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俺転生  作者: バツマオウ
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第二話 夢人


俺は今困惑している。転生前つまり、本来の世界の記憶も幼き頃からの記憶があり、そして尚この世界の幼き頃の記憶もある。


本来の世界では俺は死んでしまったのか?でも車に轢かれたような記憶もあるが俺は生きていた、しかし俺は一度デジャブ体験をしている、あれは本当に死んだのであったのか、それはわからないが、こうして今別の世界と呼ばれる記憶もある。本来の世界での記憶はこの転生された世界の夢なのか?はたまた逆なのか。頭が痛くなるような問題だ。

とりあえず今はこの世界で生きているわけであって、元に戻りたいとは一切思わない、悪夢を見ていたって事にしよう。それと…


「ウェイト聞いてるのか?ウェイト・バルミュルカ!」


「はいっ!お父様!少しばかり考え事をしてしまったようです!」


咄嗟に言葉が出てしまったが、そう、この名を呼ぶものは自分の父上だ、ロヴェリ・バルミュルカ、父上の名だ。


「グレイスの森にお前が行きたいって言ったから着いてきてやったのになんだお前は父の言葉も反応せずぼーっと湖に映る自分を見やがってよ、まさか女の子の事でも考えていたか?」


「いいえ、お父様、そんな事は、あっお父様に似てかっこいい顔だなと思っただけです!」


「なんだウェイト一丁前にナルシストになりやがって!実はな父さんもそれぐらいの歳からは女の子にモテモテでな、そしてお前の母さんと、」


「はいはいお父様その話はまたの機会に!母様が待っておられるので家に帰りましょう!」


なにがモテモテだ6歳の息子に対して鼻を伸ばすな気持ち悪い。そんな事を思いながらどの世界でも父親は変わらないと少し安堵していた。


ところでこの世界での6歳までの記憶は鮮明にあるのだが、実際に活動が実感できたのは森で剣が重たいと感じ、すぐ手を離したあの時からだ、これまでの約4年間の記憶はあるのだがどうも矛盾が生じる、一体、自分になにが起こっているのかわからなかった。


「ほら家に着いたぞ、ウェン、母さんにバレる前にお風呂入ってこいこの泥んこ小僧め又母さんに怒られるぞ」


「わかりました、父上、今日の夕食がすごく楽しみですね」


そうそう、この世界での記憶によると母上は俺が怪我をしたり泥んこになるとすごく心配したり叱ってくれる母親だ、

母親の名はカロン・バルミュルカ。我ながらにいい母を持った、幸い胸もデカく普段は超優しい、元の世界の母親は、まぁそんな事はどうでもいい今は今を楽しもう。


「ちょっとウェン!」


この声はカロン、母親の声だ。少しばかり身震いした。


「なに、かな?母様」


「ウェン又あの森へ行ったの?あそこはまだ危ないって言ってるじゃない!怪我でもしたらどうするの?又泥んこになっちゃって!」


「まぁまぁカロン今回は俺がついて行ったし危ない事はなかったよだから」


「貴方は黙ってて」


「はいっ」


なんて弱い父親なのだ、逆亭主関白じゃないかこれは、まぁ無理もないか母親を怒らせると後々面倒だ。


「すみません母様、実は母様にあげる花を摘みに行こうと思ってまして、しかしその綺麗な花がどこ探しても見当たらなくて少しばかり父様にも手伝ってもらいまして。」


「あらウェンそうだったのね。やだウェンいい息子じゃないの。私嬉しいわ、ごめんなさいね」


そう嘘である元の世界で会社の不祥事で言い訳スキルを身につけたのだからな俺はグハハハ


「ウェンお前…」


父上が何かを言おうとしかけた瞬間鋭い睨め付けで父上は理解したようだった。


「さぁ貴方もウェンもお風呂に入ってきてちょうだい、今夜はすごく豪勢な料理だよ!今日はなんたって私達ロヴェル王国の建国記念日なのよ!」


そう忘れていた俺が住むこの世界はこの国しか知らないがロヴェル王国と言う名らしい、

少しばかり父上の名前に似ている気もするが何かあると思いこの4年間黙っていたのだと俺は思う。なんと気がきく息子だ。俺は自分で自分を褒めてやりたいとこだがひとまずこの父親をどうにかせねばならん


「おいウェンお前は将来いい男になるな!父さんを見てみろ!この鍛え抜かれた筋肉とこの凛々しい顔お前はモテモテ間違いなしだ!

