アリスティア
ランキング入ってました。
ありがとうございます!
ついに、テオもセシルと同じ学園、王都ミッドガルズ魔剣学園に通うことになった。
テオが演じるのは“平凡”。
学園に行く前の屋敷にて。
「お兄様、とても制服姿がお似合いです!」
「ありがとうエリナ」
頭を撫でてやると「にへへっ」と笑みを浮かべる。
「わかっているわよね、テオ?」
「ね、姉さん?」
「クラウス家何だから恥を掻く様なことはしないでよね」
「わかっているよ」
「……そう。ならいいわ。私は後から行くから」
「うん、それじゃあ行ってくる」
テオは屋敷を出て学園へと向かった。
しばらく歩いて途中にあるベンチに座ると、背後に誰かが座り、その人物にテオは小声で話しかける。
「何か情報は入ったか?」
「はい」
テオの後ろに座る女性はヴァイス。今は変装し一般人に紛れている。
ヴァイスは続ける。
「ドグマのアジトの一つと思わしき場所を発見致しました。場所は王都近郊の森にある研究施設です」
「そうか」
立ち上がろうとするテオに、女性はあるものを下から差し出す。
受け取ったのは紙片。
「そこに詳細が」
「あとで確認する」
「はっ」
テオがベンチから立ち上がり、学園に向かいながらヴァイスから受け取った紙片を読む。
そこに書いてあったのは、研究施設で行われていることだった。
研究施設で行われているのは『強化人間』と『魔人』の作成とのこと。
魔人とはかつて、邪神に仕えていたとされる種族だ。
魔力、身体能力のどれもがずば抜けており、今の人間やエルフ、獣人には到底勝てない存在と言われている。
御伽噺と言われていた存在の研究が、すぐ近くで行われていたのである。
「すぐに潰しにいかないと大変なことになるな」
テオが紙片を握り締め再び開くと消えていた。
誰にも見つからない木陰へと移動しパチンッと指を鳴らし合図をすると、誰かが現れた。
「ノワール様、ご用は?」
「エイデスか」
「はい」
「早急にドグマの研究施設を調べろ。今夜仕掛ける。以上だ」
「はっ。では失礼します」
消えるエイデン。
テオはそのまま学園へと向かうのだった。
学園に入り教室へ入ったテオ。
席に着き自己紹介が始まった。何事も無くシンプルに済ませた。
なんとこの学園の同じクラスにはこの国、レスティン王国の王女様がいたのだ。
綺麗なプラチナブロンドを腰まで伸ばし、空のように青く澄んだ瞳にキメ細かい白い美貌の持ち主。
名前をアリスティア・フォン・レスティン。
王族のみ、名前と姓の間に『フォン』と入っている。
それ以外に『フォン』は入らない。貴族には姓はあるが平民にはない。
ちょっと驚いたことはあったものの、テオは暇なのでその間は魔力制御をしつつ時間を潰すことにした。
魔力制御は魔力量を上げるのと緻密な魔力制御を行うのに必須なのだが、なんとこの世界の住人は知らなかったのだ。
テオはセシルやエリナにこっそりと教えていたりする。
教師の説明が終わると、テオ達は実技を行うために外の訓練場に移動するのだった。
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