第106話 ついにプリンアラモード食す!!
私は自宅に帰ると真っ先に自室に行き、旅の時の楽しめるアイテムのアイデアを考える。
「うーん。」
「旅が楽しいもの」 と、思い込んでいたので、どうすればいいのかすごい迷っている。
サリアも飽きてきているが、私の正直飽きてきている。
私の理想では、ふつかに一回のペースで新たな街等が見つかり、楽しく観光できるのでは?! と思っていた。
はぁ。なにか旅が楽しめるアイデアないかな?
私が悩んでいると、紗夜ちゃんが私の目の前に姿を表した。
「そんなに悩むことではないと思うけど。」
「だって、少しでも楽しい思い出にしたいじゃん。」
「それは分かるけど、馬車に乗っている間だと、周囲の確認や警戒心を持ちながら、乗馬しないとないかあった時に対応が遅れるからね。アリア達は魔力が多いし、魔法の種類も沢山あるから困っていないみたいだけど、一般的な子達は魔物が現れないか。盗賊が出てこないか。ドキドキしながら旅をしているんだよ。それがいい思い出になったりするんだけどね。」
「そっか……。私とサリアにとってもう魔法が当たり前、身近になりすぎたんだね。嬉しいような。悲しいような……。」
「そうだね。魔法に憧れてるが故にあの感情が芽生えるなどもあるから、こればっかりは仕方の無いことだよ。」
「うん。」
アリア達はお父さんが帰ってくるまで二人で話し合った。
結局あまり魔法を使わずに旅をする方向にすることになった。
もしも危険が発生した場合は紗夜が知らせアリ達が魔法を使用するという制限付きで。
エルフは魔力感知も備わっているので、紗夜が魔法でその感覚も無くし旅をすることに。
私はお父さんが帰ってきたので、みんなが集まっているリビングに向かった。
「お父さんおかえり。」
「ただいま。二人から聞いたけど、今日は大変だったな。」
「……。何かあったっけ?」
「里中で力がバレたって」
「ああ。うん。大変だったけど、紗夜ちゃんがどうにかしてくれたから、安心だよ。」
「そっか。ありがとうございます。」
「うん。」
ディーロは、天井に向けて手を合わせて紗夜に感謝を伝えると、紗夜は姿を消したままお礼を受けた。
「お風呂湧いたから、入ってきなさい。今日はみんなで食後のデザート作ったから、早くお風呂上がってきてね。」
「そうだよ!! プリン!! 忘れてた!!」
「プリン?」
「すっごい美味しそうなデザートだよ!! お父さん早く入ってきて!! 楽しみすぎて早くご飯が食べたいよ。」
「分かった、分かった。」
慌ててお風呂に入っていくお父さんを私たちは笑顔で送った。
それにしても、サリアもプリンを思い出して元気になってくれてるし、明日の旅も大丈夫そうかも。
少し考え過ぎたかもな。
その後、私達もお風呂に入りお母さんが作ってくれたご飯を食べ、いざプリンアラモード実食だ!!
「二人は座ってて。私とお姉ちゃんで飾り付けして持ってくるから。」
「慌てちゃダメよ。」
「わかってるよ。」
「どんな形なのかも分からないから楽しみだな。」
「私たちも味見してないからすごい楽しみなのよ。」
「そうか!! 一緒に初めての味を味わえるのはいいね。」
ディーロは初めてのプリンということでテンションが上がり少しだけ声のトーンが大きくなる。
その声を聞きながらアリアとサリアは冷蔵庫に入っているプリンをワイングラスのようなお皿に乗せフルーツ、生クリームをトッピングしてリビングに持っていった。
やばい、見た目だけで美味しい。
そして、可愛い。
なんて最高なデザートなんだろう。
プリンじゃなくてプリンアラモードにして正解だったな。
カメラがあったら写真を撮りたい程だよ!!
「お待たせしました。」
「しました」
「これがプリン!! 生クリームも乗ってるじゃないか!!」
「美味しそうだったプリンが、こんなにも輝かしいものになるのね!! 宝石でも見てる気分だわ。」
「早く食べるよ。せーの」
「「いただきます!!」」
私はスプーンを持ってプリンが入っているコップの中に入れていく。
最初少し抵抗しているがすぐに入っていき、カラメルソースまで到着。
カラメルソースをしっかりとプリンに絡めてからプリンを食べる。
!!
うますぎる!!
今までは、コンビニやスーパーで買ったプリンしか食べたことがなかったが、自家製のプリンも最高。
作るのに時間をかけたし、結構大変だったからこそ、より美味しく感じているのかもしれない。
今度はカラメルソース無しで食べてみるが、卵の味と甘み等がしっかりと出ていてすごい美味しい。
一回作ると止まらなくなりそう。てか、もう次のこと考えちゃってるよ。
ここまでなら、プリンの感想だ。
しかし、今回はプリンアラモード!!
プリンとフルーツ、生クリームの組み合わせによって何倍も美味しく感じるし、何種類もの美味しさを味わえる……。
これは、最高のデザートだね。
私は幸せにしたっていながらみんなの顔を見ると、すごい幸せそうな顔でプリンアラモードを食べ進めていた。
良かった。
満足してくれて。
やっぱり美味しいものはみんなで食べた方が美味しいし、嬉しさも倍増。
作って良かった。
私は心の底からそう思いながら、プリンアラモードの続きを夢中で食べ進めた。
「はぁ。美味しかった。もっと食べたい欲がすごいな。」
「これは頑張ったご褒美だから一個までなんだよ。それに作るのも大変だし。」
「!! お姉ちゃんこれから私がすごく頑張った時毎回プリン作ってよ。」
「プリンでいいの? 今回のフルーツや、生クリーム付きはプリンアラモードだけど?」
「プリンアラモードがいい!!」
「ご褒美だから、一人一個だけど大丈夫?」
「うん!! ご褒美だから、いっぱい食べない方が特別感あっていいかも!! 楽しみだな。」
「そうね。次に食べられるのはいつかしら?」
「来週までには一回食べたいな。」
「それはサリアの頑張り次第だね。」
「みんな私頑張るからね!!」
「「頑張れ!!」」
アリア達は、リビングで、今後の予定や、ディーロが街を出る時の様子等を聞いていたら就寝時間になったので、各自自室に戻り就寝した。
そろそろ旅でどこかつかないかな?
アリア(主人公)
サリア(妹)
ウサ(母)
ディーロ(父)
紗夜ちゃん(アリアと友達?)
いつもならあっという間に終わってしまう1ヶ月が、なんだか長いように感じました。お正月が入っているからかな?と思いながら振り返ると、お正月以外に色々と濃い事が多かったからです。
こんな感じで、今年はゆっくり進みながら楽しみたいな。
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