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第105話 プリンから目線をずらせ!!

 「「ごちそうさまでした!!」」


 「美味しかったわね。」


 「ね!! これなら簡単だから何時でも作れそうだよ!!」


 山のようにあった焼きおにぎりは全て平らげてアリア達はお腹をさする。


 ふぅー。さすがに食べすぎたかな?


 焼きおにぎりに夢中になりすぎてすっかりプリンのことを忘れてしまったが、これぐらいがちょうどいいのだろう。


 「二人はゆっくりしてて、私が洗い物やっとくから。」


 「「ありがとう!!」」


 そうしてウサが食器をキッチンに持っていくと、台所で悲鳴が部屋に響き渡る。


 恐る恐るアリアとサリアがキッチンにいるウサに近づくと、ウサの目の前には先程作っていたプリンが置かれていた。


 「お母さんどうしたの?!」


 「キッチンにはアレがあったのすっかり忘れていたのよ!!」


 「プリン!! これは大ダメージだね。」


 「あっ!! 忘れてた!! すっかり焼きおにぎりで満足して忘れてたよ。確かにアレを見たら食べたくてしょうがないよね。おなかいっぱいでも、プリンは入りそうだし、見ちゃうと目が離せなくなっちゃうよね。」


 「そうなのよ!! 見ないように頑張るわ!!」


 「「お母さん頑張って!!」」


 ウサが洗い物をしている間アリアとサリアは料理本を机に広げて座りながら次回作成する料理を選んでいる。


 時々台所にいるお母さんから、「うっ。」などといった苦しそうな声が聞こえてつい「プリン食べちゃう?」と言いそうになったがしっかり我慢した。


 もう少しで粗熱が取れると思うからまっててね!!


 そこから時間が経ったあと、アリア達は台所に向かおうとする。


 その時、サリアとウサは渋い顔をしながら台所に向かう。


 それほど、プリンを見るのが苦しいのだろう。


 「よし。いい感じだから、冷蔵庫で冷やして完成だね!!」


 「もうキッチンに行っても見なくてもいいんだね!! 良かった。」


 「そうね。プリンの味を知ってしまったらどうなってしまうのかしら?」


 「ホントだよ!! まだ食べたことがないけど、恐ろしい食べ物だよね。」


 「ね!!」


 「……。」


 冷蔵庫にプリンを入れてリビングに戻ると同時に紗夜がいつも通り何も無い空間からひょっこりと現れる。


 よし、これからミニ旅だ!!


 アリアとサリアは自室に戻り着替えた後にリビングにやってくる。


 ウサは二人が起きる前に着替えていたので問題ない。


 「おまたせ!!」


 「おまたせ!!」


 「よし。では行こうか。」


 「「はーい。」」


 いつも通り紗夜が転移魔法の詠唱後に術が発動し、アリア一向は前回の休止点に転移される。


 転移された場所は相変わらず何も無く、どこまでも野ばらが広がっていて、村などあるのか? と感じるほどだ。


 私は、転移した先に冒険者や商人がいるかもしれないと不安がっていたが、予め紗夜ちゃんが確認してくれたみたい。


 さすが!!


 あっ。馬車の準備もしないとね!!


 アリアとサリアは契約魔法から相棒のマウとユンを召喚し、馬の頭を撫でながら「よろしくね」と言う。


 それに答えるように二頭の馬は「ヒヒン」と声を荒らげて返事をする。


 よし。


 準備完了!!


 あとはお母さんが出してくれる馬車(荷台)にマウとユンを繋げて完成だね!!


 今日こそ村や街を見つけるぞ!!


「お姉ちゃん。お姉ちゃん。あれ忘れてるよ!!」


「ん?」


「人参!! お馬さん大好きなんでしょ?」


「そうだった!! これ食べたら、元気100倍のはず。頑張ってね。」


 アリアとサリアは各自収納魔法から人参を出すと相棒の馬の口元まで持っていき、人参を食べさす。


 人参を人かじりした馬は、今までにないぐらいの勢い。


 そして、食べ終わったあと喜びの声を上げた。


 本当は2本目をあげたいんだけどサリアから、人参しか食べなくなって少し傲慢になるからって言われたんだよね……。


 なんでこういう時だけ大人びてるんだか……。


 アリアはそう考えながら相棒のマウを馬車の手綱に引っ掛ける。


 その横ではアリアの顔をチラチラとみながらサリアも同じように手綱を引っ掛けている。


 「旅の終わりにも人参あげるから頑張ってね」


 「「ヒヒーン!!」」


 「お姉ちゃん大正解だったね!! これでいつも以上に頑張ってくれるよ!!」


 「最初はあまり感じていなかったけど、だんだん愛着が湧いてきたね。今ではすっかり虜だよ。」


 「ね!! すごい可愛いから、ついあげたくなっちゃうけど我慢だよ!!」


 「はーい。」


 手綱もOK!!


 後ろにお母さんと紗夜ちゃんも乗った。


 よし。


 出発!!


 こんなに楽しそうに準備をし、張り切っていた二人だったが、時間が経つにサリアは目の前を見ることなくアリアだけを見て話すことに夢中になってくる。


 相棒のユンは手綱を信じるのではなく、同じ馬であるマウとアイコンタクトを取りながら進んでいるようだ。


 これ絶対サリア飽きてきてるよね……。


 「それでね!! お姉ちゃんはどう思う?」


 「それもいいんだけど、少し飽きてきてない?」


 「!! そんなことないよ。お姉ちゃんと話すのすごい楽しみよ。」


 「もちろん。それも馬車の醍醐味だと思うけど、さっきから表面をあまり見ないで私ばっかり見てるでしょ。」


 「だって、ずっと同じ景色なんだもん。すぐに街? みたいな集落に行けるかな? って楽しみにしてたのに。全くないんだから!!」


 「旅は楽しいものだけではないのよ。」


 「お母さん。想像したものは何かしらハプニングが起きて楽しいはずだったんだもん」


 「サリア。この時間があるからこそ、街や村などに着いた時が嬉しいし、楽しもうって感じるのよ。これはダンジョンでも同じで、同じような道をずっと進んで精神的攻撃をされるからこそ、宝箱を見つけた時の嬉しさは倍増し、また行こうって考えになるんじゃないかしら。それのお勉強みたいなものね。どうしても嫌だったら、アリアと私と紗夜さんで旅の続きをするよ。」


 「分かったよ。旅続けるよ。早く村や街を見つけてその達成感を味わいたいな。」


 サリアは少し不機嫌そうな顔でウサに対して返事を返した。


 私も正直いえばこの何も無い風景に飽きてきている。


 疑似体験では、体験すことの無い素晴らしい景色!! と思っていたが、この景色がずっと続いてしまうと飽きてしまう。


 そう、慣れの怖さ。を味わったのだ。その慣れのせいで今まで感じていた幸せが当たり前になり何も感じなくなっていく……。


 私もサリアのこと強く言えないな。


 そう思いながら、旅は続き気づくと終了時間になって自宅に戻った。

アリア(主人公)

サリア(妹)

ウサ(母)

紗夜ちゃん(アリアと友達?)


今回から少し書き方を変えました!!

今までは全て主人公であるアリア目線で書いてましたが、色んな小説を読んでいて気づきました。第三者目線の情景を書かなくては?!

今頃!! って思いますよね……。

私も思ってます。

これからの進化に期待しててくださいね!!

ということでまた一話書き直します。来月から忙しくなるのでストックを作らないと行けないので、書き直しがあまり手付かずになります……。

色々と頑張ります!!

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