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第148話 久しぶりの帰宅

 もちろん謎エルフは私の行動を待ってくれる訳なくテレポートで私の背後に移動し、至近距離で氷魔法を放とうとしたがお母さんが消失魔法防いでくれたあと、私をテレポートしてくれた。

 紗夜ちゃんなら私がこれから使うものをいちいち心を落ち着かせたりしなくて済むが、私はまだまだ未熟者ゆえにそれが出来ない。

 こんな機会がないからと思ってあまり練習しなかったのがここに来て仇となった。


 「ふぅ。未来視」


 「ディメンションハンマー!!」


 「異次元魔法、カバーレクション」


 「えっ。はぁ?」


 謎エルフが上空に巨大なハンマーを出現しここら一体を押し潰そうとしたが、私の異次元魔法によって消失した。もちろん消失魔法などもあるけど、あれは魔法が出現する前に消失できるというだけで万能では無い。だが、今回使用した異次元魔法なんでも異次元に持っていってしまうほぼチート級魔法。

 見たことの無い魔法だったのか驚きで一瞬動きが悪くなったのを私は見逃さない。


 そして、私は探知魔法を常時発動する。


 「テレポート」


 「神の刃」


 「うっ。」


 未来視のお陰で片目だけ5秒後の世界が見えているので、どんなふうに交わすか知っているので攻撃も安易に入る。

 それに、探知魔法を常時使うことによって魔法を遠隔で召喚し、謎エルフを私の近くにテレポートすると同時に神の刃という巨大な刃が私の両端から出現し釘刺しにすることができた。

 まともに食らった謎エルフはその場で血を吐きながら私の事を睨んでくる。


 「こんな攻撃私なんかに聞くはず、はぁ、はぁ。うえっ。」


 再度吐血するが顔色は神の刃が刺さる前と変わらない。


 巨大な刃が交差して刺さっているので、胴体はほぼ貫通している状態でも生きてるなんて、やっぱり謎エルフは普通の生物では無いみたい。


 「神の天秤」


「紗夜ちゃん……。」


 私の後ろにいる紗夜ちゃんが魔法を放つと同時に膨大な魔力量が無くなるのを魔力感知で感じた。

 「神」と名のつくとのは魔力量が膨大だが、私が放った刃以上に魔力を食っている。神の天秤は私たちに教えて貰えていない魔法なので、どんなすごい効果なのかまだ分からない。


 「どうなってる。動かない……。どういうことだ……。悪魔を舐めるな!!」


 私たちの目の前に現れた巨大な天秤の片方に謎エルフが拘束されると、もう片方の器今まで謎エルフに殺された方々の魂が集められていく。

 魂は人魂みたいに青色で増えていく度に謎エルフ側が上へ上へと上がっていく。

 さっきまで刃が刺さっていたが、天秤に乗った影響か無くなっており、刺さっていたところからありえない程の血が流れ受け皿を超えて垂れ始めた。


 「私はここで死ぬような人材では無い。お前がお姉様を殺さなければ……。お前のせいだ!!」


 「……。」


 私とお母さんはただその天秤を見ることしかしなかった。


 「離せ、はやく離せ!! ああああああああぁぁぁ!!」


 「なんだあれは……。」


 上空に次元の狭間が現れ、そこから謎の生物が身体を出して天秤に挙げられてる謎エルフを見ている。

 天秤を見ているのは、神々しく美しい女性像のような形をしていて、何故かニコニコと笑いながら手を伸ばしていく。


 「新しいおもちゃをありがとう。」


 「やっ、辞めて。お姉様、助けて、お姉様!!」


 女性像は天秤で上がってきた謎エルフを握りしめて殺し、手から血がポタポタと垂れるが、すぐに握っている拳を緩め謎エルフを蘇生させる。

 魔力感知でしっかり確認したが本当に一度死んでいる。紗夜ちゃんでさえ蘇生魔法は出来ないと言っていた……。あれは神様なのだろうか……。


 「助けてください、助けてくだい。助け」


 そうして、潰され、蘇生されを繰り返しながら次元の切れ目に女性像は戻っていった。

 もちろん謎エルフを連れて……。


 謎エルフから出た血が氷漬けされたこの街にドバっとかかっておりなんとも言えない光景になっている。


 「終わったのよね……。」


 「すまない、私のせいでみんなを巻き込んでしまって……。」


 「紗夜ちゃん結局あれは誰だったの? どうして紗夜ちゃんに恨みがあったの?」


 「あれは私がこの現況を作った原因のダークエルフの妹だろう。あの姉を氷漬けした状態で破壊したからもう亡くなってるはず。それに気がついて私に復讐を決意したんだろう。」


 「そうだったんだ……。」


 「では、本当に紗夜さんがここを……」


 「ああ。」


 「「……。」」


 私たちの間に微妙な空気が流れる。

 その瞬間私は少しだけ立ちくらみをする。横に揺れた先にお母さんがいてくれて、肩を掴んでくれたので私は倒れる事無く済んだ。


 「あれだけ血を流したんだから、しばらくは家でゆっくりしましょう。もう、あんな姿見たくないわ……。」


 「うん。」


 「サリアを迎えに行ってみんなで帰りましょうか。」


 「うん。」


 私たちは放心状態のサリアと合流し、そのまま家の玄関に転移した。

 サリアは私たちとあっても放心状態のままで、話しかけても「うん」としか返事がなかった。

 私は直ぐに紗夜ちゃんに頼んで清潔魔法などかけてもらい、着替えてそのまま自室のベットに横になって寝た。

 私は何のために強くなったのか……。

次回予告


やっと家に帰れたというのに謎エルフのせいで精神的ダメージを受けゆっくりできた気がしない!!

それに、お母さんは紗夜ちゃんの罪のことを知らなかったみたいですごい不審がってるし……。

えっ。紗夜ちゃん、話してくれるの?


次回、紗夜ちゃんの勇気 お楽しみに

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