第三話 ロヴェル王国
第三話 ロヴェル王国
いきなり母親を殺せだと?頭が痛くなるような夢だった、夢人か、あいつは一体なんだったんだ全く疲れが取れなかった。
「ウェン起きなさ、あら起きてるのね朝ごはんだよ下に降りてきてね!」
「わわ、母上、すぐ下にいきますね!」
いつもと変わらない会話、光景だった、あの夢人について少し調べたいが、誰に聞いてもわからないだろうと心の奥にしまう事にしたが、どうも夢人の最後の言葉が頭から離れなかった。
「なんだ?ウェンそんな顔して」
「父様、なんでもないです、少し寝不足のようで、、、」
「あら、ウェン昨日はぐっすりだったわよ?」
「いえ、寝たのですがあまり寝た気がしないというか、疲れが取れないようで、」
心配してくれている様子の両親だが、昨日の夢のせいなのか、やけに母親とは顔が合わせづらいのだ、気にしないようにしているが、夢人という存在がやけにリアルというか俺の推測だが、もう一度思い返してみよう、俺は本来、死んでいるはずだったが、時間を巻き戻したかのように事故に遭う前の時刻に戻っていて、あの光る街灯の下からこの世界にやってきた、そしてグレイスの森と呼ばれる森林で目覚めてロヴェリの呼びかけでこの世界の記憶が頭痛がと共に流れ込んできて、昨日の夜、夢人を名乗る人物に出会ったのだ、夢人の発言をまとめるに、俺をこの世界に呼んだのはやつではなく、別のもの、しかしグレイスの森で起こったあの頭痛と、記憶が戻ったのはやつの仕業、いや待てよ、記憶という時間の概念の修復ができているのであれば、俺を呼んだやつのことはわかっているのじゃないのか夢人は。しかもあいつはなんでも知っていると言うそぶりだった。それに、君は元々この世界の住人という点だな、察するに元いた世界が実は異世界でなんらかの影響により俺は飛ばされていたことになる、しかし、なんの目的で俺をあの世界に飛ばす理由があった、、、それとカロンを殺すというのはやけに引っかかる。何故カロンを?、、、、、
「ウェン、ウェン」
「はい母様」
「顔色が優れないわよ、本当に大丈夫なの?」
「もちろん大丈夫です!さてご飯の方頂きましょう!」
「そう?それならご飯にしましょ!」
「そうだウェン明日お家にロヴェル王国から魔力調査と学校に入学する為のテストがあるけど覚えているか?」
「も、もちろんですとも父様、楽しみで仕方がありません!」
「ウェン、頑張ってね!」
そうだ明日はロヴェル王国から6歳になったら魔力調査と学校の入学テストが行われる日だ、いろんなことがあってすっかり忘れていた。ロヴェル王国には、6歳になると魔力調査、学校に入学するためのテストがある、過保護な両親が将来のため申請をしていたのだろう、まだ俺自身魔力と言うものはわかっていないが俺自身魔力が使えるものだろうか、今までカロンやロヴェリに教えてもらった記憶はない、後で少し試してみるか
「父様、少し書庫で調べたいことがあるので部屋をお借りしても良いですか?」
「おぉウェンいいぞ、なにを調べるのか?」
「いえ、特に対した事ではないのですが、気になる事があるので、、」
「そうか、その歳にしては少しばかり難しい言葉もあるからわからない事があったら俺かカロンに聞くと良い」
「ありがとうございます」
こうして俺は父の書庫を借りる事になったのだが、父の書庫はとても埃で目が痛くなる、ちょっとばかり換気と掃除をと、、ん?なんだこの赤い本は、題名はと、罪○ネ○ト○?
文字が経年劣化のせいか霞んで読めなかった、少し呼んでみるとしよう、中の方が大丈夫かな?そして俺は本を開けた、
第一章 ロヴェル王国
ロヴェル王国?それはこの俺が今住んでいる王国の名前だ、この本と関係しているのか、
いや待てよ、もし歴史書ならこの世界のことも少しはわかるはずだ、
本を読み始めて数時間ぐらいが経っていた、これまでのロヴェル王国の歴史、タイトルの意味が理解できた、
ロヴェル王国とは別にあと5つの大陸すなわち王国がある事がわかった。
ロヴェル王国
ネプトゥ王国
バンディート王国
ウィズネット王国
ゾゴット王国
この5つの大陸の別のもう一つ魔界陸という陸地があるらしい。
その魔界陸はこの本には危険と書かれているだけで詳細なことはなにも書かれていなかった。
題名が罪人ネプトゥか、歴史書を読んで発行国がロヴェルつまりロヴェルとネプトゥの争いについて語っている本だ。
その昔、初代ロヴェルは民に王の中の王と呼ばれており、民に寄り添って政治や国の在り方を作っていたらしい、その一方で初代ネプトゥはロヴェルに対してそれでは国に崩壊が訪れると宣告していた、そこでロヴェルは私の在り方、それで滅ぶなら本望だとネプトゥに反論するがネプトゥは関心を受けお互いに
ロヴェル王国とネプトゥ王国での初となる同盟国家が生まれた。
しかし、5年後、ある事件が起き戦争へと発展した。
ロヴェル王国の最重要機密魔法、王家のみ知る転生魔法を信頼し切っているロヴェルがネプトゥに教えてしまい、ネプトゥはある計画を立てる、それは最重要機密魔法転生魔法を実行、発動させるには王家のものの命、そして生贄として民の命300万と言う数であった。それはロヴェル王国と自国ネプトゥ王国を合わせた数と一緒だった。
そして実行したネプトゥは初代ロヴェル、自国の民、ロヴェルの民を生贄とし転生魔術を行った、しかし、ネプトゥはその魔法の代償とし魔力は愚か肉体も滅び、人の中でしか生きられない体になってしまったのだと言う。
「なんかおとぎ話みたいな歴史だなこの王国は」
「しかし、疑問だが、なぜ今もロヴェル王国は健在しているのか?生贄のせいで生き残りはいないのではないのか?」
「まぁあれこれやってここまで復国したのだろう、魔法書を探さなきゃ」
こうして俺はこの世界の歴史と共に罪人ネプトゥについて知った。