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第126話 念には念を

 ため息をつきながら去っていく先生とビクビクと少し震えながら浮かんでいる勇者の弟を見ていると、


 「お姉ちゃんなんかわかった気がするよ。あの勇者の弟みたいなことをサリアもやっていたってことでしょ。相手のことを考えずに自分のことばっかり考えてたよ……。お姉ちゃんごめんね。みんな私のために言ってくれたのに、あんなに怒っちゃって……。お母さんにも謝らないと!!」


 「うーん。違うような、あっているような……。サリアはそんなに心配しないでも大丈夫だよ。それに、お母さんもそこまで怒ってた訳では無いと思うから安心して一緒に帰ろ。不安だったら、今日は一緒に寝る?」


 「うん。試験が終わるまでは一緒に寝るからね!! えへへ。お姉ちゃん、ありがとう!!」


 サリアは私に抱きしめながら「試験頑張ろうね!!」と元気に言ってきた。

 ふぅ。これで一安心。


 今日はなんとも言えない空気感で寝ると思っていたからお姉ちゃん安心したよ。

 それにしても、サリアが気づく原因があんな勇者の弟というが気に食わないな……。

 どうせ権力でも使って学園に入学することだから、学生生活が最悪になる可能性があるんだよな……。

 私は少し心配になりながら女子寮の受付に向かった。


 「大丈夫でしたか? あっ。申し訳ございません。学園側が適切な対応を取ることができなくあなた方に不快な思いをさせてしまいました。勇者様はあのような対応をとる方では無いので、こちらも対策を考えておらず……。申し訳ございません!!」


 「大丈夫だよ。だってお姉ちゃんが助けてくれたもん!! それに悪いのはさっきの勇者の弟であってお姉さんでは無いよ。だから謝らないで!!」


 「うん。そうですよ!!」


 「ありがとうございます!! この受付からは必ず通しませんので安心してください!! この命にかえても!!」


 「それはかけすぎですよ!!」


 不安な顔だった受付の方も安心してくれ、その後部屋まで案内してくれた。

 最後に、「何かあったらいつでも受付に思うし下さい!! 絶対にですよ!!」 と張り切って言っていたので、何かあったら声をかけるつもりだ。もちろんあの勇者の弟が侵入する可能性大があるからね。


 勇者の弟だけあって、魔力量的にこの学園の中でも上位に入るだろう。それも試験者となれば私たち以外では一位かもしれない。

 嫌な思考の持ち主なので、その魔力を使いクソみたいな魔法を撃ったり使ってきそうなので、念の為この寮に魔法でもかけとくかな。


 私は両手を上げて魔法をかけようとすると


 「お姉ちゃん?」


 「ちょっとこの寮に魔法をかけとくんだよ。あの男が入ってくるかもしれないでしょ?」


 「確かに!! お姉ちゃん賢いね。お願いします!!」


 「はーい!!」


 とりあえず、この寮に入った瞬間頭痛を感じ、それでも進むと再度あの幻術がかかる仕組みにしといた。

 女子寮であの不気味な声が広がるのが苦痛だと思うので、しっかりと防音魔法も忘れずにかけといた。


 来なければいいんだけどね……。


 夕食はスタッフの方が食事を持ってきてくれたのでそれをいただくことになった。

 エルフだからなのか野菜が中心のメニューで、大根のステーキや、野菜炒めなどだ。

 一番栄えている王都の野菜だから、もしかして里の野菜よりも美味しいかも?! と期待を込めて食べたが、予想は裏切られ、私たちがいつも食べている里の野菜の方が美味しかった。

 やっぱり取れたその日に食べることと、長年野菜の研究をしている方が何人かいるエルフの里と比べてはダメだよね。


 「お姉ちゃんこのパンフレット見て!! この大浴場すごいよ!! 何個とお風呂の種類があるみたい!!」


 「どれどれ?」


 目をキラキラさせながらサリアが指を指している箇所を見ると、泡風呂や滝のように上から流れるお風呂。立って入れるお風呂など、本当に色んな種類のお風呂がこの女子寮にあるらしい。

 そんな備わっているお風呂の中でも人気ナンバーワンが一人でゆっくり入れる少し大きめの浴槽だったのが驚きだ。

 大浴場だから、みんなでゆっくり入るものだと思っていたから。

 気持ちよさそうだな。


 「あっ。お姉ちゃん、今日入れないみたい……。」


 「なんで?」


 「ここ見てよ」


 「……」


 そこには、大浴場は試験者は行けないと記述されていてサリアは少し悲しそうな顔をしていた。

 よし、絶対に入学して、大浴場満喫するぞ!!


 部屋風呂に入ったり、ゆっくりパンフレットを見たり、明日のことを考えているといつもより早い時間に眠くなったので寝ることにした。


 なんと言っても明日は大事な試験日だからね。


 明日は午前中はペーパーテストで午後は実技の予定だが……。


 ……。


 本当にペーパーテスト大丈夫かな?


 教材の一つも貰ってないし、受かるよ。しか言われてない……。


 「お姉ちゃんも早く寝ないと明日起きられなくなっちゃうよ。」


 「そうだね。おやすみ」


 「おやすみ!!」


 私たちは明日に備えゆっくり寝たのであった。

次回予告

ついにペーパー試験開始?! テスト範囲も分からず一切勉強してこなかった私たち。眠りにつくが、不安に押しつぶされそうになる。

 しかしテストは、あれっこの問題って……。ここもって、あれ?!

 次回、ついに実施ペーパーテスト お楽しみに!!

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