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フェリシアの心情

 王城のとある訓練場にて、一心不乱に剣を振るう人の姿があった。

 長いプラチナブロンドの髪が剣を振るうのに合わせて靡き、青い瞳はただ真っすぐを見つめていた。


 その人物の名はフェリアシア・フォン・レスティン。

 レスティン王国第一王女であった。


(まだ、まだあの剣には遠く及ばない)


 フェリアシアが心の中そう思う人物。

 それはアリスが誘拐された際、王都に混乱を巻き起こった強化人間との戦闘。


 一人一人が強く、複数相手に苦戦していた。


 そこへ現れたのは【ネグロヘイム】と名乗る謎の集団。

 その者達は圧倒的なまでの実力で、自身が苦戦していた敵を一瞬で倒したのだ。


 最後にノワールを名乗る人物が見せた綺麗な剣技と、配下だろう者達以上の圧倒的なまでの剣技と魔力。


 勝てる気がしなかった。


 自分は世界でも指折りの実力者であると自負していた。

 そこから来る悔しさと非力さ。


 最後にはいとも容易く城内へと侵入されたのだ。


 悔しくてたまらなかった。


 あの一件以来、フェリシアはさらに訓練をキツくし、今よりも強くなろうと努力をし始めたのである。


「一体、何が起きて……」


 今まで潜んでいた実力者集団の出現。

 フェリシアは嫌な予感がするも首を横に振り、余計な考えを拭った。


(今は集中よ)


 そこからさらに一心不乱に剣を振るった。


 そんな姿を見ている人物がいた。

 フェリシアの妹であるアリスティアであった。


「お姉様……」


 アリスも姉であるフェリシアがあの一件以来、己に厳しく当たっていることが心配だった。


 強くなろうと努力する姉の姿を見たアリスは決心する。


「私ももっと強くならないと……あの王国最強魔剣士であるお姉様の背中を守る、相応しい魔剣士に」


 アリスは決意をし、フェリシアの下へと走り訓練に参加しに行くのだった。




 学園も終わり長期休暇となった。

 期間としても一ヶ月はあり、課題さえ終わっていれば悠々自適に満喫できる――はずであった。


 テオは現在、姉セシルの監視下のもと、出された課題と向き合っていた。


「良い? 今日中に終わらせるのよ? 私が目を離したすきに寝てでもしたら許さないから」

「わかってるよ」


 実際、テオにとって出された課題はすぐに終われるレベルである。

 時間で言えば一時間で終わるだろう。だが、それをしてしまうと怪しまれてしまうので、ゆっくりやる他ない。


「お兄様、頑張って下さい!」


 エリナがテオを応援する。

 が、セシルの視線がエリナへと向いた。


「へ?」


 呆けるエリナ。


「ど、どうしたのですかお姉様……?」

「エリナ。あなたは外で訓練よ。大丈夫、私が見ていてあげるか」

「……お、お兄様、助けて――」

「これも修行の内だ。頑張れ」


 振り向かずに親指を立てるテオに、エリナの「そんなぁ~!?」という声が屋敷に響いた。


 こうしてテオは一日で課題を終わらせるのだった。






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