表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
画家のソリタ   作者: Suzura
7/65

先輩


(納得いかない……)


"納得いきません!"

そう口に出してしまいそうな時だった。


「私が行きます」


遮ったのは千夏先輩だった。


「お前が行くのか」

「はい。私のほうがSolitaも話しやすいかと」

「先輩、」

「ですよね、葛西さん」

「まあ、いい。とにかく誰でもいいから行ってこい」


葛西さんはそう吐き捨てると、またどこかへ行ってしまった。

 


「千夏先輩、あれって」

「小山、行くよ」

「今からですか」

「うん、支度して」



千夏先輩は俺に淀んだ優しい笑顔を向けると、荷物をまとめ半ば強引に俺を連れ出した。 


エレベーターの中で俺は尋ねた。

「千夏先輩、どういうことですか。Solitaさん自身は出たくないって」

「もちろん。出演交渉じゃないよ」

「は?」

「謝りに行くの。あと建前上ね」

「どういう……?」

「あの場で揉めるくらいなら、私が庇った方が早かったしね。めんどくさいじゃん。揉めるの」


(確かに……)


「帰ったら一緒に怒られよう」

「すみません」

「いいの。あと、Solitaさんの方には不快な思いさせちゃったから、お茶菓子持って謝りに行こう」

「はい」


エレベーターを降り、駐車場へ向かう。


千夏先輩の運転でSolitaのアトリエに向かった。その途中の洋菓子店でクッキー缶を買った。


「ちょうど良いの買えたね~」

「ですね、美味しそう」

「結構人気なんだね。今度企画出してみようかな」

「良いですね」

「クッキー代は経費で落ちるし、よし!OK」

「はい!」


「しゅっぱーつ」


千夏先輩の元気な掛け声が車内に響いた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