気持ち 1
数日前に送ったメールの返信が昨日来たらしい。
兄さんがわざわざ家に来て教えてくれた。
「まだ連絡先を交換してなかったのか」と兄さんから問われた。言われてみれば確かにとも思ったが、数ヶ月前の兄さんならそんなことをしたら烈火のごとく怒り狂うだろうとも思った。
(一体何が)
元を辿れば、兄さんにおんぶに抱っこだった私が悪いのだ。
「……」
小山は元気だろうか。数文のメールからは小山の体調までは伝わらなかった。
「兄さん、お願いがあるんだけど」
◯●
「いちまるテレビだよね?」
小山が前に話していた気がする。
「うん。ごめん、休みなのに」
「いいよ」
兄さんに無理を言い、車で小山の職場に連れて行ってもらうことにした。
「中には入れないよ」
「分かってる。社食を一般に向けて解放してるみたいだから、ご飯を食べてこようと思って」
「なるほど」
私如きが社食に居座っても何にもならないのは分かっているが、何もしないよりかは何かができると信じてしまった。
(兄さん、ごめん)
◯●
車でしばらく走り、周りの建物が都会になってきた。
「草葉区だから……もうすぐだよ」
「うん」
「小山くんと仲良くやってるみたいだね」
「仲良く……なのかな。向こうはどう思ってるか」
「仲良くしたくなかったら、マメに連絡しないよ」
「そうかな」
「うん」
「……話聞いたり様子見てると、働きすぎてる気がしてて」
「小山くん?」
「だから、心配でさ」
「そっか」
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