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第115話 オリジナルピザ完成まじか?!

 私たちは家の中に戻ると、紗夜ちゃんがピザに必要な材料を出してくれた。


 しかも、ピザソースなどと、自分達で作るのではなく紗夜ちゃんオリジナルソースをご用意してくれている。


 紗夜ちゃんオリジナルソース……。


 楽しみすぎてヤバい!!


 紗夜ちゃんからは「豪快に使ってくれ!!」と言われてある。


 そんなに使って無くならないのか? と聞いたが、毎日作っても1000年分はあるとの事……。


 どんだけピザ好きなんだよ。


 今度美味しく作れる秘密とか聞いちゃおっと。


 「ピザ生地をこねてたら手から離れなくなっちゃったよ。お姉ちゃん、本当にあってるの?」


 「安心して、最初は手についちゃうけど、捏ねていればそのうち手につかなくなってくるから。まだ手に付いている内はこねが甘いって証拠だよ。」


 「えー。こんなにべっとりついてるから、絶対に取れないって。ね。お母さん。」


 「そうね。でも、作ったことがあるアリアが言うのだから、信じてみましょう。」


 「はーい。」


 そうして、サリアは生地をこね続けた。


 最初はあってるの? と心配そうなサリアだったが、次第に手から生地が離れていって今では自信満々な表情をしている。


 後で、私の方が上手でしょ!! とか自慢してきそうだな。


 それまでに私の方ももっとこねたりして、いい感じにしとかないと!!


 私たちは黙々と生地をこね続けだいぶ良くなってきた所で、紗夜ちゃんから合図が入った。


 「よし。みんないい具合の生地だ。本当なら二時間発酵するのだが、ここは私の魔法でやらせてもらうよ。」


 「発酵?」


 「そう、発酵。生地の糖分が分解されてガスが発生するんだけど、そのガスのおかげでパンやピザが膨らむようになるんだよ。だから、この工程は欠かせない大切な時間なんだよ。」


 「そうなんだ!! だからパンはふわっふわで美味しいんだね!!」


 そうして紗夜ちゃんが私たちの生地に魔法をかけると、生地の大きさが一気に倍に膨れ上がった。


 少しづつだと大きさの変化にあまり気が付かないが、一気に変化すると相当迫力があるな。


 それにしても紗夜ちゃん、この時間経過魔法絶対にピザ作りのために覚えたよね。


 ピザ好きすぎなんだから!!


 サリアとお母さんは、自分たちがねった生地が大きくなって「おお!!」とつい声を漏らしていた。


 「お姉ちゃんすごいよ!! こんなんだったのが、こんなに大きくなっちゃった!!」


 「これがピザ作りの醍醐味だよ。」


 「ピザすごい!!」


 サリアが胸元で元々の生地の大きさを手で表してくれる。


 わんちゃんが近くにいたら顔を埋めてくれるぐらいの大きさだ。


 「あら、生地もなんだから柔らかくなってるように感じるわ。」


 「私も触る!! 柔らかい。お肌みたいだね」


 サリアとお母さんがピザ生地をつつんとつつきながら楽しんでいるので私もつい真似をしてみたが、ここまで柔らかくなる!? と思うぐらい柔らかかった。


 「よし。次はめん棒を持って生地をら伸ばしていくよ!!」


 「「綿棒?」」


 サリアとお母さんは頭を傾げて頭の上にクエッションマークを出現させた。


 家で、めんぼう。と言うと耳掃除に、使う綿棒を渡されるだろう。


 そもそも、うちには料理で使うめん棒はなかったはず。


 「そんなに小さいもので伸ばすなんて……。」


 「お姉ちゃん、紗夜ちゃん。もっといいもの絶対にあるよ。」


 サリアは謎めいた顔で私たちのことを見てくる。


 その瞬間、紗夜ちゃんと空間魔法から料理に使うめん棒が出現する。


 「これが料理で使うめん棒だよ。」


 「「めん棒?!」」


 「これじゃあ、耳掃除できないね!! 同じ名前でと間違えちゃうよ。」


 「私も少し驚いたわ!!」


 サリアは少し笑いながら発言した。


 その後私たちは、紗夜ちゃんが出してくれた机の上に打ち粉をまぶし、のびのびタイムを開始した。


 「!! このめん棒で伸ばすとすごい伸びるよ!! 見てみて!! もうこんなに大きくなっちゃったよ。」


 「ほんと便利な道具ね。何かほかに使う料理が無いか今度料理本を見て研究しないとだわ!! 紗夜さん一本貰っても大丈夫でしょうか?」


 「もちろん。なんて言ったってあと50本近くあるんだから。」


 「……。」


 いやいやいや、めん棒で戦うんじゃないんだから、そんなに予備はいらないよ。


 そうツッコミたくなったが、サリアとお母さんから冷ややかな目で見られると思い発言はしなかった。


 そんな感じで話をしていると、みんなピザの生地伸ばしが完成し、紗夜ちゃんお手製のピザソースを乗せた。


 「ここからは、用意した具材を自由にピザソースの上に乗せていいからね。一人一人違うピザが作れるってところがピザ作りのいい所だから。シンプルにソースとチーズの味を楽しめるのもいいし、いっぱい具材を置いて、食感、色んな味を楽しむのもよし。ピザには無限の可能性を秘めているんだよ!!」


 「絶対に美味しいピザ作るよ!! みんなも美味しいの作ってね!!」


 「「もちろん!!」」


 それにしても今回はどうしよっかな?


