第7話 『神』
前回のあらすじ
アイシャ様が精霊達に話を聞いて、勇者2人を思いやる。そんな感じ。
なんか投稿を重ねるごとにあらすじが雑になっていく気がしますが、まあ気のせいでしょう()
今回は説明回です。次回も説明回になりそう。
ちょっと鉤括弧が多すぎて混乱するかも知れませんが、ご了承ください。
それでは、お楽しみくださいませ。
翌朝。宿屋『ラヴ・ストゥール』の一室で、真弓は目を覚ました。
「ひゃっ⁉︎」
目の前に剣人の顔があることに驚き、情けない声が出る。朝からいきなり心臓が早鐘を打ち始めた。
(そういえば、昔みたいに慰めてもらったんだっけ…)
ぼんやりとした頭で昨日のことを思い出す。ホフゴブリンを殺してしまった罪悪感に押し潰されそうになっていた真弓を、剣人は昔の様に優しく抱きしめてやった。布団の中で。高校生の男女が一緒の布団で寝ると言うのはなかなかにマズい状況であるのだが、真弓の脳内からは、そんなことは既に取っ払われている。
昔はよく一緒に寝たなぁと、この光景に懐かしさを覚える。真弓の心臓の鼓動は、既に落ち着いたリズムを刻んでいた。
(剣人ったらまだ寝てる)
真弓は微笑みながらそう思った。昔からそうだったな、と。朝起きる時、決まっていつも真弓の方が早く起きる。剣人は真弓よりも遅く起きる。とはいえ平均的な早さではあるが。
(あれ…?目の下にクマ?)
真弓は、剣人が目の下に隈を作っていることに気がついた。
(まぁ、いろんなことがありすぎたからそりゃ寝れないよね…私も寝始めたの大体18時くらいだったし、多分)
大方、昨日のいろんな出来事のせいで眠れなかったのだろうと予想を付ける。それは剣人にとって半分正解であり、半分は不正解。
ではもう半分の答えとは──
「おーい、剣人。もう朝だよ、起きようよ」
真弓は半分だけ体を起こし、剣人に声をかける。すると剣人は「ん…」と声を漏らし身じろぎした。しかし、目覚める気配は無い。
「剣人。ねぇ剣人!」
「んん、あー…」
少し語気を強めて呼びかけると、漸く薄目を開けて寝返りをうち、布団を自らの手で剥がした。
「おはよう、剣人。お腹空いたね」
剣人はまだ寝ぼけているのか、目を擦りながら体を起こす。寝ぼけ眼のためぼやけている視界に、何か人の姿が映った気がした。しかも、距離的に結構近い。
段々と目が慣れてきた。それに連れて、視界が明瞭になっていく。髪の長い少女がいる。綺麗な黒髪。黒髪で長髪の少女が、自分の近くにいる?
「ねぇ、起きてってば──」
「うおわぁぁぁぁ⁉︎」
───突如、剣人は悲鳴を上げながらとても綺麗に布団から脱し、ベッドからとてつもなく速く遠ざかった。勢い余って壁に頭をぶつける。ゴン、という音がした。
「⁉︎け…剣人⁉︎」
そう、先程のもう半分の答え。それは、『真弓が近すぎてなかなか眠れなかった』である。
「どうしたの剣人⁉︎大丈夫⁉︎」
「いやっ…どうしたってお前…!お前なぁ…!」
いきなり変なことをし出した剣人に驚き、悪い夢でも見たのではないかと心配する。しかし、剣人は全く別の理由であの様なことをした。
剣人はあの日の夜、結局0時をまわるまで眠れなかったのだ。それは全て、真弓のせいである。真弓の寝顔や寝息に振り回され、常に心臓は早鐘を打ち、目はしっかり冴えてしまって全く寝付けなかった。
剣人の胸中は真弓への懺悔でいっぱいだ。
肌めっちゃやわらかいとか思ってごめんなさいめっちゃ良い匂いするとか思ってごめんなさい彼氏でもないのに寝顔かわいいとか思ってごめんなさい恋人同士でもないのに抱きしめて寝るとかしてごめんなさいていうかそもそも何で俺昨日あんなこと言い出したのバカなの?いやバカだわ確実にバカでアホで脳みそスカスカだわ───
「剣人…ごめんね?心配かけて」
「へあっ⁉︎いや、えと…」
