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第103話 ほのぼの料理教室

 「まずは牛乳を温めよっか。」


 「……牛乳を?」


 「……? 温める?」


 「ホットミルクとか飲まない?」


 「「……?」」


 私は疑似体験前の記憶を辿ってみたが、確かに牛乳を温める光景を見た事がない。


 そもそもクリームシチューなどといった牛乳を使う料理を食べたことがなかった。


 冬の定番中の定番のホットミルクの大切さを教えたいが、エルフの里は四季がなく一年中同じ暖かさであるので布団を包みながら飲むことが出来ない。


 旅の時にでもホットミルクを提供しよう。


 「今回は調理で牛乳を温める工程があるけど、ホットミルクと言って牛乳を温めた飲み物もあるんだよ。寒い季節や一年中寒いところで飲むのが格別なんだよ!!」


 「そうだったのね。ホットミルク飲んだことがないから今度チャレンジしてみようかしら?」


 「ご飯食べたら私飲む!! その時にみんなも飲もうよ。」


 「「賛成!!」」


 「じゃあ、サリアが牛乳を温めてくれる? お母さんはこっちで卵を割ってよくかき混ぜてその後に砂糖を入れて貰っていい?」


 「わかったわ。」


 「任せて!!」


 そうして、二人とも料理を開始する。私は手伝うことがないので、支持係だ。


 おっと、この間に鍋を用意しないとね。


 あと薄い布もだけど、ここにあるタオルでいっか。


 私の準備は終わり二人を待っていると、先にお母さんが工程を終わったみたい。


 「だいぶかき混ぜたからもう大丈夫だと思うわ。」


 「あとは、サリアが温めている牛乳を少しづつ入れて混ぜるだけだね!!」


 「もうちょっとだから待っててね!!」


 「沸騰まではさせちゃいけないから気をつけてね!!」


 「はーい!!」


 その後サリアが牛乳を温め終わったので、卵容器に少しづつ入れてプリンの元が完成した。


 あとは蒸して冷蔵庫に入れたら完成だ!!


 プリン一つ食べるのにここまで大変だったとは思いもしなかったな。


 疑似体験では、スーパーやコンビニによればすぐさま手に入る品物だったからなんだか新鮮な感覚を味わえる。


 上手くいくといいな。


 私は鍋に薄い布をひいてカラメルソースが入っている容器を置く。


 もちろんまだ火はつけていない。


 「カラメルソースの上からプリンを流してくれる?」


 「カラメルソースと混ざらないの?」


 「そこら辺は大丈夫らしい。とりあえずやっちゃおっか。」


 「「はーい。」」


 サリアが鍋を持ってカラメルソースが入ってるコップにプリンの元を入れていく。


 「お姉ちゃんどう? 混ざっちゃってる? 上からだと少し見ずらいよ。」


 「そこまで混ざってないように見えるかな。完成した時のお楽しみにしよっか。」


 「うん!! 楽しみだね!! もう食べたいぐらいだよ!!」


 「そうね。プリンがどれぐらい美味しいのか楽しみすぎてお腹がすいてきたわ。その前に焼きおにぎり食べないとね」


 「「ね!!」」


 サリアがプリンの元を入れ終わった所で、プリンの外側に水を入れて鍋に蓋をする。


 タイマーをセットしたらあとは待つだけ!!


 「よし。後はタイマーがなったら第一段階完成だよ。タイマーがなったら粗熱を取って冷蔵庫に入れるんだけど、粗熱は机の上で放置して冷ますから食べたくても我慢してね!! つい見れる位置にあると食べたくなっちゃうけど、我慢だよ。」


 「お姉ちゃん、それは意地悪だよ!! 見える位置にあるんだから、食べたくてしょうがないよ!! キッチンに置いて、絶対にキッチンに目を向けないようにするんだからね!!」


