美乃とひなたの進路
今日は予備校の自習室で、美乃とひなたは勉強している。
「ねぇねぇ、クリスマスプレゼント何もらったの?三日月君が何選ぶのか興味ある」
ひなたが嬉しそうに聞いてくる。
「何って、何もないよ」
「え、でも美乃はあげたんでしょ?」
「うん、あげたけど」
「それでも何にもなし?」
「うん。でもいいの。いつも囲碁の本買ってくれたり、あと初詣に行ったときお守り買ってくれたし」
と美乃は嬉しそうに話す。
「なんていうか、美乃は控えめだね」
「そうかな。でも、そういう感じだから、何かしてくれたときとか、すごくうれしいよ」
「三日月君と付き合えるのは美乃だけだと思う」
ひなたがやれやれと言った様子で言うと、そうだと嬉しいんだけどな、と美乃は笑った。
「進路、もうY大第一志望で決定?」
ひなたが美乃に聞く。
「実はちょっと迷ってて。今考え中」
「迷ってるって、学部?」
「ううん、理工学部を目指すのは変わらないんだけど、K大、目指してみようかなって」
ひなたは驚いた顔をする。K大と言えば難関私立大学だ。
「美乃は手堅くいくんだと思ってた」
「そのつもりだったけど、まだギリギリ2年生だし、目指してみるのはいいかなって。受からないかもしれないけど挑戦してみようかなって。勉強のモチベーションになるし」
なんだか美乃変わったな、とひなたは思う。成績が学年トップで、担任からもっと上のレベルの大学目指してみろと夏に言われたときは、絶対自分には無理だから、と頑なにY大と言い張っていた。
美乃は慎重で石橋をたたいて渡るタイプで、自分の可能性を狭めているのではないかと心配していたので、いい変化だな、とひなたは思う。
「ひなたは国公立の看護学科?」
「うん、そう。家から近いから今のところS大が第一志望」
「家から近いっていうのが優先順位高いの?」
「うん、実習とか国家試験とか大変みたいでさ、家族にサポートしてもらう」
と言ってひなたは笑う。ひなたはコミュニケーション能力が高いし明るいから患者さんに好かれるいい看護師になりそううだな、と美乃は思う。
「そういえばさ、三日月君ってなんで大学行かないのにうちみたいな進学校来たんだろうね」
「学校の近くに研究室っていう囲碁の勉強するところがあるみたいで、学校帰りに行けるし、定期で通えるからって言ってたよ」
「なんかほんとすべての選択が囲碁のためって感じだね」
ひなたはあきれたように言う。
「ほんと、ね」
と美乃は笑った。