未だに剣人が自分への心配+悪い夢を見たorいろんなことがありすぎたせいで眠れなかったのだと思っている真弓は、心配させてしまったことを謝る。自己嫌悪に陥っていた剣人は不意に意識の外から聞こえてきた声に素っ頓狂な声を上げた。
「私ならもう大丈夫だから、剣人は心配しないで!」
違う、そうじゃない。仮に真弓の精神状態が大丈夫だったとしても、あの状況は何も大丈夫ではない。もっとも、真弓はただ剣人をこれ以上心配させまいと強がっているだけで、まだ心にしこりは残っているが。
「やっおまっ、そういうことじゃなくて…!」
「?どうしたの?何か悪い夢でも見た…?」
違う、そうじゃない。どちらかと言えば良い夢だったけど状況的には問題点しかない。半ばヨコシマな思考に染まりつつあるのを意図的に無視し(本当は無視したら駄目だけど)真弓に声をかけた。
「いや、その…大丈夫、か?」
「うん、もう疲れもとれたし、昨日傷は負ってないよ。強いて言うならちょっとした擦り傷くらいかな、すぐ治るよ」
違う、そうじゃない。なんだか思考パターンがデジャヴになっているがそんなことはどうでもいい。自分が聞きたいのは、そう言うことじゃなくて───
「…ああ、うん。何でもねぇ」
「?そう」
───剣人は諦めた。どうやらこの幼馴染は本当に無自覚を極めている様だ。高校生の男女が同じ布団で寝ることがどれほど危険なのか全くわかっていない。じゃあお前何で昨日あんなこと言い出したんだと問われれば、剣人は返す言葉が無い。本当に、何で一緒に寝るなんてことを提案したのか。せめてその場で抱きしめるくらいで良かっただろうと、段々と冴えてきた頭で考えた。
「…腹へったな。メシ食うか」
「ん、そうだね」
幼馴染に貞操観念のあれこれを説くのは後回しにして、まずは朝食を取ることとなった。ハンガーにかけていた制服に着替え、ドアを開けて部屋の外に出る。すると、ルークとエレノアの両名がいた。
「よ、おはよう」
「おはようございます、ケントにマユミ」
どうやら待ってくれていた様だ。笑顔で挨拶をした。
なお、余談ではあるが剣人はクローゼットに閉じこもったまま着替えをしていた。まるで引きこもりである。
「おはよう」
「おはよう。もう傷は大丈夫なの?昨日エレノアの方が重傷に見えたけど」
挨拶を返すと同時に昨日の傷を心配する。ルークもエレノアも
「はい、あの後魔力も回復してきて大分余裕ができたので、ルークと私の傷を治しました。腹部を殴られただけですので血は出ていませんし、少しずつ回復する魔導具を持っていましたので、見かけほど重傷ではありません」
「お前なぁ、自分の回復優先させろよ。死んだらどうすんだ?」
「ルークこそ、何であんな無茶な特攻したんですか?あれではすぐに力尽きてしまいます」
「だからってあんな攻撃受けてフツー!」
「だって!貴方に死んでほしくないから…」
「んなもんオレだってそうだわ!」
剣人と真弓をよそに口論を始めた2人。普通ならば止めるべき事態であるが、真弓はふふっと笑みを漏らした。剣人の表情も穏やかである。
「あ…悪りぃ。お前らの前で…」
「見苦しいところをお見せして、ごめんなさい…」
すぐに顔を青ざめさせ、慌てて謝罪をする2人。出会って間も無いのに目の前でいきなりこんな喧嘩見せつけられて、何が嬉しいだろうと。しかし、剣人と真弓の反応は、2人の思惑とは真逆であった。
「いや…2人とも、お互いをすっごく大事に思ってるんだなぁって」
「ケンカの原因がお互いの心配とか…お前ら仲良しだな」
会話の内容から、ルークとエレノアは互いを大切に思っている。そんな2人が喧嘩してみたところで何になろう。剣人と真弓にとっては、痴話喧嘩か非生産的な行動にしか感じられないのである。
「あ、いや…すまん。怒鳴ったりして…」
「いえ…こちらこそ。でも、貴方の傷は早く治さなければなりませんし」
「…あんまオレの傷ばっかに集中すんなよ?」
「…はい、そうですね。治癒士が死んでは元も子もありませんから」
「…わかってくれたんなら良いけどさ」