 私だけが色んなピザの種類を知っているわけだし、それに寄せることもできるが、今回は我が道を行ってみよっかな。


 ミニトマトに玉ねぎ、ピーマン。


 いや、ミニトマトは、チーズの上にトッピングしてミニトマトの串刺しみたいにした方がいっか。


 私たちは自分オリジナルピザを迷い迷いの手で作っていき完成させた。


 「!!  なんかお姉ちゃんのピザのはじがすごいそこになってる!!」


 「これはね、ピザ生地の端にソーセージを入れたんだよ。世界に一枚だけのピザだからこういう遊びがあってもいいかなって思ってね。」


 「!! ピザはみんなでシェアしようね。絶対だよ」


 「「はーい。」」


 「出来たらチーズを乗せちゃってね」


 「「わかった!!」」


 そうして、私たちはチーズをピザに乗せる。


 おっとこの時にミニトマトを忘れずにね!!


 私がミニトマトを載せると二人とも「その手があったか!!」と驚いた顔をしていた。


 ピザを食べたら美味しさのあまりどれぐらい驚くかが楽しみだ。



 「せーの」


 「「完成!!」」


 「やったー!!」と喜んで手を挙げたサリアだったが、手に着いた水っけが飛ぶからやめなさい!! とお母さんに注意されていた。


 危ない。


 私もサリアを見て、手を上げる準備をしていたよ。


 私たちはピザ生地を作り終わった私たちは、ピザ生地を収納魔法にしまい先程裏庭にやってきた。


 裏庭に着くと紗夜ちゃんが机とピザピール(ピザ窯に入れる時に使う棒状のもの)を出してくれたので、私たちはピザをピザピールの上に乗せて準備万端だ。


 「あっ。ピザ窯で火を焚くの忘れてた!!」


 「「あっ。」」


 私たちは急いで1段目の空間に紗夜ちゃんが出してくれた木の枝などを入れ、火をともす。


 この時にともす火は紗夜ちゃんがやってくれた。


 なんと言っても、魔法を覚えたての私とサリアの威力が強くてせっかく作った釜を壊してしまうかも。との事だ。


ちゃんと加減できるのに。


 「よし。それでは行くぞ!! ピザ窯に入れたら、ピザピールからピザを取り出して焼くんだ。この時少し難しいから注意して。あとは二分ぐらい待ったら完成だな」


 「「はーい!!」」


 「どうする? 順番で入れる?それとも、一緒にいれる? どうする? どうする?」


 「そうね。一緒に感動を味わいたいから、一緒に入れるのはどう?」


 「それがいいと思うわ。」


 「せーので入れるよ!!」


 私たちはピザピールを持って自分で作ったピザ窯に入れる準備をする。


 ピザ窯はあまり高さがないので少し腰を低くして入れる体勢だが、本来は私が想像しているドーム型用なのでは?とふと思ってしまった。


 手で入れてやけどするよりかはいっか。


 サリアはみんなが準備万端なのを確認して合図を出してくれる。


 「せーの。」


 ん?


 紗夜ちゃんが言ってた通りピザピールからピザを取り出すの意外に難しいぞ。


 勢いが足りないのかな?


 でも、勢いが強すぎると、上の具材が散りそうだし……。


 「紗夜ちゃん離れないんだけど。」


 「急いでシュッとピザピールからピザを離すんだよ。私も最初は難しくてね、なかなかできなかったんだよ。何度も挑戦して」


 「出来た!!」


 「あっ。良かったね」


 「うん!!」


 私ができてみんなの様子を見るとみんな苦戦しているみたいだった。


 「手伝おうか?」


 「大丈夫よ。」


 「大丈夫!! 完成まで頑張りたいから!!」


 「頑張って!!」


 「あっ見て!! ピザ窯膨らんで来たよ!! すごい!! 発酵でも膨らんでこっちでも膨らんで、膨らみ料理だね。」


 「作るのも楽しい料理はいいわね。またみんなで作りましょう。」


 「ね!!」


 「あっ。出来た!!」


 「!! 私もできたわ。」


 「良かった。」


 ピザピールからピザを取り出せたサリアとお母さんは安心したような顔をして、「ふぅー。」と一息ついた。


 そんな一息をついているうちもピザはできてきていて、上のチーズが溶けて僅かに泡立っていた。


 「ピザが焼けていくのを見てるだけで楽しいよ。」


 「そうね。ピザが徐々に変化していくの楽しいわね。」


 「よし。もうOKかな。とりあえず、さっきの机にお皿を出したから、そこに乗せちゃおっか」


 「「はーい」」


 私たちはまた苦戦しながらピザを取り出し、お皿にピザを載せた。


 以外だったのはお母さんが1番苦戦していたことだ。


 自分がいちばん遅かったことに対して小さな声で、「こっそり練習しとかないと。」と言っていた。


 こっちも秘密の練習をしてお母さんを驚かせるぞ!!


 「紗夜ちゃんこれで完成だよね。」


 「うん。」


 「せーの」


 「「完成!!」」


 「すごいいい匂いするよ。早く家に入って食べよう。」


 「そうね。食べましょう。」


 「家に着いたら、ピザカッターを出すからやっててね。」


 「ピザの料理器具って沢山あるのね。すごいわ」

 「ね!!」



 私たちは急いで火を消してピザを持ってリビングに向かったのであった。

 私たちはピザがどんな料理か知っているので、ある程度形が似たり寄ったりしてしまいますが、ピザを知らない二人が作るピザがどんな形になったのか見てみたいですね。


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 毎週金、土曜日に投稿中!!

 時間は22時〜24時ぐらいです。

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