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シュトルツ商会へ!

 テオが学園に着いて少し、挨拶をしてくる人物がいた。

 その人物はというと……


「おはようテオ」

「おはようヴェル」

「今日の放課後暇か?」

「暇だけど、どうした?」

「実は――」


 ヴェルが話そうとしたところで、割って入ってくる人物がいた。


「テオくん、今日一緒にシュトルツ商会に行かない?」

「リーリア、それ今俺が言おうとしたことだぞ! 先に言うんじゃねー!」

「別にいいじゃんヴェル。ヴェントもそう思うでしょ?」

「目的が同じなら変わらないと思うよ」


 リーリアとヴェントだ。


「シュトルツ商会に?」

「そう! 今日新作のお菓子が発売するんだって!」

「へ~、そうなのか……気になるし行ってみるか」

「やったぁ!」


 ジャンプして喜ぶリーリア。

 そこへ丁度到着したアリスが声をかけてくる。


「おはようみんな。何を話していたの? お菓子がどうとか聞こえてきたけど?」


 アリスはお菓子に興味があったようだった。

 リーリアが先ほど話していた内容をアリスへと伝える。


「あら、シュトルツ商会に?」

「アリス様も一緒にどうかな?」


 少し悩む素振りを見せるアリスだったが、リーリアの「新作のお菓子が今日発売するんだよ!」という発言を聞き即答した。


「私も同行させてもらうわ!」


(新作のお菓子に釣られたか……)


 テオは心の中でそう呟くのだった。


 実はシュトルツ商会のお菓子は、王城や貴族の間で人気が高いということはテオは知らないでいた。


 そんなこんなで大会まで授業は自主練となり、テオとアリス、ヴェルにリーリア、ヴェントを加えた四人で代わり替わり組手をしてその日は終わった。



 ――放課後。

 テオ達四人はシュトルツ商会がある通りの道までやってきた。


「人が多いな」


 テオは通りの道を見ながらそう呟いた。


 テオの言う通り、通りにはいつもの倍近い人が歩いていた。

 いや、正しくはシュトルツ商会に向かっていたのだ。


 新作のお菓子が発売するということで、王都の人々は新作のお菓子を求め列へと並びだす。


「もうあんなに並んでいるよ! 早く行かなきゃ!」


 駆けだすリーリアに、テオ達も小走りで向かい列へと並んだ。


(今日は俺がアリスを王城まで送って行くか。その方が安全だろうしな)


 この後の予定を考えるテオ。


「新作のお菓子、売り切れていたらどうしようかしら?」


 アリスが不安げな表情でそう呟いた。

 相当新作のお菓子が食べたいのだろう。


「きっと買えますよ!」

「リーリア……そうね。きっと帰るわ!」


 両手を握りしめて自信を励ますアリス。

 こんな一面もあるのかと思いながらも、テオ達はひたすら順番を待つのだった。





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