第116話 ついにピザを食べます!!
私たちはピザをテーブルに置き椅子に座ると、紗夜ちゃんがピザカッターを出してくれた。私は見慣れているが、お母さんとサリアは不思議なものを見るような目でピザカッターを見ている。
「これがピザカッター? 随分変わった形をしてるわね? 包丁みたいな形をイメージしていたわ。」
「丸い金属部分に刃がついてるから、扱いには気おつけてね。これを転がしながらピザを切っていくんだよ。見ててね!!」
お母さんとサリアはうなずきながら、私が持つピザカッターに目を向けた。私は切り口を見つけてると、そこにピザカッターを持っていき、直進してピザを切り始める。
切ると同時に、サクッと音が鳴るのが感動的。
疑似体験で作ったことはあったが、ここまでサクッといったことはない。サクサクピザを作るのすごい難しいけど、今回成功してよかった。最初から最後まで楽しめるとは……。
やっぱりピザは最高だな。
「サクッだって!! お姉ちゃんのピザは周りにソーセージを巻いてるから切りにくいかな? って思ってたけど、結構簡単に切れるんだね!! 私も早くやってみたい!!」
「そうね。アリアが終わったら、先にサリアやってもいいわよ。」
「ほんとに!! ありがとう!! 私もサクッていうか楽しみだよ!!」
私はそんな会話を聞きながらピザをカットしていき完成したが、先程からピザ食べたい欲が半端ない。
ピザカッターで切っている時も、カッターに結構チーズがくっついて、それがトローリと伸びるのを見てしまうと我慢ができなくなる。本当は炭酸飲料でもあればより最高になるのだが、今回はしょうがないはず……。
紗夜ちゃんに一応聞いとこっ。
「紗夜ちゃん炭酸飲料は持ってる? やっぱりピザといえばって思うんだけど。」
「炭酸飲料は持ってないんだよ。疑似体験で飲んだものも、古い本に書いてあった味を再現したものだから本当はあっているのか分からないし。旅をする時にでも、探そっか。どこかに存在するかもしれないし、それが楽しみでやる気が出るかもしれないからね。」
「分かった。」
「見てみて!! 私のピザもサクッて音鳴ったよ!! これでピザ切るのすごい楽しいね!! 沢山切りすぎると小さくなっちゃうから気をつけないと」
「本当に最初から最後まで楽しめる料理だね。こんなすごい料理があるのなら、もっと早く作っておけばよかったわ。」
「お母さん。肝心な味、食感も最高だから、楽しみにしててね。」
「もう我慢の限界よ。」
「はい、お母さんもピザカッターで切っちゃって」
「!! このサクッていう感じいいわね。みんなが言う理由が分かるわ。見てるだけでもいいのに、自分でやると余計感動するのね。ずっとカットしていたいわ。」
お母さんが興奮しながらピザをカットしているうちに私はみんなのお茶の用意をし、食事が取れる準備を完了した。
いよいよ、ピザが食べられる。
ピザ!! ピザ!! ピザ……。
ピザ……。
釜で焼いてるから、ピッツァなのでは……。
ピザでいっか!!
「食べましょうか。」
「せーの」
「「いただきます!!」」
まずは自分で焼いたピザからだよね。
ん!! チーズの伸び具合最高!!そして、この味ですよ……。これこそが私の求めていた味!!
トマトベースプラス上にミニトマトを載せてることで食感、味、酸味を感じられ、それをチーズがまろやかに包んでくれる。そして、数々の野菜とカリッと仕上がった生地……。美味すぎる。
お母さんやサリアは私同様にチーズの伸びで感動したあとに 「んん!! んいひい!!」 と瞳孔を開きながら味をかみめていた。
次回はカリカリではなくてモチモチピザも作ってもいいかも!! 野菜も変えたり、マルゲリータみたいにトマトとモッツァレラチーズの味を楽しんだり、シーフードにしたり……。可能性が無限大だ!!
私が一枚目のピザを食べ進めると、ついに耳の部分を食べる時がやってきた。今回は刻んだソーセージを包んだから、最後までしっかりと味が濃くなっている。一度でいいからやってみたかったんだよね。お父さんはソーセージパンが好きだから、絶対に気に入るかも!!
パクっ。ん!! サックサクの生地にトマトソース、ソーセージの味がベストマッチ!! 美味すぎる!! こんなの辞められないよ。
その後はお互いのピザを食べ感想を言いながら幸せな時間を過ごした。お父さんにピザを残さないとな。と思い出したのは、最後の一枚目でのこと。我慢できるわけなく食べてしまった。また作るから大丈夫だよね。それに、お父さんも一緒にピザを作ってこの感動を味わって欲しいしね。
「「ごちそうさまでした!!」」
「本当に美味しかった。最近は、本当に驚かされる食事ばかりだわ。」
「今回のピザ以外にも、色んな種類があるんだよ。上の具材が違ったり、生地がモチっとしたりとか。これからのピザ生活が楽しみだね!!」
「!! 明日また作っちゃう? そしたら、お父さんの分も残せるし。」
「ディーロには、作るところから楽しんで欲しいから、それまでは我慢してもらいましょう。その間は私たちが美味しくピザを頂きましょうか。」
「「賛成!!」」
そうして、次の日もピザを食べることが決定した。私たちのピザを食べる姿を見ていた紗夜ちゃんは嬉しそうな悲しそうな感じだった。いつか一緒に食べられるようになるといいな。
ドキドキ感が全くない!!
そもそも、コンセプトが当たり前の日常を。みたいな感じで、成長してしまったが故に味わえなくなってしまったという感情を少しでも思い出せたらな。なのでしょうがないと言えばしょうがないのですが……。
この小説とともに私自身成長していきます!!
頑張るぞ!!