しおらしい様子で話し合う。エレノアとしては、治癒士として傷ついたものを放っておけないということ。ルークの言い分は、重傷を負った時に治癒士が死んだらみんな死ぬし、そもそも自分はカミレに死んでほしくないということである。こればかりはルークの言い分の方が正しい。
やがて2人の表情が柔らかいものになった。仲直りはできたらしい。
「すまんな、騒がせちまって。取り敢えずメシ食おうぜ」
ルークがそう言って、宿屋の食堂へ案内する。階段を降りて行くので、それについて行った。
「あのさ、ルーク…」
「おん?」
剣人はややあって、意を決した様に話しかけた。
「俺達、冒険者になろうと思っているんだ。だから、食い終わったら冒険者ギルドを案内してくれないか?」
「おう、良いぜ!」
ゼウスから託された、『世界を救う』と言う使命。1番手っ取り早いのは冒険者になることだろうと、昨日真弓と話してそう判断したのだ。冒険者であるこの2人に色々聞けば、教えてくれるに違いない。
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それほど長くもない階段を降りて、やがて食堂についた。この宿屋自体あまり広くないらしく、食堂といってもこじんまりしたものだったが、それでも十分な大きさだった。なんだか高校の学食みたいだなと思いつつ、剣人と真弓は席についた。その間、ルークとエレノアは注文にいっていた。どうやらここでもお金を払わずに済む様だ。2人は内心安堵しながら、朝食を待った。
待っている間、辺りを見渡す。学食の様だとは思っても、当たり前だが自分達の暮らすところとは異なる雰囲気だ。海外旅行に来た気分である。
実際は『異世界旅行』であるが。
「お待たせしました!お2人の分、持ってきましたよ!」
すると、元気の良いカミレの声が聞こえた。声のする方を見ると、ルークとエレノアがトレイを2つずつ両手に持ってやってきた。そっとテーブルに置く。
トレイには、紅茶のカップと少し大きめのボウルが置かれていた。ボウルの中には、ミルクの様なものとオーツ麦の様なものが入っている。
「…何だろこれ?」
「んー…多分ポリッジじゃね?食べんのは初めてだわ」
ポリッジとは、オーツ麦をミルクで煮込み、蜂蜜や果物などを入れた、主にイングランド、スコットランドで親しまれている海外の朝食である。日本で言うところのミルク粥の様なものだ。
腹持ちも良く、栄養価も高い。
なお、この2人の朝食は日本人ならさして珍しくもないご飯派である。
どれだけ忙しかろうと、朝は取り敢えず茶碗に米を盛る。パンやシリアル系など食べない。それが2人の日本人としての性なのである。
「…!うっま!」
「すごい、美味しい!」
「だろだろ?ここのメシはうめぇからな。どんどん食え!」
「美味しいだけでなく栄養も豊富なので!ぜひ食べてください!」
ルークとエレノアも嬉しそうな表情で食べ進める。
「いやー、学校出てよかったな。やっぱこっちの方が楽しいわ!」
「学校?」
「ああ、オレらは7歳から18歳まで学校に入るんだ。と言っても15歳の中等部を終えたらそこから高等部に入るかは個人の自由なんだけどな」
『学校』という単語を聞き返した剣人に対しクシアが説明する。クシアの説明を聞き、概ね自分達の知っている『学校』と仕組みは変わらない様だ。もっとも、剣人達は中高一貫ではなく普通の公立高校に通っているが。
「私が高等部1年、ルークは15歳になってすぐに卒業しました。冒険者になるのは中等部を終えてからと定められています。なので中等部を終えた瞬間に冒険者になる方も多いのですよ」
「いつ卒業するかは自分で決められんだ。先生に言って、そしたら1ヶ月後に卒業試験を受けられる。それに受かったら卒業できるんだよ」
「好きなタイミングで卒業できんのか⁉︎俺らと全然違うな」
日本では好きなタイミングで卒業どころか運が悪ければなかなか卒業できない様な仕組みなのである。剣人達が驚くのも無理はない。
