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友人

 引きずられるようにして、医務室へ。

 医務室で手当てを受けている間も、リッカルド様は厳しい表情をしていた。


「あの、ありがとうございます、リッカルド様」

「君は、いつもああなの?」


 いつもああ、とは?

「いつも、あんなにふうに自分のことを粗末に扱うの?」

「っ、それは──」


 その通りだ。多少怪我しても、まぁ、回復魔法で回復させればいいかなー、くらいに考えている。


 でも、それでリッカルド様が怒る理由がわからない。私はメリア様じゃない。ただのクラスメイトだ。

「……リッカルド様には、関係ないでしょう」


 私がそういうとリッカルド様は、顔をしかめた。


「君のことは、友人だと思っていたけれど、違った?」


 魔獣騎士科で過ごして三ヶ月。それなりに、話をすることはあったし、友人と言っても差し支えないかもしれない。


「……違いません」


「だったら、心配する権利くらいあるはずだ」


 そういって、リッカルド様は、私の顔を覗き込んだ。

「自分の体を、大切にしてほしい」

「……はい」


 頷くと、ようやくリッカルド様は、笑みを形作った。


「女子寮まで送っていくよ」









 女子寮までエスコートされ、寮門でリッカルド様と別れる。

「そういえば、リッカルド様はこんな夜更けに何をされていたのですか?」

「それを聞くなら僕もソフィア嬢に聞かなきゃいけなくなるけど、聞く?」


 リッカルド様になぜ、魔獣の森に単独でいっていたのかと聞かれてうまく答えられる気がしなかった。なので、首を振る。


「じゃあ、お互い秘密だね。おやすみ」

「おやすみなさい」


 リッカルド様がひらりと手を振る。


 私もそれに手を振って答えて、自室に戻り、ベッドに横たわる。


 その日は、朝までぐっすり眠れた。

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