引け目と飲み物と
「もしもし」
「あ、小山さんですか?」
「はい」
「今お時間大丈夫ですか?」
「ええ、俺今日休みで」
「奇遇ですね!俺も午後から休みで、もしよかったらご飯でもいきませんか?」
「あ、今は……」
「?」
◯●
赤羽さんは電話してから少し経った頃に女性マネージャーと共にやってきた。
俺とSolitaの妙な空気を察すると、赤羽さんの表情が少し固まった。
「赤羽先輩、休みだったんですね」
「うん。来月からドラマ始まるから。2日間だけね」
「すごいですね」
「大したことないよ」
「休みクレクレってうるさかったんですよ」
口を開いたのは、女性マネージャーだった。
「ちょっとやめてよ、中埜さん」
「数日ならまだしも、2週間は無理ですよ」
「めちゃめちゃ働いたから良くないですか?」
「今の人気がそれを許しません」
真偽は分からないが、俺の目にはSolitaと赤羽さんが楽しげに話しているように見えた。理由もなく引け目を感じてしまった。
「……俺、飲み物買ってきますね。近くに自販機が」
「それなら私が」
中埜さんが言った。
「いや、大丈夫です。俺行ってきます」
俺は、半ば強引に外に出た。
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