帰る、変える
「信じていた幼馴染にいじめられて、その後はもう地獄でした」
Solitaは、重々しい口調で話していた。
「そうだったんですね……」
千夏先輩が呟いた。
「人と関わるのが苦手だった私に優しく関わってくれたのが、幼馴染でした。その後はもうどうやって人と関わっていいか分からなくなりました。……私が悪いんです」
「……」
「すみません、重い話を」
「いえ」
俺は、なんと言っていいか分からなかった。
「通信制高校に通いながら、画塾へ行って絵のスキルを学んでいました。美大へ行くことも考えたんですけど、人と関わりたくなかったのでやめました」
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「あの、今日はすみませんでした」
帰り際、ユウが見送りに来てくれた。
「こちらこそ、すみませんでした」
千夏先輩と俺は頭を下げた。
「ソリタがあんな風に僕ら以外と話ができたのが、感無量で……本当にありがとうございました」
「あの」
「はい」
「もしよかったら、また来てもいいですか。取材関係なく」
「小山」
「……はい。時間がある時に、来ていただければ」
ユウは柔かな微笑みを浮かべた。
その日、俺とユウは連絡先を交換した。
そして俺と千夏先輩は帰路に着いた。