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モテ男の告白
「先輩?」
不意に身動きが取れなくなり、私は驚いて硬直する。
「好きだ」
ふと右に目をやると、先輩が私の肩に顔を埋めていた。背中からお腹にかけては手が回されている。先輩の微妙な体温と早い鼓動が伝わってきた。
「赤羽先輩」
「……」
「先輩」
背中からお腹にかけて回された手に私の手を添え、少し大きめな声で呼びかけると、赤羽先輩はゆっくり離れた。
「座りましょうか」
赤羽先輩は俯いたまま震えていた。
「ごめん、俺」
「先輩」
赤羽先輩は目を逸らしたままだった。
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