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第114話 ピザ窯作り、それは気持ちから入るものだ

 私とサリアは自室に戻って汚れてもいい服に着替えて裏庭にやってきた。


 それにしても汚れてもいい服装って難しいよね……。


 私はタンスの中を開けたが、汚れひとつない服がずっしり入っていて、どうしよう? と迷った結果アリアに借りた。


 そもそも、引きこもりで家から一歩も出ない生活を送っていたんだからしょうがないよね。


 借りた服が私よサイズに合えば全然良かったんだけど……。


 その借りた服だが、身長が私の方が大きいのに、サイズ感がちょうどいい……。


 サリアは胸が大きいから大きいサイズを買ってるんだよね……。


 私は胸がないから……。


 私に貸してくれたサリアはニコニコしながら「お姉ちゃんが、私の服を!!」って喜んでたし……。


 とりあえず、今日はこの格好で行くけど、今度ジャージ的なものを買ってもらおう。


 裏庭にいたお母さんは、ピザ窯がどんな形なのか分からなくて紗夜ちゃんに聞いていたが、聞いてもわかっておらず、頭の上に何個もクエッションマークが浮かんでいた。


 あれを説明だけで理解するのは難しいからね……。


 「よし。みんな揃ったから、ここのブロックを並べて、自分が作る釜の大きさを決めるのが初めにすることかな。大きさが決まったら、その上にこっちの赤いレンガを乗せる。この基盤は正方形になるように心がけて。ピザ窯作りはもう始まっている。この素材を見た瞬間から……。いや、二人の場合は着替えに行ったその瞬間から。ピザ窯づくりは思いを込めて作るものなのだよ。続きの工程はまた後ほど伝えるからまずそこまでやってくれる?」


 「「はーい。」」


 紗夜ちゃんはいつもと違い、すごく興奮した感じで教えてくれた。


 それにしても、どれぐらいの大き差を作るかだよね。


 なるべく大きめに作っとかないと、上手く半丸にできなさそうだし、サリアよりも凄いのできなさそうだからな。


 やっぱり姉として、「お姉ちゃん。凄い!!」って言われたいもん。


 私はどれぐらいの大きさにするか少し遠くから想像して考えていたが、お母さんとサリアは黙々とブロックを積み始めた。


 出遅れてるな。急がないと!!


 私は慌ててブロックを積み始めた。


 「そうだな。サリアぐらいの大きさが一番いいかな。デカすぎると、暖かくなるのに時間がかかるし、設置スペースも大きくなるからな。収納魔法でしまえるとしても、一応そこも考えた方がほさそうだな。」


 「そうなのね。もう少しだけ小さくしてみますわ。」


 「やっぱり私のサイズがちょうど良かったんだ!!」


 「紗夜ちゃんそのサイズで大丈夫?ドーム型にするのには少し大変じゃない?」


 「今回はドーム型ではなくて、簡易型にする予定だ。もちろんドーム型に憧れるのはわかる。ピザ窯といえば。という象徴的なものだからな。初心者が作るとなれば今回作るものが最適だからこっちにしたんだよ。後で収納魔法でドーム型も出しておくから安心して。」


 「はーい。」


 自分で作ってみたかったが、今回はみんなもいるからしょうがないよね。


 それに、ドーム型にするところ難しそうだし。


 私はどんなピザにしようか考えながらブロックを積み、その上に土台となるレンガを乗せ第一弾が終了した。


 私が終わることにはお母さんとサリアはもう終わっていた。


 なんだか今日は二人ともやる気みたい。


 負けてられないぞ!!



 「次は、周りをレンガで囲んで少し高くなってきたら細長く薄いこのレンガを入れてまた周りをつむ感じ。そこまで終わったら、また細いレンガを引いて完成って感じだな。最初の細いレンガは二枚目よりも小さくなっているが、これは後ろが空くようにだから間違えないでね。後ろから熱を伝道させる感じだ。とりあえず、やってみよう。」


 「「おー!!」」


 そこから私たちは紗夜ちゃんの指示に従い徐々にコンパクトなピザ窯が完成した。


 うん。豆腐型!!


 某ゲームの家みたいだね……。


 最初の想像とはかけ離れていたが、作りながら愛着が湧き、今では早くこのピザ窯てピザを焼きたくてしょうがない。


 早くピザ生地などを作って焼くぞ!!


 「お姉ちゃんなんか可愛いね。こんなに可愛いピザ窯が美味しいものを作ってくれるなんて考えただけで、ヨダレが出ちゃうよ。しかも、それを私たち、自分の手で作ったんだよ。感激だよ!!」


 「そうね。こんなにも簡単で作れるなんて思ってもいなかったわ。あとは、どれぐらい美味しいかだね。」


 「みんな期待してていいからね。ピザはチーズがトローっととろけてたくさんの具材を包み込んでくれる最強の食べ物。ここまで聞くと、具材とチーズのマッチが最高なのだろう。ということはわかると思うが、肝心なのは生地。生地でどれぐらい成功するかによってピザの完成度が決まると言っても過言では無い。みんな頑張るよ!!」


 「お姉ちゃんがそこまで言うからお腹すいてきちゃったよ。早く家に入って生地とか作ろうよ。」


 「そうね。動いたからお腹も空いてきたわ。早くやりましょうか。とりあえず次はキッチンでいいのかしら?」


 「そうだな、キッチンでピザ生地作りだな。」


 「頑張るぞ!!」


 「「おー!!」」


 私たちはピザ窯を置いて再度家に戻る。


 よし、これからピザ生地づくりだ。


 この三人の中で作ったことがあるのは私だけ……。


 本気を出させてもらおうか!!

 小さい頃からたまに家でピザを作るのですけど、いつ作っても楽しいし、完成がすごい楽しみなんですよね。

 次はこうしよう。こうやると良さそうだな。みたいな感じがたまらなく好きですね。こんな日常が一生続いて欲しいな。


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 時間は22時〜24時ぐらいです。

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