表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/69

【剣聖】フェリシア

 フェリシア達のアリス捜索隊が王都を探していると、騒がしい声が聞こえた。


「こんな時に何事ですか!」


 急いで駆け付け近くに居た巡回兵へと問う。


「フェリシア様! それが、急に現れた魔剣士達が暴れ始め、取り押さえようと交戦しましたが強すぎて手が付けられない状況です。こちらの負傷者はすでに五名を超えています! 重傷者も出ております!」

「分かりました。あなた達は下がりなさい」

「はっ!」


 負傷者を連れて下がって行く兵。

 フェリシア様次に支持を出す。


「捜索は一時中断します。今は辺り一帯を閉鎖し住民の避難を優先に!」

「「「はっ!」」」


 早急に行われる避難活動。

 その間でも魔剣士達は邪魔する者達を斬り殺している。


 一撃一撃が強く応戦した魔剣士がガードした剣ごと叩き斬られていた。


 その後ろにいるフードを被り指示を出す謎の人物。

 フェリシアはすぐにそいつがこの事件の黒幕と推測し迅速に動く。


 目の前の魔剣士へと応戦した人が吹き飛ばされ、そこへかっく実に殺すとばかりに襲い掛かった。


 応戦した魔剣士に振るわれた剣は、その横へと振り落とされた。

 いや、正しくは逸らされたと言って良いだろう。


 魔剣士が顔を上げると、そこには剣を構えるフェリシアの姿があった。


「下がりなさい! まだ戦えるのなら他の応援に!」

「は、はい!」


 そこへ、後ろに控える者が口を開いた。


「チッ、騎士団が出張ってきましたか、それにフェリシアですか。厄介ですね。彼女を殺しなさい」


 下される命令。


 魔剣士達は笑みを浮かべ一斉に斬りかかる。


「くっ!!」


 他の騎士達も苦戦しており、一人また一人と倒され戦力が削られていく。

 フェリシアには三名の魔剣士が相手しており追い込まれていた。


 だが、流石は【剣聖】と呼ばれるだけの事はあるのか。

 相手にも確実にダメージを淹れ、ついには一人の片腕を斬り落とし、そのまま出来た隙を突いて一人を切り伏せた。


「やりますね。あなた達、最後のアレを使いここに居る者達を殺すのです!」


 そこの言葉に応じてカリッと何かを噛み砕いた音がしたのと同時。

 目の前の魔剣士達が突如大きな声を上げた。


「一体何が……」


 フェリシアの疑問の声に、謎の人物は答えた。


「さあ、殺戮の限りを尽くしてください!」


 彼の声に応えるようにして、ギロリと視線が騎士団へと向けられる。

 そこから行われるは殺戮。


 十名にも満たない魔剣士を相手に、騎士団が半壊寸前にまで追いつめられた。

 フェリシアも防いではいるものの、確実にダメージが蓄積されていた。


「しまっ――がはっ!」


 一瞬の油断。

 相手の振るわれた剣を防御したが、背後からの攻撃に気が付くのが遅れ無理な態勢で防いだことで吹き飛ばされた。


 背後にあった建物へと体を打ち付けた。


 口から血が流れ落ちる。


 そして眼前に振り上げられる剣。


「団長ぉぉぉおおおおッ!!」


 今、振り上げた剣を振り下ろそうとしていた。

 部下が団長がピンチに陥ったところを見て駆けつけようとして――それが現れた。


「その程度を相手に苦戦。それでも【剣聖】ですか?」


 真っ二つに切り裂かれる魔剣士。

 その背後に立っていたのは顔全体を覆う仮面と、綺麗な銀髪を靡かせ黒を基調とした衣服に身を包む一人のエルフだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