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画家のソリタ   作者: Suzura
29/65

社食と仕事と眩しさと 2




飯を受け取り、唯一空いていた窓際の席に座った。


(カレーうま……)


がつがつと食べ続けて数分が経った頃、不意に正面に誰かが座った。



「小山さん」



聞き慣れぬ声に顔を上げると、そこには見知らぬ美人な男性が座っていた。



(タレントだよな……?)



あいにく、仕事続きでフラフラの俺にはその男性が誰か分からなかった。



「赤羽です」



その名前を聞いて思い出した。



ついこの間、うちの番組に出てくれた人気アイドルだ。



(まさか覚えているとは)



俺の体感上の話にはなるが、一度仕事したぐらいのスタッフの名前を覚えているタレントはなかなか居ない。ましてやペーペーにこうして声をかけてくることはもっと無い。



(俺だけかもしれないが)



「先日はありがとうございました」 

「こちらこそ。ありがとうございました」

「赤羽さんは今お食事ですか?」

「ええ。ちょっと収録が長引きまして……頂きます」


赤羽さんはそう言うと、社食のかつ丼をがつがつと食べ始めた。どこか飾らぬこの姿勢がファンやスタッフにも愛される確固たる所以だろうなと思った。


「やっぱり美味しいですね、かつ丼」

「ですよね、分かります」

「俺、結構かつ丼好きなんですよね」

「そうなんですか」

「ええ。安いし」

「少し失礼なこと聞きますけど、食事制限とかは…」

「全然してません。食事制限すると痩せちゃうんで」

「すごいですね…」


赤羽さんはニカっと爽やかに笑った。

その笑顔が妙に眩しくて、俺は思わず目が眩みそうになった。この笑顔は、間違いなく誰彼構わず骨抜きになる。




(魔性の男)




逆にこの美人を骨抜きにする魔性の人間が居たら会ってみたいものだ、と思った。





そうこうしている内に赤羽さんは食べ終わり、「お先に失礼します」と去っていった。











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