする感じ。基本がなっていないのに応用なんて出来るわけないでしょ? そういうこと。わかった?」


 「はい。」


 「じゃあ魔力循環を細部まで丁寧にやっていこっか。全体に同じ魔力量を込めるのをとりあえず一時間かな。開始!!」


 「はっはひ!!」


 そうして本格的な修行が始まった。カヤから里の名前を聞いたが、その里は 他の里からの評判が低く、近寄らない方がいい。と言われている里だった。性格が悪い上に他の里を見下し不意打ちをかけてくるという最低な里だ。ちょっと問題があって一度本気で滅ぼそうと思ったが、長老から怒られたので中止したのだ。

 懐かしいな。


 まぁ。私が滅ぼすことができなくてもカヤが代わりにすればいいだけだからね。


 私たちエルフにどれだけ顔を泥に塗ったことか。


 はぁ。


 そんなことをしていたらあっという間に一時間が過ぎていった。

次回予告


カヤを強くするために無茶なことばかり言う紗夜。修行も終了し、街に戻るとトラブル発生?!

もしかして、これはカヤに意地悪しているせいなのでは?

もっと優しくしてあげて!!


次回、紗夜物語10 お楽しみに

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