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第145話 謎エルフ参上

 「お姉ちゃん、見て見て!! いい景色だよ。」


 私たちは王都の外環に来ている。王都は丈夫そうなコンクリートで囲まれてそこの外環を銀貨一枚で登ることができるのだ。

 サリアが「せっかくだから登ろう。」と言ったので、やってきたがこれはいい景色。特にあの城!!


 ギルドや学校からも王都の城は見えていたが、周りの建物がごちゃごちゃしているので、そこまで目立つというイメージがない上に城が王都内で最も高い場所に建設されてることも知らなかった。

 王都はヨーロッパを感じることができる作りになっている。なんか世界旅行に来た気分だね。


 「それにしても、ちょうどいい風も吹いて気持ちいね。こんなにいい景色が見れるって知ってたら、お母さんと一緒に来たかったね。」


 「ね!! あっそうだ。私達が学校に通ったら、王都の隠れ名店とか見つけてお母さんとお父さんに教えてあげようよ!! 隠れ名店を見つけて紹介するってワンランク大人に近づいたって感じがしていいよね。その時にかっこいいポーズとか見せるんだ!! 楽しみだな。」


 「隠れた名店か……。もしかして、おじいさんがしばらく王都にいるって言ってたから、隠れて飲食店でも開くんじゃない? もしも開いたら、ダンジョン内で食べたような美味しいメニュー食べ放題だよ!! それに、ソースを使った料理も作ってくれるはずだし。楽しみだな。」


 「なんか想像するだけで楽しいよね。さっきお土産も買ったし、お昼も食べたし、もう私満足!! 今日はね。家に帰ったらゆっくりするんだ。あっ。ホットケーキ食べてもいいかも!! 頑張った記念ってことで。お姉ちゃん帰ったら一緒に作るよ!!」


 「もう、サリアは食いしん坊なんだから。」


 私たちはそんなたわいもない会話をしながら外周し、外環から出た。

 お母さんがやってくるまで後十分程か……。

 何かいい暇つぶしでもあるかな。と思いながら歩いていると、謎のお姉さんが近づいてきた。


 「すみません。初めて王都を来たばかりですので、もしよろしければ商業ギルドまで連れて行ってくれませんか? 厚かましいお願いで申し訳ございませんが、同胞の頼みだと思ってお願いします。」


 お姉さんはそう言いながら被っていたフードを取りエルフ特徴の耳や顔などが見える。

 初めの方は里外でエルフを見るのがなれなかったが、最近はエルフを見ると落ち着くんだよね。


 「商業ギルドですか。よしよろしければ、一緒に行きませんか? ちょうど私達も時間が空いてますので。いい、サリア?」


 「もちろん!! お姉さんは何かものを売りにやってきたの? もしかして、美味しい料理屋を開くとか?!」


 サリアは期待の眼差しでお姉さんを見る。すると、お姉さんは少し残念そうに


 「料理店だったら是非ご紹介したかったのですけど、私が出店するのはこちらのアクセサリーですので……。もしよろしければお一つずついかがですか?」


 「いいの?」


 「はい。」


 「ありがとう!!」「ありがとうございます!!」


 私たちは道なりの端でお姉さんが持っていた高級そうな箱の中身のアクセサリーを見る。

 この箱は収納魔法にしまってあったものだ。


 「高級そうに見えますが、本当にいいのですか?」


 「いいんですよ。あなたたちが居なかったら私はギルドに到着することさえできませんからね。アクセサリーを貰ったからといって逃げるのは無しでお願いしますね。」


 お姉さんはクスクスと小さい笑いを挟みながら私たちに発言した。


 それにしても、どのアクセサリーもすごい精号にできている。

 雪の結晶のペンダントや動物形のイヤリングにダイヤモンドらしいものがついている指輪まで。この指輪は手につけるものではなく、ネックレス用らしい。


 ほんとに貰っていいのかな? そんな感情が私の中で漂っていると、


 「すみません。もしかして、紗夜さんがいる里の方々でしょうか? 昔お世話になったことがありまして。」


 「紗夜ちゃん?」


 「紗夜ちゃんですか……。お元気ですか?」


 「紗夜ちゃんはね!!」


 「すみません。紗夜さんはもう亡くなってまして……。年齢的にもしょうがないものかと。すみません。お力になれずに。」


 「いえいえ。それにしても、里の皆さんから愛されているのですね。紗夜ちゃんとお呼びされるぐらいですので。私がであった頃はちゃん付けで呼べるような方ではなかったので……。」


 サリアがまた何か言いそうだったので、私は咳払いをしサリアにアイコンタクトをした後話し続ける。


 「良ければ紗夜ちゃんのお話聞かせて貰えませんか?」


 「もちろんです。紗夜さんはね。」


 お姉さんは楽しそうな顔で話すが、声のトーンが楽しみだけではなくなんだかモヤモヤっとする感じがした。

 今までに感じたことが無いような感じ……。


 紗夜ちゃんと何があったんだろう……。


 「お姉さんここが商業ギルドです。」


 「あっ。つい話し込んでしまってすみません。久々に懐かしい方を思い出して、つい楽しくなってしまいました。ありがとうございます。優しい同胞の方。お会いしたら、是非声をかけてくださいね。」


 「「バイバイ!!」」


 私とサリアはお別れをして王都入口に向かう。もうそろそろお母さんが到着する時間だからね。

 それにしても、さっきの方紗夜ちゃんとどういう関係性なんだろう。

 ここで聞くと、昔の彼氏彼女の事を聞いてくる恋人感が出るから聞きたくないんだよね。プライベートな部分もあるはずだし……。

 でも気になる!!


 「お姉ちゃん。紗夜ちゃん紹介してくれなかったけど、ちゃんと友達いたんだね!! 良かった。いっつも私たちといるから友達いないんじゃないかって少し心配してたんだよ。紗夜ちゃんもお母さんと帰っちゃったから久しぶりに会うからちょっとだけあの方のこと聞いちゃおっかな。紗夜ちゃんの昔話楽しそうだし。」


 「少しだけにしとくんだよ。」


 「はーい。」


 私たちは歩いていると、遠くにお母さんが見えたので、サリアと顔を合わせて走って迎えに行った。

次回予告


やっと王都での用事が終わって家に帰れるよ。ってあれ? また事件に巻き込まれた?!

なんで次から次へと、事件が参りこんで私に休憩をくれないの!!

えっ、しかも、私死にかける?


次回、死を覚悟 お楽しみに!!

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