 「そうしましょう。ヨダレがプリンに入りそうだわ。」


 「焼きおにぎりを食べるからヨダレは大丈夫だよ。浸水時間も終了だから、炊いちゃおうか。」


 「「はーい。」」


 そうして、いつも通りサリアにお米を炊いてもらう。


 お米が出来上がるまではプリンアラモードに使うフルーツカットをした。


 多種多様のフルーツを取ってきたので、全部乗せるとお皿からはみ出しそうだが多分みんなの事だから全部乗せだろう。


 フルーツの味見をしたが、取り立てなだけあって新鮮ですごく美味しかった。


 プリンアラモードが楽しみだ。


 そこから少し時間が経ったらお米が炊き終わったので、これから焼きおにぎりを作っていくことにする。



 「お姉ちゃんお米が炊いたよ!! 焼きおにぎり♪焼きおにぎり♪どんな味かな?焼きおにぎり♪」


 「早く作りましょう。それにしても、焼きおにぎりはどうやって作るよかしら?」


 「それはね、おにぎりの表面に醤油を塗ってフライパンなどで焼く感じだよ。」


 「それだったら、焼き魚が合いそうね。今から焼いちゃうわ。」


 「それまでお米は収納魔法に入れとくね!! それにしても焼きおにぎり楽しみだな。沢山作って沢山食べたいもん。本当にお姉ちゃんが好きな料理はなんでも美味しいから楽しみだな!!」


 「そうね。プリンも楽しみだね。」


 「「ね!!」」


 その後、お母さんが収納魔法から魚を出しておにぎりサイズにカットして焼いてくれてる。


 その間、サリアはプリンのことが気になってしょうがないみたいでプリンが入っている鍋の前でソワソワしていた。


 今回はプリンを四つ作ったので一人一つとなっている。


 沢山作ってもいいんだけど、蒸す作業があるので大量に作るのが大変なのだ。


 一つ一つ大切に食べられるから逆にいいかもね!!


 お母さんが焼き終わった魚をお皿に移すタイミングでサリアが収納魔法から先程炊いたお米を出してくれる。


 よし、作るぞ!!


 「お姉ちゃん醤油を塗るって言ってたけど、どうやって塗るの?」


 「本当はハケとかあればいいんだけど、今回は表面をつける感じにしよっかな? って考えてるよ。焼いた醤油の香ばしい香りがするから楽しみにしててね」


 「うん!! 楽しみにしてる!!」


 「楽しみね!! おにぎりは沢山作りましょうね」


 「沢山!!」


 「まず私がお手本を見せるから真似して作ってみてね」


 「「はーい」」


 そうして、器に醤油を入れた後におにぎりを作っていく。


 もちろん中の具材はお母さんが焼いてくれた魚だ。


 疑似体験で食べた焼きおにぎりは中の具材が入っていなかったので、今回は二種類作る予定。


 魚がどんな感じで出てくるのかが非常に楽しみ!!


 私はおにぎりを持って醤油を表面に少しだけ浸していく。


 どうしても、手が醤油で汚れてしまうがこればかりはしょうがないが美味しい焼きおにぎりの為となれば全く気にならない。


 「これまで終わったらお皿に乗せて欲しいんだけど、まだ出してなかったね。サリア大きめのお皿に出してくれる?」


 「はーい!!」


 そうして、サリアが出してくれたお皿にの上に焼きおにぎりの元を置いていく。


 「ある程度数が出来たら、フライパンに油を入れて焼いていくからね。」


 「もうすぐ食べれれるってことだよね!! 楽しみだな。」


 「そうね。早く食べたくてしょうがないわね!!」


 そうして、私たちはお米に醤油をつけていってある程度数ができたので私が焼いて、第一段階焼きおにぎりが完成した。


 「せーの」


 「「完成!!」」


 「こっちももう少しで終わるから食べるのはもう少しだけ待っててね。」


 「はーい。」


 そこから少し待った後に醤油つけ作業が終わったので焼きおにぎりの味見をすることに。


 味見の後にまだ焼いていないおにぎりを焼く予定だ。美味しくできてるといいな。

 今回の料理作りは少し長いお話になります。

 当たり前のように過ぎていく時間、家族で楽しむ時間。大切と思った時には既に遅く、記憶を辿ることしかできません。

 そんな一コマが、どれほど大事かということを気づき、今回のように少し長いお話になっております!!

 私は昔、ホットケーキを家族で作って食べるという光景が今でも忘れられません。あの時は美味しい!!、楽しい!! としか思っていませんでしたが、今振り返ると、当たり前の時間程大切な時間だな。と感じます。

 もちろん、旅行に行ったことも大切な思い出ですが、家で何となく少しながら家族といる時間の方がいい思い出になって来てます。

 成長って嬉しいような、悲しいよう、よく分からないです。


ただ歳をとって記憶が美化されたと言われたら何も言い返せませんが……。


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 毎週水、日曜日に投稿中!!

 時間は22時〜24時ぐらいです。

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