「どう言うことを勉強するの?」
「基本的な学問は勿論のこと、魔法や戦い方について学びます。自分の身は自分で守らないといけませんから、最低限敵を退けられる力は学びますよ」
エレノアの言葉に成る程と頷く。しょっちゅうやっていたRPGゲームの魔法学校と同じ認識で良さそうだ。
「ていうか、ほら。冷めるぞ。早く食えよ」
ルークの声に、慌てて食べ進める。熱いものは熱いうちに食べた方が美味しいのには違いない。
「ルークとエレノアは何でそんなに早く卒業したの?」
素朴な疑問である。その歳で学校を辞めてまでやりたいことがあるなんて、真弓にはあまり想像がつかない。
「やっぱ冒険者に憧れたんだよ。敵を倒したり、街の人達に優しく接して、平和を守る。最高にカッケーじゃねぇか」
ルークは冒険者に心底憧れ、冒険者を目指して勉強してきたのだと言う。冒険者の仕事内容、ギルドの仕組み、自分に合う武器や戦闘スタイル、魔法属性の活かし方。卒業してから3年間、ひたすら『冒険者』と言う一点を目指したのだと言う。
「バイトしながら、戦闘訓練とかしてたんだ」
「バイト…」
武器や防具を用意するのにも金がいる。力のある彼は地元であるアンスリウムで物流関係のバイトをしながら資金調達をしていたらしい。高額な宿代をポンと出せたのもそのおかげだろう。
「じゃあ、エレノアは?」
「私は…ルークについて行ったんです」
彼女はルークと行動を共にすることが多かった。ルークが冒険者となることを決めた時にエレノアもそう決めたらしい。
「ルークはいつも先走って、失敗してしまうことが多いんです。バ………素直な人ですから」
「オイお前今『バカ』って言おうとしたよな?」
ルークが軽く睨むが、お構いなしに話を続ける。
「ルークだけでは身がもたない。そう思って、私もついて行ったんです。………ルークはバカで乱暴で大雑把で、よく傷を作ってきますから。それを癒せる治癒士にと」
「今はっきりバカっつったな」
「誤魔化すのやめたね」
「お前ちょいちょいオレをディスるのなんなん?」
まぁバカは自覚済みだけどよ、とルークは呟く。
「そっか。クシアのこと、大事なんだね」
「……はい」
「えーなになに⁉︎ちょっと照れるんですけどー!」
真弓の言葉に、エレノアは顔を綻ばせて微笑む。ルークが何やらはしゃいでいるが、その様子すら愛おしい様に見つめて微笑むカミレは、何とも美しい。
「あっ、それと‼︎」
さっきまでの穏やかな雰囲気とは一転、机を叩いて立ち上がった。
「私には、憧れの方がいるんです‼︎その方にお近づきになりたいと言うか、あわよくばそのお方と会って話したいと言うか…‼︎」
「あー、アイシャ猊下だろ?」
頬を赤らめて興奮した様に話し出すカミレ。クシアは納得した様に『アイシャ』と言う人物の名を出す。
「誰だそれ」
「アイシャ・アストライア・ユスティティア猊下!この国の守護神です!」
剣人の言葉にエレノアは『よくぞ聞いてくれた』と言わんばかりに声を一層張り上げて話した。
「『星』と『知識』と『正義』の神権を掌握した神!歴代最年少で神権を獲得したお方です‼︎神光議会に属する三姫神で、三姫神最強のお方!ステラリースのNo.3の実力を誇るんですよ‼︎」
「ちょちょ、ちょい待て!一気に話しすぎだ!」
息継ぎをほぼせずに話し切った。剣人は慌てて止めるが、カミレはまだ話し足りないと言った様相だ。どこまでも話しそうなカミレを止めて、ルークが説明を引き継いだ。
「えっと、まずな?『神権』ってのがあるんだよ」
「『神権』…」
「そ。『神成権利』、略して『神権』だ。まあ平たく言やあ、神の力を使い神に成るためのものだ。これを掌握すると神と名乗り、神の力を扱うことができるようになる」
運転免許みたいなものか、と剣人は考えた。『神権』、神に成るためのもの。それさえ取れれば誰でも神になれるのだろうか?
