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第104話 興味漂う焼きおにぎり

 私は出来上がった焼きおにぎりをフォークで三等分にする。


 今回味見するのは魚が入っていない方だ。


 魚が入っていると三等分にするのが難しいのでこっちになった。


 ちゃんと美味しいか楽しみだな。


 「よし、それじゃあ食べるよ。」


 「「うん!!」」


 「「いただきます!!」」


 私はドキドキしながら焼きおにぎりを口に入れていく。


 ん!!


 美味しい!!


 口元に持っていくと、醤油の焦げた香ばしい香りが漂ってきて一口噛めば口いっぱいに美味しさが広がる。


 中は白米なので、だんだん噛んでいると少しづつ白米の味が強くなるがこれはこれで全然あり。


 中に魚が入っている方は、白米感が強くなったところにちょうど良さそうだ。


 いいね!!


 「初焼きおにぎりどう?」


 「おいひい!!」


 「ん!! これは絶品ね!!」


 サリアはまだ口の中に焼きおにぎりが入っていながら返答してくれた。


 焼きおにぎりはもちろん温かいうちに食べると美味しいのだが、冷めてもいけるのだ。


 おにぎりはどれも冷めても美味しく食べられることを考えられているので本当に素晴らしいと思う。


 収納魔法が使えない人族から重宝される意味がわかるね。


 本当になんで人族にしか伝わらないのかな?


 私が少し謎に思っていると、口の中の焼きおにぎりか無くなったサリアが話しかけてくる。


 「後の焼きおにぎりも早く作っちゃってご飯にしようよ。もうお腹ぺこぺこだよ。それに、リビングでご飯を食べていたらプリン見ないで済むからね。おなかいっぱいの時にまた見るけど、その時は今よりもへっちゃらになってると思うから。いい?」


