今後の動き
セシルはテオとエリナへと小さく告げる。
「前に突っ込むわ。私が真ん中を。テオはその左、エリナは右を頼むわ。出来るだけ殺さないように」
「ああ」
「はい」
そしてセシルは合図を告げる。
「――今!」
セシルの出した言葉を合図に、テオ達は正面へと突っ込んだ。
一瞬で詰め寄ったセシルは正面の男が振り下ろした剣を避け、腹部目掛けて剣の柄を当てた。
男は剣を地面に落としそのまま地面へと倒れ気絶した。
気絶させるほどの力がないエリナは振り下ろされる剣を避け、低姿勢のまま男の足の健目掛けて剣を振るった。
そのまま健を斬られた男は地面へと倒れ痛みで声を上げた。
テオは振るわれる剣を手に持つ剣で逸らし、セシル同様に腹部目掛けて剣の柄を打ち込んだ。
男は「うっ」という声を上げ気絶し地面へと倒れた。
テオ達はそのまま強化された体で屋根の上へと上がり、屋根伝いに走り去った。
「待ちやがれ!」
振り返ると三名の魔剣士崩れだろう者が追いかけて来ていた。
「どうする姉さん?」
テオに尋ねられたセシルは、返り討ちにしようかとも考えたがそれはやめた。
何故なら不意打ちなら勝てるにしても、正面切っての戦闘はテオとエリナにはキツイと判断したからだった。
「このまま撒くわ」
「わかった」
「わかりました」
セシルの後に続き逃げる事数分。
テオ達は無事、追っ手を撒くことに成功した。
そのまま宿に戻ろうとしたところに、テオはそれを止めた。
「どうしてよ?」
疑問に思ったセシルはテオに聞いてきたが、戻ってはならない理由を二人に話す。
「その宿の店主がクーデターに参加していないとは限らないからだよ」
「……確かに」
「ですね」
テオの言葉に同意し頷くセシルとアリス。
「ここは王城に行った方が得策かもしれない」
宿にはほとんどに持つを置いていない。
あるとすれば着替えの衣類ぐらいだろう。
セシルはテオの提案に頷いた。
考えてもそれしかないからである。
「でもどうやってクーデターに参加していないと言えば良いのよ?」
「姉さん、騎士団の仮入団なら、何か貰ったりしてない?」
「そんなのあるわけ――……」
そこで言葉を止めたセシル。
剣を見て口を開いた。
「これならどうかな?」
そう言って剣を見せるセシル。そこにはレスティン王国の紋章と騎士団の紋章の二つが掘られていた。
「それならいけるかも。仮に王国の人物だからって保護してくれる可能性もある」
「そうね」
「流石ですお兄様!」
「では早く行きましょう」
セシルの言葉に頷き返事を返すテオとエリナ。
そのまま王城へと向かって走るのだった。




