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第124話 サリア悪くないもん!!

 「これからどうする? もう学校に行っちゃう? それとも観光でもする?」


 「もちろん観光するよ!! お母さんは私たちが学校の間はどうする?」


 「お父さんのこともあるから帰宅するわ。帰る時になったらメッセージで連絡ちょうだいね。」


 「「はーい」」


 「とりあえず、冒険者ギルドに行って地図でも貰いましょうか」


 「「賛成!!」」


 そうして私たちは冒険者ギルドに向かう。


 いつも行っている街と違い、大通りには荷物を詰んだ馬などが走っていて、歩行者用と分かれている。


 冒険者の方々と度々すれ違うこともあるが、魔物の毛皮丸出し感が無く、豪華な鎧などを着用している上に高そうな剣なども持っている。


 これが街と王都の違いなのか。


 私は圧倒されながら歩いているとすぐに冒険者ギルドに着いてしまう。


 冒険者ギルドは4、5階はありそうなぐらいの大きさで他の建物と比べて迫力がすごい。


 王都だから情報量なども全く違うのだろう。


 「お姉ちゃん、今まで行ってたギルドよりもすごい大きいよ!! やっぱり王都はすごいね!! 検問の方以外は最高のところだよ」


 「まぁね。中もどれだけ豪華なのか早くみたいから入っちゃおっか」


 「うん!! 学校に通ったら、いつでもこんなに豪華なところに来れるってすごいね!! 楽しみだな!!」


 「二人とも、試験があるの忘れちゃダメよ」


 「「はーい!!」」


 うずうずしていたサリアは、小走りでギルド入口まで行き、中を見て目を輝かしている。


 「みんな早く、早く!!」


 「「おお!!」」


 ギルドに着くまでに冒険者とすれ違っていたが、やっぱり身なりが全然違う。


 もちろん、いつも見ているような身なりの方々もいるがみんな小綺麗にしているせいか少し浮いてしまう。


 ギルド内も掃除がどこまでも行き届いている上に天井に冒険者ギルドに似合わないシャンデリアまでもある。


 どこか高級ホテルを想像させるような作りだ……。


 「!! お姉ちゃん、お母さん!! 二階がご飯食べるところなんだって!! すごいよ!! ご飯食べるところと依頼受けるところの階層が分かれているなんて!! あっ。二階だけじゃなくて三階もだって!!」


 「そんなにあるのね!! さすが王都。何度か来たことがあるけれど、毎回進化しているわ。ほんとどこまで進化していくことか……。」


 「とりあえず、地図を貰いながらゆっくり観光しよっか。ついでにおすすめな場所も聞いちゃおう。」


 「「賛成!!」」


 私たちは依頼受けるところに並ぼうとするが、列が8列もあるし、換金所も5列ほど。


 こんなに数があるギルドなんて見たことが見たことがない!!


 私達は空いている受付に進む。


 「いらっしゃいませ。本日はどのような用事ですか?」


 「王都の地図が欲しいくて並びました!! あと観光のオススメも教えてください!!」


 「承知しました。それではこちらが地図でして、本日ですと、あの勇者の冒険譚の劇がやってますのでオススメです!! ぜひ行ってみてください!! なんと言っても、勇者リロはこの街出身ですから!!」


 「「……。」」


 私たちは受付嬢に挨拶をしてギルドを出たが……。


 こんなところでもあんなやつの話を聞くとは……。


 全くもって運がない……、いや、あいつがいないだけ運がいいとしよう。


 私たちは王都の中をブラブラと歩いていると、細道に出くわしたのでそちらの道を通ってみることに。


 「おい、金目のもん持ってるならさっさと出しな? おっ、べっぴんさんじゃねぇか。」


 「兄貴いい女見つけましたね!! さすが王都です!!」


 「おいおい、今からこいつらをいたぶると考えると興奮が止まらないぜ!!」


 「「……。」」


 私たちは後ろを振り向くと、サバイバルナイフを持った犬族が3匹興奮した目で私たちのことを見てきている。


 普通に考えて、両側塞がないと逃げられるだろう。

 逃げた先に仲間がいるかもしれない。も思い魔力感知をしたが、そんな気配は一切ない……。


 これが王都のやり方か。となんとも言えない気持ちになっていると、


 「アイスハーデン、アイスニードル」


 「サリア?!」


 私は急いでサリアの方を見ると、犬族に向けて右手を伸ばしそこから魔法が放たれる瞬間だった。


 瞬きをした瞬間、犬族達の首から下は氷漬けにされ、頭の周りには氷の針が360°浮かびながら回っている。


 いつでも殺せることができるという脅威的な合図だろう。


 「あっあっあぁぁぁぁ。」


 「はぁ、はぁぁぁぁ」


 「……」


 さっきまで威圧的だった犬族達は気を失いながらも頭を倒すことなく、氷の針に触れていない。


 「サリアちょっとやりすぎだよ。三人とも気を失っちゃってるし、この現場を見られたら圧倒的に私たちが悪いと思われちゃうよ。」


 「だって、お姉ちゃんとお母さんに対して悪いとこしようとしたんだもん!! これぐらいはしないと!! でも、ちゃんと寸止めの予定だから安心して」


 「サリア、その考えは危ないわ。相手は魔物でも魔族でもないのよ。一般人よ。そんな彼らが私たちにいくら良くない言葉を言ってもここまではしてはいけない。もう少しだけ冷静さを持ちなさい。」


 「絶対にこっちが悪いもん!! サリア悪くないもん!!」


 「サリアの気持ちは嬉しいけれど、やりすぎはダメってことよ。暴力でなでも解決するのではなく、しっかりと話し合いをして解決。もしできなくても、死を連想させるまではしてはいけないわ。」


 「分かったよ……。」


 「まぁ、とりあえず観光の続きしよっか」


 「……。」


 サリアは納得をしていない顔をしながら私たちは道のりに進み大通りに出て観光を続けた。


 サリアの顔を見ながらお母さんが気を使っている様子が見受けられたが、サリアは素っ気ない態度を取り続け、時間になったので私たちは学校に向かった。


 学校の試験では何も無いといいけど……。

 次回予告!!

学校に着いたはいいが、またもや問題が……。機嫌が悪いサリアが対応してしまうのか?! やりすぎてしまうのか?! サリア、問題を起こして失格だけにならないでくれ!!



という事で、これから次回予告をしていきます!!

お楽しみに!!


【お知らせ】

 毎週金、土曜日に投稿中!!

 時間は22時〜24時ぐらいです。

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