それにカロンの美しい顔だってお前に入ってるぞ!でも女選びは慎重にな!でなければカロンみたいな嫁は捕まらんぞ!」


「ははは、そうですね父上」


この頭がお花畑をどうにかしてほしい

でも確かに俺はそこそこいい顔をしている、父上も大概だかやはりカロン、母様が美人すぎる、凛とした目、ツンとした鼻、どうやら俺は母親似らしい、しかしまだ俺の記憶では母親と父親以外には会ったことがない、この世界の人たちはどのような顔をしているのかが気になる、まさかエルフなんかいたりしちゃって!心が躍るなぁ


「なんだウェンニヤニヤなんかして」


「なんでもないです!ささ、もうお風呂上がってご飯食べましょう!」


なんやかんや国立記念とやらを祝い美味しい夕食を食べた、今日の森での出来事や、

父、ロヴェリのたわいもない会話で終わった。


「じゃあおやすみねウェン、今日も愛してるわ」

「ウェンしっかり寝てこの俺みたいに強くなれ」


「おやすみ母様、父様」


そしてなんやかんやあり布団に着き一気に疲れと共に寝てしまった。


「なんだここは」


俺は寝ていたはずだよな。真っ暗な景色の奥にぼんやりと光る街頭のような灯りに照らされる椅子に座る影が一つ、ボソボソと声が聞こえる、これは夢なのか?いや確かに夢のはず、これが明晰夢というやつか、初めて見たな。

ところで会話が聞こえにくいもう少しだけ近くに…夢とわかってるはずなら近づけるはずだ。しかし数歩歩くとどんどん体が重くなり行く事はできなかったが少しだけ会話が聞こえる。


「やぁ、ウェイト・バルミュルカ」


「お前は誰だ」


喉が霞みながらも、喉を押しつぶし喋る。


「お前は全く図太いんだな、こちらから一方的なのだが、そこまで喋れる奴は久しぶりに見たよ。私は…夢人って事にしとくかな。」


「夢人?そうかお前が俺をこの世界に呼んだのか?」


その言葉を言うと少し夢人と名乗る影が少し濃くなった気がした。


「呼んだ?良いや違うな、お前など呼んでおらん、そんな力など私にはあるまい、私は夢人、貴様の夢でしか生きられない、私は有機物でも無機物でもなければ私の意思でもない、もちろんお前の意思でもな、」


「じゃあどう言う事だよ、俺は元の世界でなにが起こったんだお前が呼んでいないのなら一体誰が、俺はこの世界での記憶はある、元の世界の記憶も、どっちが本当の世界なんだ教えてくれよ、なんでも知ってそうじゃないか夢人さんよ」


「お前は呼ばれたと言ったな無論私は呼んでいない、呼びたくもないねお前など、まぁなんでも知ってると言うのはあながち間違ってはないな、私は神に等しい、それか同等以上の知識図書館だよ。お前にあの時のように記憶を流すこともできる全ての記憶をな。」


「あの時?、まさか貴様がグレイスの森で記憶を流した混んだのか?」


「おっと少し話し過ぎたようだね、まぁ試練というか良い事を教えてあげよう、この世界は脆い脆過ぎた、君はこの世界の元々の住人だよ」


「それとあと一個」


「母親を殺せ」


その言葉で俺は目が覚めた。

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