「勿論神権を掌握することは簡単じゃねえ。神権に認められることが重要だ。あんま詳しくは知らねぇんだけどな」
「神権を掌握することは大変名誉なことなんですよ‼︎」
「へぇ…」
真弓は思わず感嘆の声を漏らした。誰でも成れるわけではない。しかし裏を返せば、神権に認められさえすれば子供でも神に成れるというわけだ。極端に言えば。
「神様方は『神光議会』って言う組織に所属していてな。1つの国につき基本的に神を1人、守護役や意見役として派遣する感じだぜ。神は王よりも立場が上なんだ」
「「王よりも⁉︎」」
剣人と真弓が声を揃えて驚く。国の最高権力者であるはずの国王より立場が上の者がいるなんて、信じられない話だからだ。
「えっと、じゃあ『三姫神』っつうのは?」
「それはな──」
「『三姫神』様というのは、この世界の守護を最高神のゼウス様より任されている3人の神様方のことです!
『太陽』と『秩序』の神権を持つ
『ノルハン・エウノミア・オールドー』様、
『月』と『平和』の神権を持つ
『ライラ・エイレネ・パークス』様、そして先程言った
『アイシャ・アストライア・ユスティティア』様の3人です。
ゼウス様に次ぐ実力を持っていらっしゃるので、アイシャ様はこの国で3番目にお強い方なのです!」
「とんでもねぇ大物じゃねぇか‼︎」
ルークの言葉を遮って行なわれた説明に、心の底から驚いた。国で3番目に強いならまだしも『世界』なのだ。規模が大きすぎる。しかも特別な役職に就いているときた。
((と言うか名前長いな…))
「ん…3番目?2番目じゃねぇのか?」
ゼウスはこの世界の最高神のはずだ。そのゼウスに次ぐ実力を持つならば、アイシャは2番目なのではないか、という疑問が湧いてきた。
「ゼウス様には妹君がいらっしゃるのですよ。ヘラ様というのです!」
「ああ、成る程…」
真弓が納得した様に頷いた。世界最強の妹がアイシャより弱いということはないだろう。
話を聞き終えた剣人と真弓の胸中は疑問と驚きでいっぱいであった。まず国の最高権力者である筈の国王、女王よりも立場が上の者がいると言うことがまず信じられないし、『神権』さえ取れれば成れるなんて、『神』って思ったよりもハードルが低いだとか、急にエレノアがオタクになったとか、気になることはいっぱいだ。
「あ"っ!話し込んじまった!メシ冷める!」
「アッやべ…」
ルークの大声に目が覚めたのか、慌ててポリッジを食べ進める。やはり、すっかり冷めていた。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
ポリッジを食べ終わった剣人達は、調理場に皿を渡しに行った。
「メシも食ったことだし、次は冒険者ギルドを案内してやるぜ。着いて来いよ!」
ルークは立ち上がりそう言った。いよいよか。剣人と真弓は身構えた。ゼウスから課せられた、『世界を救う』と言う使命。それを果たす為の第一歩。
ルークは受付と話し、扉を開けた。
「さあ、こっちだ!冒険者のいろはを教えてやるぜ!」
剣人と真弓は表情を真剣なものにする。そうして、扉の外へ踏み出した。
神権を掌握することがどれくらい難しいかと言うと、仔猿が一から全て1人で電球を発明するくらい難しいです。
…わかりにくいですね。もっとわかりやすい例探してきます。
あと、作者はこの話を書くまでポリッジを知りませんでした。海外の食文化って面白いですね。因みに作者の朝食はご飯です。
偶にうどんを食べます。正月シーズンには餅も食べます。
[余談]
剣人の妹・『霜崎 月乃』
乙女ゲーの世界に転載した系マンガ・小説大好きな女の子。
意外にもアニメはあんまり見ない。兄は普通に好き。真弓のことはもっと好き。お兄ちゃんのお嫁さんになって私のお姉ちゃんになってくれないかなって常々思ってる。
〜剣人の家に真弓が遊びに来た時のこと〜
「ねぇ真弓ちゃん、真弓ちゃんっていつお嫁に来るのー?」
剣人「ゴホッ⁉︎」(飲み物が気管に入った)
真弓「ふえっ⁉︎」
仕事が休みで家にいた剣人父「ほう…」
後でそれを知った母「あらあら…」