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第143話 エルフはピザ好き

 「では、テトラは入学を拒否ってことで進めてるからね。やっと悩みの種が一つ減ったわ。これで新入生達がのびのびと暮らせる学校にすることができるわ。本当に良かったわ。安心したら、もっとお腹がすいてきて……。ああ、学食食べたかったな。はぁ。せっかくだし、ご飯でも食べに行くかな。他に用事はあるかしら?」


 「ワシらは大丈夫じゃ。嬢ちゃん達は何かあるかのう?」


 「サリアある?」


 「うーん。あっ!! 校長先生とお姉ちゃんと三人で少しだけ学校について話したいんだけど、大丈夫かな?」


 「分かったわ。ほらほら、オス組は帰った帰った。これから、エルフしかもメス同時での大事な密会が始まるんだから。ほらほら。せっかくだし、美味しい料理でも食べましょうか。」


 「嬢ちゃん達報酬の件じゃが、他に欲しいものが出来たらいつでも言っておくれ。ワシが準備出来るものなら、すぐにでも準備して渡すわい。しばらくはこの王都にいるはずだから、いつでも声がけでくれ。」


 「「はーい」」


 「リロ、チル、行くぞ。」


 「「はい!!」」


 そうして、おじいさん達は校長室から出ていって私たち三人だけになった。

 それにしても、サリアの用事って何かな? 同じクラスにして欲しいとか? それとも、学食のお米メニューを増やして欲しいとか?


 うーん?


 私が悩んでいると、サリアは私の事を見て、うん。と頷いたが、何を伝えようとしているのかさっぱり分からない。


 「よし、もう大丈夫だね。校長先生、お腹がすいてるんでしょ。同じエルフ同士だから、特別に美味しい料理を食べてもらおうお思ってね。だって校長先生お腹すいてるでしょ。お腹がすいてる時に食べるピザは格別だもん。ねっいいでしょ、お姉ちゃん。」


 「ピザ?!」


 「校長先生は食べたことがないと思うけど、チーズがとろけててトマトベースのソースがすごいマッチしてて美味しいんだよ!! 私なんてお母さんに内緒でこっそり食べちゃう時あるもん。それ食べたら、校長先生のお腹も満たされ疲れが取れると思ったんだ。」


 「なんていい子!! この学院に来てからというものの、生徒との関わりを大事にしてきたけれど、ここまで優しい子に会ったのは初めてよ!! 今日は記念日にして学院を休講にしたいぐらいだわ。」


 「ピザね。ちょっとまっててね。」


 サリアは優しい子だな。と思いながら収納魔法からピザを取り出し校長先生に渡す。一つのお皿に3キレ程乗っているのを収納しているので、小腹がすいた時にちょうどいいサイズになっている。

 校長先生は、私が収納魔法からピザを出した時からピザに夢中でお皿を動かすと顔まで一緒に動いてしまう。

 そんな意地悪を少し楽しんだ後に私はピザとフォークを机に置く。


 「どうぞ!!」


 「いただきます!!」


 校長先生はフォークでピザを切って口に入れる。


 「ん!! んんん!!」


 校長先生分かります!! ピザは何度食べても感動がある上に種類も豊富。今回は同じものだが、同じものを何度食べても飽きない素晴らしい食べ物。

 食事は五感で楽しむというが、本当にその通りだと再確認させてくれる食べ物。それがピザ!!


 なんだから私もお腹すいてきちゃった。さっき学食食べたばっかりだけど……。


 そして、校長先生がもう一口ピザを食べると同時に「んん!!」とまた声がけ漏れる。


 よし、部屋に戻ったらサリアと一緒にピザパーティーを始めるぞ!!


 「校長先生美味しい?」


 「こんなに美味しいものがあるなんてね……。もしかして、ナーガさんの里ではこれが当たり前なのかな? それなら、わたし転移届を出してそっちに引っ越そうかしら? いや、でも。家族を残して……。家族ごと移動すればいっか。」


 「ピザはまだ販売してなくて、私たち以外はみんな知らないんだよ。だから、こっちに引っ越してきても食べられないよ。校長先生なら、作り方教えてもいっかな? どうしよっかな?」


 「ぜひ教えてちょうだい!! こんなに美味しい料理毎日でも食べたいわ!! 最低でもあと数百年は毎日食べること決定!! これから幸せな毎日か。生きてて良かった。」


 「ちょっとお願いがあってね。」


 「なになに? お姉さんなんでも叶えちゃうよ。」


 「お姉ちゃんと同じクラスにして欲しいの。お姉ちゃんと離れ離れになることだけは絶対に嫌!! ピザの作り方を教えるからね。お願い!!」


 サリアは、手を合わせて目をつぶりながら校長先生にお願いをする。

 校長先生は驚いた顔もせず、即答で「いいわよ。」と言ってくれてサリアは驚いた後に私のことを見て抱きついてきた。


 「お姉ちゃん、一緒だって!! これからもずっと一緒にいられるよ。良かった。それだけが不安だったから。良かった。」


 「クラスは成績順になっているから、ニーナちゃんも同じクラスだよ。それで、作り方はどうやって作るの? 早く教えて。早く!!」


 校長先生の目がキラキラと輝きながら私たちのことを見てくるので、私はピザの作り方が書いてあるメモを渡した。もちろんそこには、釜の作り方も書いてある。しかも絵付きで。

 このメモ一つで最高のピザ生活ができるのだ!!


 「そうね……。一度三人で集まってどこかでピザを作るのはどうかしら? ちょっとメモを見ただけでは難しそうでね。特にこの釜。これを間違えれば多分ピザが作れないでしょう。もしも失敗したら、私のピザ食べたい欲がおかしくなってしまうわ。お願い。授業料免除でもなんでもするから!! おねがい。私のピザライフのために!!」


 「お姉ちゃんせっかくだし手伝ってあげよう。今の私からピザがなくなったらおかしくなりそうだもん。校長先生もそんな気持ちだと思うし……。」


 「サリアちゃん!! アリアちゃんもそれでいいかしら」


 「はい。大丈夫です!!」


 「ありがとう!! せっかくだから、明日で大丈夫?」


 「はい、大丈夫です!!」


 「お姉ちゃん楽しみだね、ピザ窯作り。いつか学校のメニューにも載っちゃうかもよ!! 楽しみだね。」


 「それはいいアイデアね!! 調理してくれてる方も呼ぼうかしら。ふふ。」


 話が一区切りしたところで校長先生はピザを夢中で食べ始めた。

 これ以上美味しいピザを食べるのを邪魔してはいけないので私たちも校長室から出ることにした。


 「お姉ちゃん。夜遅いけど、ピザ食べるよ!! 見てたらお腹空いちゃったよ。」


 「私も同じこと考えてた。絶対食べようね!!」


 そうして、私たちは寮に戻ってピザを堪能して就寝した。

次回予告


やっとダンジョン内を脱出し、部屋でゆっくり寝ることになったアリア達。しかし、起きると隣のベッドで寝ていたサリアが私のベッドで寝てる?

どんだけお姉ちゃん好きなんだよ!!


次回、大人気ピザ お楽しみに!!

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