 「それはいい考えね。おにぎりの続きやっちゃうわ。タイマー的にももう少しで第一段階のプリンが出来上がるからそっちは二人でお願いね。」


 「はーい。」


 「お母さんずるいよ!! 私が作業したら食べたくて少し味見しちゃうかもしれないじゃん!! 変わってよ。お願い!!」


 「これはサリアでも変わってあげられないわ。自分の理性を守るためだもの。みんなと食べる時にあたしだけないのは悲しいからね。そうならないように我慢するのよ。」


 「えー。余分にもう一個作っとけばよかったね。味見用として。」


 「ね!!」


 「でも、食べるのは冷えてからだよ。」


 「「忘れてた!!」」


 お母さんが焼きおにぎりを作っているとプリンのアラームがなった。


 「お姉ちゃん鳴ったよ!! 開けていい?」


 「もちろん。暑いから、鍋つかみ使ってね。」


 「わかってるよ。ちょっとまっててね。」


 そう言ってサリアはエプロンの近くにある鍋つかみを持ってくる。


 もちろんカエルがモチーフにされているものだ。


 親指が入るスペースが離れていてパクパクとなる鍋つかみなので、カエルの口がパクパクとなっている……。


 やっぱりそこまで可愛くないよね。


 唯一の救いは絵本に出てきそうなカエルってことだろうか。


 実物のような感じだと、食欲が失せるからね。


 サリアが鍋の蓋を取るとプリンが見えると同時にいい香りがする。


 隣で焼きおにぎり作っているお母さんもこっちの様子が気になって覗いてきた。


 「いい感じだね。とりあえず、鍋から出しちゃおっか。滑らないように気をつけてね。」


 「はーい。それにしても、すごいいい香りだしお腹がすいてきたよ。これを我慢するのは至難の業だね。」


 「隣で作業してても我慢するのが大変なんだからサリアはすごいわ。頑張って」


 「頑張る!!」


 そうして、サリアが一つ一つ丁寧にプリンを鍋から取り出して料理台の上に置いてくれる。


 全て起き終わったら、「ふぅー」と息を吹いていたのでそれほど集中してくれてたのだろう。


 「よし、完成!! あとは待つだけだね!!」


 「まだこっちは終わってないから、二人はゆっくりしててね。」


 「えー。ゆっくりしてたらプリン食べたくなっちゃうよ。ここまでいい香りがするなんて思ってなかったから我慢出来る!! って言ったけど、結構限界。」


 「こっちは醤油の匂いがあるから大丈夫だわ。こっちに来る?」


 「うん!!」


 サリアはプリンの前からお母さんの隣に行って食べたそうに焼きおにぎりを見ている。


 私はその間にササッと洗い物をして、ちょうど終わるごろにお母さんの焼きおにぎり作成が全て完成した。


 「せーの。」


 「「完成!!」」


 「早く持って行って食べよう。お腹ぺこぺこだよ。」


 「そうね、早く食べましょう。こっちの右側にあるのが魚入り、左側がお米のみになってるから気をつけてね。」


 「「はーい。」」


 家でいちばん大きな細長いお皿に焼きおにぎりかたんまりと乗せられている。


 これだけあればプリンを食べる余裕すらないだろう。


 サリアはお皿を持ってリビングに向かったので、私とお母さんでお茶の準備やらやった。


 それにしてもプリン食べたいな。


 プリン食べたい!! って言うと、サリアがこっそり「食べちゃう?」とか言い出して歯止めが効かなくなるから言わなかったけど、すごく食べたい!!


 空腹の時あれは反則だよ。


 よし、焼きおにぎり食べるぞ!!


 私たちはリビングのテーブル席に座って手を合わせる。


 「「いただきます!!」」


 まずは魚入り焼きおにぎりからだ。


 私は焼きおにぎりを持ってパクリと食べるが、魚の部分にはたどり着かなかった。おにぎりあるあるだよね。


 最初の一口は辿り着かず、最後の一口が具材が沢山の贅沢食い。


 そうしてもう一口食べると今度はしっかりと焼き魚が口の中に入ってきた。


 ん!!


 美味しい!!


 やっぱり焼きおにぎりとの相性抜群!!


 いつも焼き魚とご飯を一緒に食べるので、それに似てるかな? と思っていたがだいぶ違う。


 焼きおにぎりにすることによって焼き醤油の香ばしい香りや、パリパリ感などといった焼きおにぎり特有の味わいがすごい出ていて美味しい。


 「みんな、どう?」


 「美味しい!! 魚入りを食べたんだけどね。相性抜群だよ!! やっぱり魚は醤油だよね。」


 「醤油をつけただけだとここまでの味は出せないわ。しっかりと焼いているからより美味しくなるんだよ。」


 「確かに!! 香ばしい香りが食欲をそそるからね。」


 「今度は鶏五目とか作ってみたいな。私の一番好きなおにぎり料理だから」


 「それは楽しみね!! なんてったってアリアが1番好きはおにぎり料理なんだから、想像以上の美味しさなんでしょうね。」


 「絶対そうだよ!! どんな見た目か分からないけど、その言葉を聞くだけでお腹がすいてきちゃう。焼きおにぎり沢山食べちゃおっと!!」


 「そうね。沢山食べないと無くなっちゃうものね。」


 そうして、私たちは無我夢中に焼きおにぎりをほうばった。


 疑似体験時では、胃が小さかったので一度に焼きおにぎり二個しか食べられなかったが、今は無限に食べられる気がする。


 それに、みんなが幸せな表情で食べてくれるから作ってて楽しいし、一緒に食べるとさらに美味しく感じる。


 エルフ効果でほぼ太らないし、なんて幸せなんだろう。


 その後も、幸せを噛み締めながら焼きおにぎりを食べていった。

いつか納豆とかも出してみたいですね。

納豆の匂いで、日本人でも嫌いな人がぼちぼちいるので、人族でも苦手な方がいるって言うことを言ってどんな反応をするのか?

匂いはどうなのか?味は……。

マジで楽しみすぎる!!

私は毎日納豆を食べる人間ですので、これは必ず書かないと!!と思ってます。


お楽しみに!!


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 時間は22時〜24時ぐらいです。

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