第123話 いざ王都へ
それにしても、こんな急に決まるとは思ってもいなかったな。
なんでも、「試験日までの時間があればあるほど緊張するよ。」という、お父さんの言葉を聞いたサリアが、急いで決めたのだ。
私はと言うと、その前に「いつでもいいよ!!」と言ってしまった為、言葉を取り戻すことが出来ずそのまま決定に……。
本当にペーパーテスト大丈夫かな?
「お姉ちゃん楽しみだね!! 今日は学校に泊まることができるんだって!! 学校ってどんなところなのかな? エルフ以外の種族がいっぱいいるって言ってたけど、友達できるかな?」
「とりあえず、試験頑張って受からないとね」
「大丈夫だよ!!」
リビングで私の隣に座っているサリアは、学校に行ったらどんなことをしようか目を輝かせながら考えている。
疑似体験でも学校を体験来たが、学生の頃は学生の大切さに気づくことが出来なかった。
学生が終わると共に感じる喪失感。当たり前のものが突如無くなるってこんなにも辛いことなのだとその時初めて教わった。
よし、今回は一日一日大切に学生生活を送るぞ!!
勝つぞ!! という気持ちでカツ丼を作っていたら、お母さんもサリアも欲しがったので三人仲良くカツ丼を食べた。
お父さんに関しては、もう食事が終わっていたのですごい悔しそうな顔をしながら私たちのカツ丼を見ていた……。
食べずらいよ。
その後、お父さんが仕事に行き、私たちは紗夜ちゃんの転移魔法で学校があるとある王都の近くの森に転移した。
「ここからは歩いて行くわよ。受験前だから、怪我しないようにね!!」
「大丈夫だよ。里の森に何回も入ったことがあるんだから。それにしても、お父さんも来れれば良かったね。お父さんが休みの日にすれば良かったかな?」
「大丈夫よ。ディーロが来ていたら、娘たちと離れたくない!! とか私にこっそり言いそうだし。ああ見えて寂しがり屋だからね。」
「「以外!!」」
「そこも可愛いところなんだけどね♡」
「「……」」
お父さんとお母さんの惚気話を聞きながら歩いていると……。
なんだこの列は!!
今までに見た事がないぐらい検問の列ができている。
今のところ30グループぐらいだが、まだ列に並んでない方もちらほら見えてくる。
「お母さん、お姉ちゃん!! 早く並ばないと!!」
「そうね。この調子じゃいくら待っても入れないわ」
「急ごっか!!」
私たちは急いで検問の列に並ぶが、周りの方からチラチラと見られる。
これはエルフ特有の美貌がゆえなのか?
それとも、馬車も何も荷物がないからなのか?
軽装備だからなのか?
未だ謎が深まるばかりだ。
「もし宜しかったら、ふかし芋はどうですか?」
「「??」」
私たちの視線には誰もいないし、誰もふかし芋なんて持っていない……。
?
「そこのエルフのお姉さん方どうですか?」
「「?……?!」」
私たちは視線を落とすと小人族の男性が駅弁売りみたいにふかし芋が入っている箱を持っていた。
私たちだけかな? と思い列の手前の方を見てみると、何人かの小人族が列を待つ方々に食べ物などを販売していた。
まっている時間が長ければお腹も空くし、収納魔法がない方々にとってはすごいありがたいシステムだろう。
でも、せっかくだ。一つぐらい食べてもいいかな?
「お姉ちゃん、どうする?」
「そうだね。せっかくだから、食べてみたいかな?」
「分かったわ。では三つください!!」
「はい、毎度あり!!」
お母さんは小人族の方にお金を渡した後に、私たちは箱からふかし芋を取ろうとする。
「!! この芋暖かいよ!!」
「そうなんですよ。この街に住む錬金術師の方に頼みましてね。そのおかげで、値段は高くなっておりますが、美味しいおいもを提供出来て人気なんですよ。是非温かいうちに食べてくださいね。」
「「はーい。」」
私たちがふかし芋を貰うと、小人族の方は私たちの後ろの方々に接客をしに行った。
私たちはふかし芋をら食べたり話していること一時間。
ついに検問に到着する。
「はいはい、止まってね!! おっエルフじゃん!! ラッキー!!」
「そういうことは言うなって言ってるだろ!!」
「えー。だってこんなところで会えるなんて思わないじゃないですか?!」
「それでもだ。」
「はいはい、分かりましたよ。ギルドカードこの石にかざしてください。」
「「……。」」
こちらの検問の二人は小人族の男性二人で対応しているみたいだが、先程のふかし芋の方と比べてとても失礼な方がいるみたいだ……。
なんか種族で見られるの嫌だな……。
「はいはい、誰も犯罪歴無しっと。この街にはどのようなことを目的にやってきたのですか? もしかして、俺とのデートとか?」
「お前はもう引っ込んでろ。上に知らされたら最悪お前クビだからな。」
「……。マジですか?」
「ああ。」
「失礼致しました!! 改めまして、どのような目的でやって来ましたか?」
「学校の入学試験で……。」
「試験ですね!! 頑張ってください!! ありがとうございました!!」
小人族の男性は冷や汗をかきながら私たちに手を振ってくれる。
検問でナンパをするぐらいだ、さっさと首になって安心安全な王都になって欲しい。と心から願いながら門をくぐったのであった。
ついに学校試験編!!(すぐに終わる予定です。)
書いててわかったのですけど、本当に予め予定を立てて置くべきです。
私みたいに100話超えてもダラダラ書くだけの小説になってしまいます。
今後の予定をぼちぼち考えているので、これからはそこまでダラダラにならないかと思います。
今までのダラダラを活かせるようなお話にしたいです!!