第154話 紗夜物語5
ドンドンドン!!
「紗夜さん。紗夜さん。大丈夫ですか?! 紗夜さん。紗夜さん。」
ドンドンドン!!
「紗夜さん、やばいやっぱり返事ないみたい。どうしよう」
「こうなったら開けるしかないわ。もし何かあっても女性同士対処が取れるから二人は待っててね。」
「「ああ。」」
「さっ紗夜さん。あっ開けますよ!!」
「はぁぁぁぁぁぁ。もうちょっとだけ寝させて〜」
「さっ紗夜さん!!」
欠伸をしながら返事をするとすごい驚いた返事が帰ってきたが、たった一日寝ただけなのに驚きすぎだ。
どうしてだろうか?
寝起きで回らない頭を頑張って回すが眠いが勝ってしまって分からない。
「さっ紗夜さん。あれから一週間経ちましたが、大丈夫でしょうか? 体調とか崩してませんか?」
「料理だって何時でもできてるから、食べてきてください。なんと言ってもこの街一番人気な宿屋のご飯ですから!!」
ご飯か……。とりあえずご飯食べてから今日の予定を考えよっか。はぁぁぁ。眠い。
「もうすぐ降りるのでご飯お願いします〜」
「はっはい!! 喜んで!!」
返事の後階段の降りる音がドタドタと聞こえたのでとりあえず、洗面台で顔を洗って1階の食事処に向かう。
食事処では、少女とその母親がこの花がいいとか、どうとかで揉めていて、少女の父親は台所で焦りながら料理を作っているご様子。
「あっ。紗夜さん。このお花で大丈夫でしょうか? 色、匂い共にこの街で最高のものなのですけど……。」
「ご飯食べるのに花っていります?」
「「……。」」
少し空気を悪くした後にタイミングよく料理を持ってきてくれた。野菜の炒め物にキノコのステーキ焼き、そして食パンだ。
私かま席に着くと、カウンターからひょっこり見ながら私の食べる様子を見ているので少し食べずらかった。
「ごちそうさま。」
一安心していたので、私はこっそりその場から抜け出して新聞や魔術本でもあさりにこうと出かけようとする
フード付きの被り物は忘れたけど、別にいっか。昨日パーティーずにもエルフいたし、そんなに珍しくもないでしょ。と思っていたが、外に出た瞬間太陽の光が私に攻撃をしてくる。
ああああああああぁぁぁ!! 太陽の光が!!!! 眩しすぎる!!!!
ふぅ。何とかドアを、してめ無事に宿に帰ってこれたが、まだ一歩も出ていない。そう。ドアを開けただけでこれだ。
昔は全然大丈夫だったが、引きこもり生活が長くなるとどうしてもね。
「シャットダウンハーフ。」
ふぅ。これで私に来る太陽光とかが半分になった。よし、これでレッツゴー!!
ドアを開け外に出ると、多種多様な種族の方々がいい装備を付けてぺちゃくちゃ喋っているのが目に入り込んだ。
バレてないよね……。
そう思いながら新聞を買うためにギルドに向かっていると、コソコソと私の後ろを着いてくるのが魔力探知で分かった。
なぜコソコソしているのかがわかったのか? だが、私が振り向くと急いで隠れるからだ。魔力量と人数的にこないだのめんどくさいパーティーズだろう。
普通ならテレポートで場所を移動するが、ここは街の中。急に消えたらちょっとした大騒ぎになってまためんどくさい事に繋がってしまう。
めんどくさいがこのままにしとくしか無さそうだ。祭りとかあれば人混みで隠れることができたんだけどな。それにエルフは魔力感知ができる可能性が高いし。
はぁ。この街はめんどくさい。
「やっと見つけたっと言うのにボザーッと歩いて何もしてないじゃないか。何か強くなるヒントがあると思ったが、ヒントのヒの字もないぞ。」
「違う。あれは隠してるだけ。私の魔力感知では未熟ゆえ分からないけど、保有してる魔力は多分魔王以上のはず。」
「そん何強かったら誰もほっとかないっしょ。ソロってことは絶対に何か秘密があるはずっしょ。絶対に秘密をといてみせるんだから!!」
「さっきこっそり買取の魔物を見に行ったけど、ドラゴンやオークキングとかもいた。それも一人で。王都のS級冒険者と比べても比にならないレベル。」
「だから、強くなる秘訣を引き出したいんじゃないか!!」
「ちょっと押さないでよ。倒れちゃうたらバレちゃうでしょ。」
「バレたら今度こそ終わりっしょ。マジ気をつけてよね。」
「俺が悪いって言うのかよ。」
「今のはリーダーっしょ。」
「はーい。」
はぁ。今のS級ってその程度なのか……。随分腑抜けた冒険者が増えたものだ。これだとエルフ最強説が流れるのも時間の問題だろう。エルフだって本気をだすな。と里を出る時に必ず言われるので本気を出すことはないが、出さなくても人外レベルとはね。
まぁ。パーティーズのエルフは赤ちゃん程度だけどね。あの里の村長は何をやってるんだか……。
そんなことを考えながらギルド内にはいろうとこっそり中を覗こうとすると声が聞こえてくる。
「あの化け物結局どうなったんだ?」
「それがよ。ギルドであの魔物の買取に出たらしいんだよ。職員に聞いてもだんまりでさ。何かいい情報は何か探し回ってるって聞いたぜ。」
「一人であれだろ。俺たちなんて虫程度しか思ってないんだろうな。いいよな、あれだけ強ければほしいものなんでも手に入るだろうに。」
「ああ、そうだろうな。」
そんな声が聞こえ、ギルドに入りずらくなった。そもそも、なぜギルドに行かないとか。だけど新聞はギルドで発行しているためギルドでしか販売していない。こないだあんな事件を起こしたというのにここに来たのはその理由だ。
はぁ。なんかいい方法でもないかな……。
あっ。あれを使えばいっか。
次回予告
これで新聞ゲット!! その代わり金貨一枚を無駄にするという損を被ることに。はぁ。見栄なんてはるもんじゃないよね……。
次回、紗夜物語6 お楽しみに