第117話 再開
あれから数日、結局次の日もピザを作りお父さんに内緒でみんなで食べた。シーフードなどといった前の日に作っていないものは作らなかったのは、その時の感動をお父さんと味わうためだ。
私の精神的には徐々に落ち着いてきて、もう何時でも旅に出られる気分だが、サリアがどうなのか……。
「おはよう」
「おはよう、お姉ちゃん。」
サリアは、ほっぺをぷっくり膨らませながら私の隣で寝ている。
あの事件以降毎回一緒に寝ていて、今後も一緒に寝る予定だ。もう、部屋をくり抜いて私とサリアの部屋を一緒にしていいレベル!!
「サリア、どう?体調とか、色々」
「そうだね。お姉ちゃんが一緒に寝てくれるから、怖い夢は見なくなったけど、やっぱり思い出すと今でも動けなくなるほど怖いよ。」
「そっか……。」
「でもね、もう修行とか旅には行けそうだよ。怖いけど、いつかは行かなくちゃいけないし、お姉ちゃんと一緒なら、行けそうだよ!! もうそろそろ、再開してもいいかなって。お姉ちゃんは?」
「私はいつでも大丈夫だよ。私だって怖いけど、サリアがいるから頑張れそう。それに、また何かあってもみんなが助けてくれるから。いつかは自分で解決しなくちゃダメだけどね。」
「そうだね。」
「それなら、今日から旅を再開するか?」
「「紗夜ちゃん!!」」
いつも通り何も無い空間から、ぐにゃっと現れた紗夜ちゃん。
……。
本当にいつどこでも現れるな。そのうち、トイレで紗夜ちゃんって呼んだらすぐに現れそうだよ……。考えるだけで、寒気が……。
「今日はディーロもいるみたいだし、いつもと違うパーティーで挑むとなると気分も変わるだろう。もしもあれなら、以前行った村からスタートではなくて、少し離れたところから始めるか?」
「私は、以前の村の近くから始めたい。色んなことを思い出しそうだけど、それを克服しないと後々何かあった時に解決できないと思うから。」
「そうだね。私何も出来なかったもん。もっと強くなってお姉ちゃんを助けるようになるには克服しないとね!! 私頑張るよ!!」
「よし、決まれば、ウサとディーロに話すか」
「「賛成!!」」
「その前に、お姉ちゃんもうちょっとだけ、ギュッとさせて」
「しょうがないな。」
サリアは、寝っ転がりながら寝っ転がっている私に抱きついてきた。
胸の位置で抱きつきながら頭をグリグリするが、私の薄い胸のせいで、直で骨にあたって少し痛い……。
サリアだったらこんなことはないんだろうな……。
よし。とりあえず、日光浴浴びてリビングで家族会議だ!!
「行くよ、サリア」
「はーい」
私たちは、布団から出て一緒に日光浴した後にリビングに行った。今日はお父さんもお休みで、お母さんと一緒にゆっくりお茶を飲んでいた。
「おはよう」
「「おはよう!!」」
「さっきみんなで話し合ったんだけどね、今日から旅を再開させたいなって思ってね。お父さんとお母さんは大丈夫?」
「私は大丈夫よ。二人は本当にいいのかしら?」
「「うん。」」
「今日はお父さんにもついてきてもらいたいんだけどだけど、いいかな?」
「もちろん!! もう何時でも行けるぞ!! よし。二人ともご飯を食べちゃいな。準備するから座って待ってて。」
「「ありがとう!!」」
料理は全くできないが、運ぶことなら任せて!! ということでお父さんに料理を運んで朝食を食べ、自室で着替えて準備完了!!
いつも通り玄関に集合して紗夜ちゃんが詠唱を始める。
「転移!!」
私たちから1キロほど離れた場所にこないだ助けた村が見える。
近すぎるとこないだ助けた方々にバレて話し込むことになることを危惧したからだ。今回はこないだ助けた村を眺められるぐらいのいちから移動し通り越す予定だ。
私はあの村を見れば見るほど目が離せなくなり、あの時の感情が蘇ってくる。
何故助けられなかったのか。
あの一歩早ければ一人でも多くの命が救えたというのに……。
そんな罪悪感が身体中をめぐってきて、軽い目眩が生じる。
そんな時、たまたまサリアと手がぶつかって現実世界に意識が戻り始め、私は無意識にサリアの手を握っていた。
「ありがとう、お姉ちゃん」
「うん。こちらこそ。」
私たちは顔を見合わせて、頷き、いつも通り契約魔法でマウとユンを呼び出しいつも通り旅が始まる。
これから、嫌なことも嬉しいもあると思うけど、それをひっくるめて楽しかったな。って言える旅にしたい。
「よし、出発!!」
私とサリアは手綱を引いて相棒を動かし私たちの旅路が動き出した。
いつまでも負けてられないぞ!!
その日の旅は特にこれといったことは無かったが、忘れられない思い出になった。
今日花粉症の薬飲んでるのにくしゃみがすごい出る。
そのせいで少し頭もボーとするし、最悪ですよ……。
とりあえず、ゆっくり休みます!!
明日は投稿ありますからね!!
【お知らせ】
毎週金、土曜日に投稿中!!
時間は22時〜24時ぐらいです。