第98話 ちょっとお寝坊さん
「あっ。もうこんな時間!!寝なくちゃ!!」
「!!」
つい話しに夢中になっていると時間を忘れがちだよね。
私たちは話を切り上げて自室に戻る。
それにしても今日はすごい濃い一日だったな。
契約魔法にミニ旅が始まり、コロッケとかつを作って釜を作ってピザを作る約束……。
疑似体験時にはこんなにも幸せな日々を過ごすことができるとは思ってなかったな。
私は窓を開けて星空を眺める。
こっちに来てから色々とあって星なんて見てなかったな。
それにしても星を見るのは落ち着く。
なんだか星を見ていると疑似体験時のことを思い出してくる。
学生の頃に夜コンビニに行く時に見た星空はいつもと違ったよう見えて良かったな。
初めて見た時以降は同じ光景しか思っていなかったが、あれが当たり前になってしまう感覚なのだろう。
そういえば、疑似体験時の子供のことはプラネタリウムを見たくてよく親に頼んだものだ。
疑似体験は偽物だったけど、あの時の感情は偽物では無い。
ここで暮らしていれば一生手に入れることができない光景と感情だった。
何気ない日常がどれほど素晴らしいものか……。
いや、今があるから当たり前だったものがどれだけ幸せだったのかが分かるのかもしれないな。
私は自分に浸りながらコーヒーを飲んでる真似をして優越感を感じる。
……。
うん。私も少しずつ大人になってきたね!!
よし寝るか!!
「おやすみ。」
いるかいないかよく分からない紗夜ちゃんに声をかけて寝るのであった。
「ははぁおはよう……。」
私はいい夢を見たので気持ちよく起きていつも恒例の日光浴をする。
言葉に表せないほどの美しい光景を見たあまりに腰を抜かしてしまうという夢。
なんかバカバカしい夢だが、この世界にこんな光景があるのではないかという期待が湧いてきてなんだか気分がいい!!
このままスキップをしながらリビングに向かってしまうほどに。
よし!!
私は日光浴をした後にリビングに行くといつも通りお父さんとお母さんが座ってゆっくりしながら話している。
「おはよう」
「「おはよう!!」」
「朝ごはん楽しみにしてるぞ!! カツサンドとコロッケサンド!!」
「……。忘れてた……。」
そうだよ朝ごはんにコロッケサンドとカツサンドを作るよ!! と言いながらいつもと同じ時間に起きちゃったよ。
キャベツの千切りとコロッケとかつはとりあえず収納魔法に入ってるから、そこまで時間がかからずに作れるはず。
一つ終わり次第お父さんに渡していけば間に合うだろう。お弁当はどうするのかな?
「お弁当の分も作った方がいいの?」
「そうね。一応おにぎりも作ったけれど、どっちもあった方が安心だわ。私も手伝うから一緒にお弁当の分も作りましょう」
「分かった。」
そうして私とお母さんはキッチンに行って収納魔法からコロッケなどを取り出す。
パンはお母さんが持っているので出してもらい先にパンをカットしてもらう。
今回はパンのサイズは分厚めではなくてコンビニでよく売ってるサイズだ。
「おはようって、お母さんとお姉ちゃんなにか作ってる!! 私も私も!!」
「こっちは大丈夫だからお父さんとゆっくりしてていいよ。」
「今回は二人でできそうだわ。」
「えー。私もお手伝いしたかったのに!! お父さんは一人でも大丈夫だよね!!」
「……。」
「もうすぐできるから楽しみにしてて!!」
「はーい。」
サリアは不貞腐れた声で返答した。
私はお母さんが切り終わったパンにキャベツを乗せ、その上にソースとマヨネーズをひいたらコロッケを乗せる。
コロッケは家で作ったコロッケなので少し分厚くなってしまった。
なので、上下分かれるように切ってから乗せる。
これによって、どこ食べてもコロッケの味が感じられるようになる。
そして次にカツサンドだ。
カツはコロッケほど分厚くないのでそのまま乗せるがパンから少しはみ出てしまう。
それほど大きいカツを挟んでいるんだからボリューミーでお腹もいっぱいになってしまうはず!! と思うが、昨日はみんな五枚以上食べていた……。
食べ過ぎだよね!!
私はカツサンドとコロッケサンドが完成したのでサリアを呼ぶ。
「サリア。これお父さんに持って行って!!」
「お手伝い!! やるから待っててね!!」
嬉しそうにスキップしながらやってきたサリアはお皿に乗っているカツサンドとコロッケサンドを持っていってくれようとしている。
そう。まだ持って行っていない。
持っていく前にどちらも一口ずつ食べた後にお父さんのところに持っていった。
「おまたせしました!!」
「って食べてるじゃん!! 」
サリアはカツサンドかコロッケサンドが口いっぱいに入りながら「おまたせしました」と言ったので、サンドイッチを見る前にバレバレだった。
まぁ、そんなサリアも可愛いのでお父さんはすぐに許してしまう。
サリアがそんなことをして怒る方なんていないよ!!
私はそんなことを考えていると手が止まっていたみたいでお母さんから「手を動かして!!」とお声が入ったので続いて作っていく。
沢山量がある訳では無いので弁当抜きで二つずつが限界だろう。
私がサリアに頼んで二回目を持っていく時に伝言を頼むとお父さんは少し寂しそうな声を出していた。
それだけ楽しみだったんだね……。
それにしても、みんな食べすぎても太らないってやっぱりエルフ種だからかな?
私も全く太らないし。
体重気にしなくて食べ放題とかラッキーすぎ!!
エルフで太ってる方見たことないから大丈夫だろう!!
私は安心しながらお父さんのお弁当の分も作る。
お弁当の分は一つずつだ。
それをお弁当箱に詰めてサリアに持って行ってもらう。
「一つずつか……。」
「昨日いっぱい食べたんだからしょうがないでしょ。私達も一緒なんだから我慢して!!」
「分かった。また作ろう!! 今度は手伝えることは手伝うから」
「「……。」」
私は聞いていないふりをしながら私たちの朝食なども作っていき、ついに完成する!!
お弁当に関してはお弁当箱に詰めてお母さんの収納魔法に入れてもらった。
「あなたそろそろ出る時間じゃない?」
「もうそんな時間か!! 朝からゆっくり食べすぎたな!! いってきます!!」
「いってらっしゃい!!」
お父さんは風の速さで家を出て言った。
私達も朝食を食べるか。
朝食の分を大皿に乗せていたのでそれをサリアが待つリビングに持っていった。
最近投稿する機会が減ったから、余計毎日投稿のすごさを感じます。
自分でも、よく2ヶ月ぐらい続けられたな。と関心します。
物語はまだまだ序盤ですので、今後も頑張ります!!
後で、1話から読まないと!!