君へ
こんにちは。僕の小説を見つけて下さってありがとうございます。
少しでもご覧になっていただけると嬉しいです。できる限り定期的に続きを出そうと思います。
「爽司、お母さんしばらくの間出掛けるけど一人でも大丈夫?」
「大丈夫だよ!!」
「な~に、留守の間は儂が面倒を見てやるんじゃ。大丈夫に決まっておろう。」
「お爺ちゃんに預けるのが一番心配なのよ、あんまり森司に変なことさせないでね」
「変なこととは何じゃ?少し武の心得をじゃな...」
「教えなくていいから」
「そうか……残念じゃのう」
「それでは母さんたちは出かけてくるわね。来月くらいには戻ると思うから、それまで良い子でいてね」
「うん!!」
俺は爺ちゃんの家で毎日母さんが帰ってくるのを楽しみにしていた。すぐにでも話したかった。
友達と遊んだこと、喧嘩したこと、初めて料理を作ったこと。相談したいことだって山ほどあった。
だが、母さんが帰ってくることは無かった。
仕事で海に出ていた母さんは太平洋の海底火山の噴火による津波で死んだらしい。
そして俺はそのままの爺ちゃんの所に引き取られた。まだ幼かった俺は最初は状況が分からずに混乱してしまった。
母さんにもう会えない人生を想像できなかった。爺ちゃんはそんな俺に少しづつ説明してくれた。それでも理解できずに泣いてしまったりしたが、爺ちゃんはそんな俺をずっと慰めてくれた。爺ちゃんだって辛かったはずなのに。それから数年後、俺は母さんの遺品整理をしているときに手紙を見つけた。そこには俺へ宛てた手紙が入っていた。
『爽司、あなたがこれを見てるということは私はきっと死んでいるでしょう。こういう仕事をしているから、いつかこうなる時が来ると思ってあなたへの手紙を残しました。爽司、私はあなたは優しい子です。だから時々人のために無茶をしちゃう時があるの。
私は爽司のそういう所が好きだけど、同時にとても心配でもあるわ。だから私が居なくなったときの為にこれを書いておきます。
これは私から最後に教えられること、それは......』
小説を閲覧して下さりありがとうございました。
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